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ラース家の一族 編
第17話 「お兄ちゃんだって、やるときはやるのよ」
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灼熱の炎を吐く大蛇が、獲物を見下ろすようにラース城の空を旋回する。
「降りてこないか……」
何匹かはこちらを警戒して攻撃をやめ、様子をうかがっているようだ。
俺はロープを渡り、なんとかそいつらに近づこうとするが、高すぎて届かない。あまり、よけいなことをしていると足元がお留守になり、落下の危険性もでてくる。
そうこうしているうちに、大蛇が口から炎を放ってきた。別のロープの上に飛び移り、炎の直撃を紙一重で回避する。熱波が俺の髪と頬を焦がし、嫌な臭いがした。
『ーーきれいな髪だな……』
「………」
ーーもう、必要ない……。
髪が焦げようが、俺は気にせずにロープの上を飛ぶように走る。そこに、大蛇が勢いよく急降下してきてくれ、うまい具合に剣に突っ込んできた。するりと斬って、宙へと高く跳躍する。
空中で体をひねり、別の大蛇の側面に入ると、真っ二つに胴体を斬り裂いた。大蛇は断末魔の叫びと共に、最後の炎を噴き上げる。
ーーもう、出てくるのは止まったのか……?
空を見ながら呼吸を整え、大蛇の数を確認した。
ーー二十はいないな。夜になればこいつらはさらに動きが活発になる。急がないとーー……。
そうだ、こいつらは本来なら夜に動きまわる性質のはず、ーーなぜ昼間に暴れている?昨日も、なぜ突然あらわれたんだーー?
ゆっくり考える暇などなく、俺は大蛇を斬る。だが、ロープの間隔が狭い部分だったため、斬った大蛇の巨体がロープに引っかかり、その衝撃で足場が大きく揺れた。
そして、大蛇の炎に耐えきれなかったロープが燃え、巨体は下に落ちる。落ちる前に俺は移動できたが、体当たりをしてきた別の大蛇を避けようとして、足が滑ってしまった。
「キサラッ!」
兄の悲鳴が響く。落ちたと思ったのだろう。
だが、俺はロープを手でつかむと、身体を振り子のようにして、自分を高く飛ばし、勢いを殺さずに大蛇を斬る。腐ったような臭いの血を流し、大蛇は落ちていく。
すぐに他の大蛇が俺に狙いをつけて攻撃をしてくる。噴かれる炎に喉が痛い。かなり熱風を吸った、あちこち火傷だらけだな。着替えなかった制服は、焦げついて元の形はすでにない。
見る影もない白い制服ーー、これでいい……。俺の未練なんか、早く消えてくれればいい。……あいつが触ってくれた髪も、なくなってちょうどいいんだーー。
「……」
もうじきだ、そう自分を奮い立たせて剣を握り直した。汗も熱波ですぐに乾く、息がしづらい、それでも呼吸を乱さないように、しないとーー……。
やはり、平凡な俺は体力が切れるのが早い。師匠のような強さに、いつになれば近づけるんだろうな。
大蛇のぎらついた赤い眼と目が合った。俺めがけて猛然と突進してくる。その口からは、先程よりも強力な炎が噴き出す。俺は必死に身をかわすが、炎の熱波が身体をかすり、右肩に皮膚が焼けるような痛みが走った。
「くっ…!」
痛みに動きがとまりそうになる。だが、それは俺の死を意味する。剣で大蛇を斬るも、その一撃に威力がない。このままだと、やばいなーー……。
ーー炎がおさまれば……、…………!
