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第11話 みんな突く方
異常なほど静かな空気の中、団長は口を開いた。
「すまない、ヘイル。私は突かれるより突くほうだ」
ヘイルの目が大きく開かれた。呆然とした顔で目が下を向いていく。そんなショックなことか?
「へ、ヘイル、良かったじゃないか、突かれる方ならいけそうだぞ」
レイン大隊長が必死にとりなしている。
「そこは、譲れない!オレは一番槍のヘイルだ!」
譲れよー。そんなとこ、こだわるんじゃないよー。団長、あんたも譲歩してやってくれよ!こいつ、性格は絶対に悪いけど、団長への想いは本物だって!
「ヘイルー、実はだな」
何だ、団長。どうした?
「私にも付き合っている人がいる」
そこにいた全員が目をむいた。ヘイルなんか目玉が飛び出そうだ。
まさか、なぁ、まさか団長。
「だ、誰なんだよ!」
ヘイルが叫んだ。
「イツキだ」
「はあ?」
「私はイツキと付き合っている」
ええええぇぇぇ!!!!!!
悲鳴のような叫び声の中、団長は真顔で言った。
「デネブの件で、脅されてーー、いや交換条件というやつだ」
ちょっと待てぇぇぇー!!!
「だ、だ、だ、団長!あ、あんた、おれを………」
売りやがったな!卑怯者ぉ!
「何だって!イツキ、おまえ、最低だな!」
ヘイルがおれに詰め寄った。
「違う!ちょっと団長!ひどいじゃないですか!あんたの血の色は何色だ!」
「赤だ」
「ふざけるな!団長なんか、緑色の変な血が流れてるんだ!誰が脅しただ!団長だって、おれにデネブの恋人になれって無理言ったじゃないですか!」
「団長って最低なんですね」
ビスタが、うわぁ、と言いながら団長に軽蔑の目を向けた。
「そうでもない」
そうでもあるわ。
「なんだ、イツキは団長の虫除けになったのか」
レイン大隊長が言った。
「虫除け?」
「こいつモテるけど誰とも付き合えないらしくてさ、イツキがいれば、いちいち断るのに言い訳しなくていいじゃん」
「ああ」
「団長がクソだぁぁぁーーー!」
本当に団長は自分の事しか考えていない。
何でこんな奴と恋愛しなくちゃならないんだよーー。運命の愛の神、いくらおれだって無理なものは無理なんだよ。
くじけそうよ、まったく。
肩を落としたおれの胸ぐらを、ヘイルがつかんだ。
「イツキ!オレはおまえを許さないからな!」
「何をだよ」
「団長と無理やり付き合った事だ!」
「バカかぁぁぁ!例えそうでも団長だって鬼の所業じゃねえか!本当に好きならこんなとこでおれの事さらしもんにはしねえだろぅ!」
「たしかにそうですね」
スノウ副団長が、団長を睨みながら頷いた。
「副団長、あんたいい人だな。さすが、あんたのユニコーンはちゃんと歯みがきがされている、立派な人だよ」
35頭のユニコーンの中、歯がキレイなヤツは3頭。その中の1頭がスノウ副団長のアルタイルだ。
「コレがやってくれてます」
スノウ副団長は小指を立てた。
「あんたもひどい奴だぁぁぁ!」
「忙しいので仕方ありません」
「仕方ないなら動物は飼うな!!!」
おれ達のやり取りを見て、団長は眉を寄せた。
「スノウ、それはしっかりお付き合いしているということなんだな?」
そこは重要らしい。
「もちろんです。毎日がんばってます」
何を?
「そうか」
納得するんだ。
「くれぐれも相手をとっかえひっかえする事のないように」
「はい」
団長の言葉に、スノウ副団長とレイン大隊長が頷いた。
なんつうまとめ方なんだ。それでいいのかよ。
この日、ユニコーン騎士団の規則である、『騎士団内は恋愛禁止』が撤廃されることになった。ただし、騎士団内を乱すような行いをした場合(サークルクラッシャーみたいな)、ただちに除名される事になった。
「団長、おれなんか気にせずに、好みの子に告られたら付き合っていいですからね」
おれはヘイルを見ながら言った。ヘイルは目を見開いて呟いた。
「おまえ、いいヤツだな」
チョロいヤツだな、あんたは。
「すまない、ヘイル。私は突かれるより突くほうだ」
ヘイルの目が大きく開かれた。呆然とした顔で目が下を向いていく。そんなショックなことか?
