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第9話 疑うのは証拠が取れてから
「そうだ、イツキ。皆が待っているから急いでくれ」
「何かあったんですか?」
「………」
黙ってついて来い、らしい。
団長室の前に着いたおれは、おれなんかが入る部屋でもないので足を止めると団長に手招きされた。
「ん?失礼しますー」
入った途端、冷たい視線がおれに刺さった。
「え?」
「ごめん、イツキ。おまえを睨んだんじゃないから」
レイン大隊長が明るく言ってくれた。
「は、はい……」
「おい、イツキ。おまえこれについて何か知ってるか?」
ヘイルが鋭い目でおれを見た。きついなこの人、おれの事嫌いだよ、絶対。
「これ?人参ですか?」
机の上には3本の人参が置かれていた。
「見たらわかるだろ」
「じゃあ聞かないでくださいよ。人参さんだって言えばいいじゃないですか」
「なんだとー!」
「やめろ、ヘイル。イツキ、何か気づかないか?」
「うーん。処女の人参より色が薄い気がしますね。おれ達の厨房にあるヤツに似てます」
「中を割ってみてくれ」
何なんだよ。割る?割れるの、人参て。
「うーん!」
端の方が割れた。
「はい」
「はいじゃねえ!おまえなんで騎士団にいるんだ!」
ひ弱すぎるぜ、とヘイルは怒鳴ってくる。
「えー、人参ボキッとやるんですかー。包丁があればできますよ」
おれのステータスで人参素手割りは不可能だな。
「イツキはどうやって試験にパスしたんだろう?」
団長が、ボキッっと人参を上の方で割った。あら、すごいわ、さすがはおれの彼女ーー、ん?おれの、彼女?
あれ、もしかして団長がおれの彼氏なのか?
まずいな、それは。
できるならば、入る方がいい。
「どう思う?」
「まずいです。おれはそんなつもりじゃーー」
「おまえがやったのか!」
ヘイルが胸ぐらを掴みにきた。なんでこの人こんなに怒ってんのよ。
「やってませんよ!だからはじめては、大事にしたいじゃありませんか!」
「ーーイツキ、ちょっと真剣に見てくれ」
団長に人参を渡される。
「ん?トゲ?」
割れたの人参の中に、リゲルの口に刺さっていたトゲが入っている。
「え?これは、こういう品種ですか?」
「違うと思う」
「えってことはーー」
「故意に入れられたんだと思う」
「えっーー!処女がそんなことしますか!」
処女は疑っちゃだめだろう。嘘だとしても信じてやらないといけないだろうが。
「信じたくはないが、それも可能性のひとつだ」
「あれ?この人参がおれらが食べてる人参と一緒なら、なんでリゲルにトゲが刺さったんです?」
「朝はこれだった」
クリア大隊長が肩をすくめた。いつもより顔が険しい。
「デネブ達はいつもの人参でしたよ。これ、誰かにもらったんですか?」
「ビスタだ」
「え?な、なんでビスタがー」
「今日あいつと湖に行ってるな?何か不審な様子は?」
「まったく普通です!絶対に変なところはありませんでした!」
おれは真剣に話した。団長達は困ったようにおれを見る。ヘイルなんか、忌々しそうだ。
「リゲルだけを狙ったのかー。クリア、ビスタと何かあったのか?」
「いや、覚えがないな」
鼻をかいたクリア大隊長に、ずっと黙っていたスノウ副団長が言った。
「何にせよ、ビスタを尋問しないと」
「いやいやいや、はじめから疑ってかかるのはよくないですよ!」
尋問と聞いておれは慌てる。
「まずは、『おまえ人参好きか?』『ああ、好きだぜ』『じゃあこの人参を食ってみろよ』、からやらないと!」
「それはいいな。名案だ。それで食えなきゃ犯人だろ?」
クリア大隊長が手を叩いた。
やだ、おれってば、ナイスアドバイス過ぎた?
いやいやいや、あいつはいいヤツだよ、恋のアドバイスだってしてくれたし、絶対大丈夫!
