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第16話 レアキャラが出たぞ。
「かけてませんよ。だいたい呪いなんて、黒魔術師の領分でしょ?おれは、騎士であり、神官でもあり黒魔術師でもあるんですか?」
「騎士はあやしいが」
本業をあやしまれるとは!
「はいはい、呪ってましたよ」
おれはヤケクソ気味に言った。
「何をだ?」
「団長がおれを好きになるように呪いをかけました!」
あー、耳が熱いわー。
ふんぞり返ったおれを見て、団長はポカンとしている。
あ~あ。何の脈もねえな。
それでも好きな相手ならどうしたらいいんだ。どうすればおれの事を好きになってくれるのかーー。
ほんと、中学生女子みたいな悩みだな、おれ。
おれの年齢ぐらいになると、恋なんか叶わない方が多い事を知ってるから、こんな脈がない相手なんか早く忘れたほうがいい。
けど、厄介なのが顔を合わせるって事なんだよ。
やっぱり顔を見ちゃうと、好きだなー、付き合ってほしいなー、って欲が出るんだよな。あっ、団長にじゃないよ。一般論ね。
片想いを手っ取り早く終わらせるには、物理的に離れるのがいいとおれは思うのよ。
そりゃ、顔をみなけりゃ忘れられるのは本物の恋じゃないのかもしれないけど、相手にまったくその気がないのに、ずっと思ってるっていうのも重たい気がする。
もう、ギブアップ!おれには無理!他をあたってください!って運命の愛の神に頼みくなってくるけどさ。
「おまえは、変わってるな」
団長がポツリと言った。
「そうですかー」
なんか、早く家に帰りたいな。浪人しようかな、おれ。おかん(母)に殺されるかなー。いや、おとん(父)に私立は無理だって言われてるしなーー。
「悪くはないな」
「え?」
団長は踵を返した。
な、なんだ。いまのは。
悪くはない、って、良くもない、って意味か?
おれは団長を追いかける。そのおれをデネブが嬉しそうに追いかけてくる。
「おまえ、牝のとこ行けよ」
デネブは首を振った。
「一途だな、おまえ」
アンタレスが帰ってきて、他の牝を追いかけている。
「最低だな、あいつ」
おれが言うといつの間にそこにいたのか、レイン大隊長が吹きだした。
「おーい!元気でな!アンタレス!」
レイン大隊長が明るく言うと、アンタレスがこちらを見た。
「ヒヒーン!」
アンタレスは一声鳴き、また牝の尻を追いかけにいった。
「ほんと、お別れなのにあっさりしてるな」
「それぐらいがいいんだよ」
「じゃあ、新しいユニコーンを呼びますか」
「呼べるの?」
「やってみます」
おれは開けた場所を見つけ、大きく息を吸い込んだ。
「おーい!ユニコーン達ぃ!おれの隣にいる人と契約しませんかぁ!!!」
しませんかぁーー!
伸びやかに声が響いた。
「これで来るならオレ達の苦労がむくわれないな」
「そうだな」
レイン大隊長と団長が呆れる中、つむじ風のように風が巻き起こった。
「うわぁ」
とてもきれいなユニコーンだった。何だろう、他のと格が違うというのかーー。毛並みも美しいし、角も大きい。白さが純白に見えてくる。
「えっ?本当にレイン大隊長と契約してくれるの?」
『ああ。おまえが世話をしてくれるのなら、戦場ではこいつを乗せよう』
「あー、どうします?レイン大隊長。おれが世話するならいいみたいですよーー。ん?」
おれが振り返ると、2人は汗を流して驚いている。
「ーートップクラスが来たぞ。はじめて見た」
「私もだ。使いこなせるのか?」
低い声で団長がレイン大隊長に尋ねた。
「無理だな。イツキ、あまりに力の強いユニコーンとは契約できないんだ。気に食わなければ勝手に帰ってしまうからな」
『そんな恥知らずな事はしない』
「うーん」
おれが乗るわけじゃないしなーー。
「もう、ちょっとこの人に合うユニコーン連れてきてくれる?」
「お見合いみたいに言うなよ」
レイン大隊長が笑いだした。あんたの為にセッティングしてんのにな。
高貴なユニコーンは渋々のように頷いた。レイン大隊長をじっと見た後、いななく。鳴き声も優雅だな。
ほどなくして、アンタレスがやってきた。レイン大隊長は目を丸くした。
「アンタレス……。おまえ、いいのかー」
「ヒヒーン!」
軽快に鳴き、アンタレスは身体をレイン大隊長に擦り寄せた。ついでにおれにも寄ってくる。
「よかったじゃないですか!」
「ーーあーあ。新しいやつを試したかったのに」
軽口を叩いていても、レイン大隊長は嬉しそうだった。
「よし、用もすんだから帰ろう」
団長はあっさりしていた。
「先行くぞ。どうせデネブはイツキに合わせるんだろ?」
「頭が痛いな」
「冷やします?」
「治らないな」
あっそう。
『イツキというのか、我が姫』
我が姫?何言ってんだよ。
「人違いです。すみません」
『私は間違えない。イツキ、私が必要になったら呼ぶのだよ』
「あっ、契約してくれるの?いいって、おれ団長の荷物持ちだから、戦場でも後ろにいるし」
「後ろにいるから安全ではない」
団長は真面目につっこむ。
『私の名は、シリウス。名を呼べば駆けつけよう』
おれは目をパチクリとした。
「ありがとう……」
いきなりSSR(課金しないとでない)のキャラを引いたみたいだな、おれ。
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