(完結)主人公の当て馬幼なじみの俺は、出番がなくなったので自分の領地でのんびりしたいと思います。

濃子

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当て馬王子 アディオン 編

第46話 与一、アディオンとして生きていく。☆

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 俺の部屋のバルコニーに着き、ドアを開けてふたりで急いで中に入る。
「ーー俺の部屋知ってたんだ」
「前の侵入のときにな」

 ーーえっと~、顔見てもいいよな……。しっかり見たい、と照れながら見あげ、俺は目が点になった。

「ーーキサラ……」
 上着を脱いでシャツのボタンを外す彼に、俺の目は釘付けだ。いや~、よく見ておかないとーー、ん?

「あっ」
 そこで俺はようやく2時間の意味を悟った。
 キサラが手早く俺の上着を脱がして、ベッドに運ぶーー。

「ーーちょ、ちょい待ち!」
「何だ?」
 いやん、キスしながらシャツ脱がさないでよーー。そんなことされたらすぐにイッてまうって~~~。

「絶対にムリ!入らない、入りませんて!」
 おまえのことを考えて、前はいじったが後ろはノータッチだよ。

「ーームサが、、あの片目の演技をしてた奴だが、いいものをくれた」
「いい、もの?」

 ひゃん!

 は、腹、撫でないでよ、腰がくだけるから……。

「ナカがすぐ柔らかくなるクリームだと」
 横向きにされ、キサラが俺の尻の穴にクリームをたっぷり入れてきた。こんなクリームぐらいで、俺の鉄門がすぐに使えるようになりますかねーー?

「ーーやりたかったのか?」
 なんか~、身体だけって感じ……。
「あたりまえだ」
 指を入れられ、俺は喘いだ。恥ずかしいから顔は下向けとこうかなーー。
 と、シーツに押しつけた顔を上に向かされ、キサラの顔が近付いてきた。

「……んっ……、ん~~っ」
 勢いよくぶつかるようなキスに、呼吸困難を起こしていると、キサラがボソリと言う。
「ーー悪いな」
「え゙?」
「任務中はおまえのことを考えることもできないから、会うとーー」
「……」
「制御できないーー」

 直後、ぶわぁっと、俺の身体を走ったもの。
 血じゃないーー。もっと煮えたぎってるもの。自分じゃどうにも抑えられないものーー。

 ーーそれきっと、愛、って言うんだろうな……。


「ーーキサラ!好きだぁ!世界一好きだぁーーーッ!!」
 もう、癒してあげたいーー。お仕事で気を張ってる分、めちゃくそに癒してあげたいよ~~~!
「ーーああ」
 首の後ろに腕をまわし、彼の頬に頬を擦り付ける。

「ーーいい匂い、だな……」
「え?」
 匂い?俺の匂いだよな……。

「ーー落ち着く……。おまえの匂いが、好きだ……」
 恥ずかしそうに言うキサラの表情を、俺は目に徹底的に焼きつけた。カメラなんかなくたって、俺はこの顔を忘れることはないだろうーー。





 ……そうだ……。

 ーー俺は帰る家になろう。危険な任務に身を置くキサラが、必ず帰ってくる、帰ってきたいと思う家になってやるんだーーー。




 はじめて見た瞬間に惹かれたひとーー、俺自身、なんでこんなにも彼が好きなのか実はよくわからないーー。



 けど、俺は幸せだからーー、

「挿れる」
 幸せだから、もういいってっ!ほら!やっぱり痛いじゃねえかーーーッ!!

 片足をキサラの肩にかけられ、モロモロ丸見えの俺。間抜けだなー、こんなん見たくないだろー、とか思うけど、そういやえっちな動画のエクストリームあんこちゃんのアレも、グロいっちゃグロかったなーー。
 
 ……こういうお互いのグロい部分を見せ合えるっていうのが、ちょっといい……。これが平気だって思うのが、恋人、みたいな……。ぽぽぽっ。

「きつい……」
 ほら、みろ。
「ーーっあん!」
 もれた声に俺は口を押さえる。恥ずかしいーー、まだ、日が落ちてないのに、気分はすっかり夜だ。
  
 ーー頼むからエリンとか入ってこないでね。

「聞かせろ」
 やんっ、強引ーー♡
 手をつかまれ、俺はその手に安心感を覚える。どこのパーツも好きって、俺もうだめだよなーー。

 グリグリとナカを突き進んでくるキサラのアレが、待ち切れないって感じで強く押し込まれ、俺は恥ずかしいけどうれしくてしょうがない。

 俺のこと好きだって、キサラの身体が言ってんだよーーッ!