おれは祈るような気持ちだった。
「何かあったんですか?」
「………」
黙ってついて来い、らしい。
団長室の前に着いたおれは、おれなんかが入る部屋でもないので足を止めると団長に手招きされた。
「ん?失礼しますー」
入った途端、冷たい視線がおれに刺さった。
「え?」
「ごめん、イツキ。おまえを睨んだんじゃないから」
レイン大隊長が明るく言ってくれた。
「は、はい……」
「おい、イツキ。おまえこれについて何か知ってるか?」
ヘイルが鋭い目でおれを見た。きついなこの人、おれの事嫌いだよ、絶対。
「これ?人参ですか?」
机の上には3本の人参が置かれていた。
「見たらわかるだろ」
「じゃあ聞かないでくださいよ。人参さんだって言えばいいじゃないですか」
「なんだとー!」
「やめろ、ヘイル。イツキ、何か気づかないか?」
「うーん。処女の人参より色が薄い気がしますね。おれ達の厨房にあるヤツに似てます」
「中を割ってみてくれ」
何なんだよ。割る?割れるの、人参て。
「うーん!」
端の方が割れた。
「はい」
「はいじゃねえ!おまえなんで騎士団にいるんだ!」
ひ弱すぎるぜ、とヘイルは怒鳴ってくる。
「えー、人参ボキッとやるんですかー。包丁があればできますよ」
おれのステータスで人参素手割りは不可能だな。
「イツキはどうやって試験にパスしたんだろう?」
団長が、ボキッっと人参を上の方で割った。あら、すごいわ、さすがはおれの彼女ーー、ん?おれの、彼女?
あれ、もしかして団長がおれの彼氏なのか?
まずいな、それは。
できるならば、入る方がいい。
「どう思う?」
「まずいです。おれはそんなつもりじゃーー」
「おまえがやったのか!」
ヘイルが胸ぐらを掴みにきた。なんでこの人こんなに怒ってんのよ。
「やってませんよ!だからはじめては、大事にしたいじゃありませんか!」
「ーーイツキ、ちょっと真剣に見てくれ」
団長に人参を渡される。
「ん?トゲ?」
割れたの人参の中に、リゲルの口に刺さっていたトゲが入っている。
「え?これは、こういう品種ですか?」
「違うと思う」
「えってことはーー」
「故意に入れられたんだと思う」
「えっーー!処女がそんなことしますか!」
処女は疑っちゃだめだろう。嘘だとしても信じてやらないといけないだろうが。
「信じたくはないが、それも可能性のひとつだ」
「あれ?この人参がおれらが食べてる人参と一緒なら、なんでリゲルにトゲが刺さったんです?」
「朝はこれだった」
クリア大隊長が肩をすくめた。いつもより顔が険しい。
「デネブ達はいつもの人参でしたよ。これ、誰かにもらったんですか?」
「ビスタだ」
「え?な、なんでビスタがー」
「今日あいつと湖に行ってるな?何か不審な様子は?」
「まったく普通です!絶対に変なところはありませんでした!」
おれは真剣に話した。団長達は困ったようにおれを見る。ヘイルなんか、忌々しそうだ。
「リゲルだけを狙ったのかー。クリア、ビスタと何かあったのか?」
「いや、覚えがないな」
鼻をかいたクリア大隊長に、ずっと黙っていたスノウ副団長が言った。
「何にせよ、ビスタを尋問しないと」
「いやいやいや、はじめから疑ってかかるのはよくないですよ!」
尋問と聞いておれは慌てる。
「まずは、『おまえ人参好きか?』『ああ、好きだぜ』『じゃあこの人参を食ってみろよ』、からやらないと!」
「それはいいな。名案だ。それで食えなきゃ犯人だろ?」
クリア大隊長が手を叩いた。
やだ、おれってば、ナイスアドバイス過ぎた?
いやいやいや、あいつはいいヤツだよ、恋のアドバイスだってしてくれたし、絶対大丈夫!
おれは祈るような気持ちだった。
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