「へ、ヘイル、良かったじゃないか、突かれる方ならいけそうだぞ」
レイン大隊長が必死にとりなしている。
「そこは、譲れない!オレは一番槍のヘイルだ!」
譲れよー。そんなとこ、こだわるんじゃないよー。団長、あんたも譲歩してやってくれよ!こいつ、性格は絶対に悪いけど、団長への想いは本物だって!
「ヘイルー、実はだな」
何だ、団長。どうした?
「私にも付き合っている人がいる」
そこにいた全員が目をむいた。ヘイルなんか目玉が飛び出そうだ。
まさか、なぁ、まさか団長。
「だ、誰なんだよ!」
ヘイルが叫んだ。
「イツキだ」
「はあ?」
「私はイツキと付き合っている」
ええええぇぇぇ!!!!!!
悲鳴のような叫び声の中、団長は真顔で言った。
「デネブの件で、脅されてーー、いや交換条件というやつだ」
ちょっと待てぇぇぇー!!!
「だ、だ、だ、団長!あ、あんた、おれを………」
売りやがったな!卑怯者ぉ!
「何だって!イツキ、おまえ、最低だな!」
ヘイルがおれに詰め寄った。
「違う!ちょっと団長!ひどいじゃないですか!あんたの血の色は何色だ!」
「赤だ」
「ふざけるな!団長なんか、緑色の変な血が流れてるんだ!誰が脅しただ!団長だって、おれにデネブの恋人になれって無理言ったじゃないですか!」
「団長って最低なんですね」
ビスタが、うわぁ、と言いながら団長に軽蔑の目を向けた。
「そうでもない」
そうでもあるわ。
「なんだ、イツキは団長の虫除けになったのか」
レイン大隊長が言った。
「虫除け?」
「こいつモテるけど誰とも付き合えないらしくてさ、イツキがいれば、いちいち断るのに言い訳しなくていいじゃん」
「ああ」
「団長がクソだぁぁぁーーー!」
本当に団長は自分の事しか考えていない。
何でこんな奴と恋愛しなくちゃならないんだよーー。運命の愛の神、いくらおれだって無理なものは無理なんだよ。
くじけそうよ、まったく。
肩を落としたおれの胸ぐらを、ヘイルがつかんだ。
「イツキ!オレはおまえを許さないからな!」
「何をだよ」
「団長と無理やり付き合った事だ!」
「バカかぁぁぁ!例えそうでも団長だって鬼の所業じゃねえか!本当に好きならこんなとこでおれの事さらしもんにはしねえだろぅ!」
「たしかにそうですね」
スノウ副団長が、団長を睨みながら頷いた。
「副団長、あんたいい人だな。さすが、あんたのユニコーンはちゃんと歯みがきがされている、立派な人だよ」
35頭のユニコーンの中、歯がキレイなヤツは3頭。その中の1頭がスノウ副団長のアルタイルだ。
「コレがやってくれてます」
スノウ副団長は小指を立てた。
「あんたもひどい奴だぁぁぁ!」
「忙しいので仕方ありません」
「仕方ないなら動物は飼うな!!!」
おれ達のやり取りを見て、団長は眉を寄せた。
「スノウ、それはしっかりお付き合いしているということなんだな?」
そこは重要らしい。
「もちろんです。毎日がんばってます」
何を?
「そうか」
納得するんだ。
「くれぐれも相手をとっかえひっかえする事のないように」
「はい」
団長の言葉に、スノウ副団長とレイン大隊長が頷いた。
なんつうまとめ方なんだ。それでいいのかよ。
この日、ユニコーン騎士団の規則である、『騎士団内は恋愛禁止』が撤廃されることになった。ただし、騎士団内を乱すような行いをした場合(サークルクラッシャーみたいな)、ただちに除名される事になった。
「団長、おれなんか気にせずに、好みの子に告られたら付き合っていいですからね」
おれはヘイルを見ながら言った。ヘイルは目を見開いて呟いた。
「おまえ、いいヤツだな」
チョロいヤツだな、あんたは。
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