ロープを走り、兄のところに飛ぶ。
「ーーキサラ!水!」
「ーーゴホッ。焼けている、今はいい……」
痛む喉を気にしないように、俺は兄に言う。
「ーー兄上、……雨を降らせてくれないか?」
「はい!?ーー雨乞い!?」
これ以上開かないだろう、というぐらい兄の目が見開かれる。
「ーー兄上は、魔法で天候を操ることができる」
「ウッソ!何言ってんの!そんなことーー………」
これは本当のことだ。父も伝えるべきか悩んだらしいが、たしかに個人の所有する魔法の規模じゃない。
俺が動きを止めたからか、弓兵達が大蛇に向かって矢を射る。
「少しでも休んでください」
「ーーああ」
士官に言われ、俺は軽く目を見張る。
「ーー本当なのね……」
俺の目を真正面から見た兄が、決意をしたような表情になる。
「ああ……」
「ーーやるわ!」
拳を握りながら、大声をだす。戦場において自分をしっかりと保ち、焦げた髪にも取り乱すこともない。
「まかせた」
やはり、このひとは、師匠の伴侶なのだ。
こちらを向いた大蛇を引きつけるように俺は走る。大蛇は俺の後を追ってきて、炎を吐く。
「ーー熱いな……。死んでしまいそうだ……」
死ぬまでは生きなければならない。そのためには、火の大蛇はすべて倒す。それぐらいしか、俺にはできることがないのだからーー。
※※※
「雨……」
『山の上で騒げば雨が降る』、とか聞くけど、それは騒ぐことで空気中の水分が増え、それが集まって雲を形成しやすくなる、という状況がそうなったらしいのよねーー……。
サキナは両手を固く結んで祈った。魔法の使い方なんて、家庭教師から習ったぐらいだ。どんな魔法なのかも教えてもらえなかった。
ーーこれは、教えるほうも大変だったでしょうね。一歩間違えると兵器になるじゃない。
……そう言えば、自分が何かをしようとするとき、天気が悪かったことはない。あれも無意識で魔法を使っていたのだろうかーー。
「なんちゃってよね……」
いまはよけいなことを考えずに、集中。集中して、自分の中にある魔法を引き出さないと。熱波の余波を受けながらも、サキナは負けじと祈る。
ーー弟を助けたい、その助けができる。
そういえば、神話や寓話の兄は、いつも弟にやられていたような気がする。弟より秀でた兄の話があまりない。何故なんだろう?
「お兄ちゃんだって、やるときはやるのよ……」
身体の中、そうだ子宮のある部分だ。ここが魔法を蓄える場所。使えるなら早く使わないと、ずっとロープの上を飛びまわり、大蛇を斬り続ける弟だって、顔に疲労が色濃くでている。
苦しくないわけがない。
「降れ!降って~~~!あめあめふれふれ、母さんが~~~!」
大声で歌うと、まわりにいる兵士がぽかんとした表情になったが、サキナは気にせずに歌い続けた。
「らんらんら~~~~ん~~~!」
降ってちょうだいよ!
ふれ~~~~!
「降りなさい!あめーーーッ!!Let it rainーー!」
ぽた……。
「え?」
サキナの顔にしずくが落ちた。それは静かに、だんだんと強く、ラース城を燃やす炎にとけていく。
「ーーたまたま?」
疑うのも無理のない話だ。まさか、自分にこんなことができるなんてーー……。
「ーーでも、これで火の大蛇は弱まるはずーー」
夜はもうすぐだ。
「降りてこないか……」
何匹かはこちらを警戒して攻撃をやめ、様子をうかがっているようだ。
俺はロープを渡り、なんとかそいつらに近づこうとするが、高すぎて届かない。あまり、よけいなことをしていると足元がお留守になり、落下の危険性もでてくる。
そうこうしているうちに、大蛇が口から炎を放ってきた。別のロープの上に飛び移り、炎の直撃を紙一重で回避する。熱波が俺の髪と頬を焦がし、嫌な臭いがした。
『ーーきれいな髪だな……』
「………」
ーーもう、必要ない……。
髪が焦げようが、俺は気にせずにロープの上を飛ぶように走る。そこに、大蛇が勢いよく急降下してきてくれ、うまい具合に剣に突っ込んできた。するりと斬って、宙へと高く跳躍する。
空中で体をひねり、別の大蛇の側面に入ると、真っ二つに胴体を斬り裂いた。大蛇は断末魔の叫びと共に、最後の炎を噴き上げる。
ーーもう、出てくるのは止まったのか……?
空を見ながら呼吸を整え、大蛇の数を確認した。
ーー二十はいないな。夜になればこいつらはさらに動きが活発になる。急がないとーー……。
そうだ、こいつらは本来なら夜に動きまわる性質のはず、ーーなぜ昼間に暴れている?昨日も、なぜ突然あらわれたんだーー?