「はぁ、ーーあぅ……、、ふんっ!」
 奥がヤバい、本当にヤバいーー。
「はあんっ!!キ、キサラ、!つかないで!ヤバいって!!」

「ーー無茶言うな」
「頭くるう~~~!おかしいよ、俺~~~ッ!」
「狂っとけ」

 ステキ……。もう、好きにしてーーー、 
 ナカを激しく擦る凶悪な肉棒の持ち主が、こんなにイケメンだなんて、、、もう、男って何ぶら下げて生きてるんだかーー。

「ーーぅ゙ッ~~~、あン゙ッ゙ッ゙!!」
 快感に身体が震え、足の先がぐっと曲がる。
「ーー締めるなって」
 ごめん、自分でやってんじゃないんだよ、勝手に動くのーー……。











 ……。

 あ~あ、もっと時間がゆっくり進んでくれたらいいのにーー、あっと言う間だよ……。
「ーー半月すれば来るから」
「……ふぁぃ゙…」
 また声が枯れた。
 マルスに笑われるなーー。

 顔を向けたらキスをしてくれた。俺はできるだけ笑って彼を見送る。そんな俺に少しだけ微笑んで、キサラがバルコニーから出て行った。




 ……さみしいーー。

 もう、いきなりさみしいじゃねえかーー。やっぱり、スマホが欲しい……。毎日ビデオ通話してやるのになー。



 しかし、眠いーー、眠さがマックスだーー。おなかすいたけど、先に寝るーー……。









 ……。

『ーー感動!何周でもできるわ~!!』
『次はイリスと誰をくっつけるの?』
『そうねーー。実は隠しキャラがいるのよ』
『イリスの相手?』
『当て馬っぽいんだけどね……』
『はいはい』
『なんと、アディオンとキサラのーー……』
『えーーっ!!そこぉーー!?』


 ーー姉貴、うるさいなあーー。何だよ、当て馬は俺だけだろ……?後、俺とキサラに何?聞こえないよーー、聞こえないってばーーー……。












 …………。

「ーー坊ちゃま、朝でございますよ……」
 マルスの声にはっとなった。
「まあまあ、破廉恥なーー。婚約されましたが、結婚じゃないんですからね」
「だめなのか?」
「当たり前です。捨てられたらどうするのですか?」

「ーーふふっ。大丈夫だよ。そうなったら、どこまでも追いかけて惚れ直させてやるから」
「おや……。何か吹っ切れたご様子ですね」

「そうだな……。領地でのんびりするのはしばらくおあずけだ」
「ーーそうですか……」
 くすくすと笑った後、マルスが表情を引き締める。

「坊っちゃま、行為の後は花の匂いが濃くなりますから、しっかりお風呂でお身体を洗わせていただきますよ」
「…………、匂うのか?」
 いやん、恥ずかしい。

「私は嗅覚が鋭いほうですからね。坊っちゃまもアザ花種ではないとき、セディラン殿下から花の匂いがすると仰ってましたでしょ?」
「あ、ああーー」
 そうか。けど、俺、いまわからないけどなぁ……。

 クンクンと自分の匂いを嗅ぐ俺に、マルスが嘆息した。
「もう、麻痺してわからないのでしょ?ですが、最初は自分の匂いがわかったのではーー?」
「ーーあっ」
 そうか、あの馬車の匂い、俺だったのかーー。



『ーー落ち着く……。おまえの匂いが、好きだ……』

 キ、キサラが好きな俺の匂いーー。


「ち、ちなみにどの花の匂いだ!?」
 部屋に飾っとかないとーー、とドキドキする俺にマルスが言った。

「ん~~~、何でしたかねーー。最近歳のせいか記憶力が低下してましてーー」

 絶対に嘘だ。
 心配かけた分のお返しをしてるんだよ。

「ーーすまない、と言っているだろう。教えてくれ!頼むから!!」
「はい、ではお風呂に入って今日の予定をこなしましょうねーー」
「じいや~~~ッ!!」

 笑いながらマルスが部屋からでていく。

 なんだよ、いけず。いいさ、今度キサラに聞くもんねーー。









 ーーさて、アディオン、今日もがんばろうぜ。


 当て馬以外にも、仕事はたくさんあるみたいだからさーー。




        ーーおわりーー





ーーーーーーーーーーーーーーーー


 いつも最後まで読んでくださりありがとうございます。毎日の応援に励まし、本当にうれしかったです🥹

 まだまだ、書けてない部分もたくさんあります。ちょこちょこ書いていきますので、よかったら読んであげてください😄

 この作品を通じてたくさんの方と巡り合わせていただきました。
 本当に、きっかけを作ってくださった、とりてん様には感謝しかありません。

 皆様、更新する度に読んでいただき、何度も言いますが、本当にありがとうございました😌

 言葉では伝えられないほど、感謝しています🥹
 では、またーー。
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