ゆっくり考える暇などなく、俺は大蛇を斬る。だが、ロープの間隔が狭い部分だったため、斬った大蛇の巨体がロープに引っかかり、その衝撃で足場が大きく揺れた。
そして、大蛇の炎に耐えきれなかったロープが燃え、巨体は下に落ちる。落ちる前に俺は移動できたが、体当たりをしてきた別の大蛇を避けようとして、足が滑ってしまった。
「キサラッ!」
兄の悲鳴が響く。落ちたと思ったのだろう。
だが、俺はロープを手でつかむと、身体を振り子のようにして、自分を高く飛ばし、勢いを殺さずに大蛇を斬る。腐ったような臭いの血を流し、大蛇は落ちていく。
すぐに他の大蛇が俺に狙いをつけて攻撃をしてくる。噴かれる炎に喉が痛い。かなり熱風を吸った、あちこち火傷だらけだな。着替えなかった制服は、焦げついて元の形はすでにない。
見る影もない白い制服ーー、これでいい……。俺の未練なんか、早く消えてくれればいい。……あいつが触ってくれた髪も、なくなってちょうどいいんだーー。
「……」
もうじきだ、そう自分を奮い立たせて剣を握り直した。汗も熱波ですぐに乾く、息がしづらい、それでも呼吸を乱さないように、しないとーー……。
やはり、平凡な俺は体力が切れるのが早い。師匠のような強さに、いつになれば近づけるんだろうな。
大蛇のぎらついた赤い眼と目が合った。俺めがけて猛然と突進してくる。その口からは、先程よりも強力な炎が噴き出す。俺は必死に身をかわすが、炎の熱波が身体をかすり、右肩に皮膚が焼けるような痛みが走った。
「くっ…!」
痛みに動きがとまりそうになる。だが、それは俺の死を意味する。剣で大蛇を斬るも、その一撃に威力がない。このままだと、やばいなーー……。
ーー炎がおさまれば……、…………!
ロープを走り、兄のところに飛ぶ。
「ーーキサラ!水!」
「ーーゴホッ。焼けている、今はいい……」
痛む喉を気にしないように、俺は兄に言う。
「ーー兄上、……雨を降らせてくれないか?」
「はい!?ーー雨乞い!?」
これ以上開かないだろう、というぐらい兄の目が見開かれる。
「ーー兄上は、魔法で天候を操ることができる」
「ウッソ!何言ってんの!そんなことーー………」
これは本当のことだ。父も伝えるべきか悩んだらしいが、たしかに個人の所有する魔法の規模じゃない。
俺が動きを止めたからか、弓兵達が大蛇に向かって矢を射る。
「少しでも休んでください」
「ーーああ」
士官に言われ、俺は軽く目を見張る。
「ーー本当なのね……」
俺の目を真正面から見た兄が、決意をしたような表情になる。
「ああ……」
「ーーやるわ!」
拳を握りながら、大声をだす。戦場において自分をしっかりと保ち、焦げた髪にも取り乱すこともない。
「まかせた」
やはり、このひとは、師匠の伴侶なのだ。
こちらを向いた大蛇を引きつけるように俺は走る。大蛇は俺の後を追ってきて、炎を吐く。
「ーー熱いな……。死んでしまいそうだ……」
死ぬまでは生きなければならない。そのためには、火の大蛇はすべて倒す。それぐらいしか、俺にはできることがないのだからーー。
※※※
「雨……」
『山の上で騒げば雨が降る』、とか聞くけど、それは騒ぐことで空気中の水分が増え、それが集まって雲を形成しやすくなる、という状況がそうなったらしいのよねーー……。
サキナは両手を固く結んで祈った。魔法の使い方なんて、家庭教師から習ったぐらいだ。どんな魔法なのかも教えてもらえなかった。
ーーこれは、教えるほうも大変だったでしょうね。一歩間違えると兵器になるじゃない。
……そう言えば、自分が何かをしようとするとき、天気が悪かったことはない。あれも無意識で魔法を使っていたのだろうかーー。
「なんちゃってよね……」
いまはよけいなことを考えずに、集中。集中して、自分の中にある魔法を引き出さないと。熱波の余波を受けながらも、サキナは負けじと祈る。
ーー弟を助けたい、その助けができる。
そういえば、神話や寓話の兄は、いつも弟にやられていたような気がする。弟より秀でた兄の話があまりない。何故なんだろう?
「お兄ちゃんだって、やるときはやるのよ……」
身体の中、そうだ子宮のある部分だ。ここが魔法を蓄える場所。使えるなら早く使わないと、ずっとロープの上を飛びまわり、大蛇を斬り続ける弟だって、顔に疲労が色濃くでている。
苦しくないわけがない。
「降れ!降って~~~!あめあめふれふれ、母さんが~~~!」
大声で歌うと、まわりにいる兵士がぽかんとした表情になったが、サキナは気にせずに歌い続けた。
「らんらんら~~~~ん~~~!」
降ってちょうだいよ!
ふれ~~~~!
「降りなさい!あめーーーッ!!Let it rainーー!」
ぽた……。
「え?」
サキナの顔にしずくが落ちた。それは静かに、だんだんと強く、ラース城を燃やす炎にとけていく。
「ーーたまたま?」
疑うのも無理のない話だ。まさか、自分にこんなことができるなんてーー……。
「ーーでも、これで火の大蛇は弱まるはずーー」
夜はもうすぐだ。
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