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第5話 旦那様の精神が強すぎる☆
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「身体は大丈夫か、サキナ」
先触れもなしに祖父が訪ねてきた。
やっべー、という顔でサキナは大陸の英雄を迎える。こざっぱりとした離れには、およそ似つかわしくない威厳あるオーラを出しながら、祖父はサキナ手作りの椅子に座った。
「どうしたのです?お祖父様?」
レインを睨むと侍従はしらばっくれたような顔をしているが、祖父に自分の状況を話したのは彼だろう。
「どういうことか、エドアルドに尋ねてもよいか?」
スマートな身体を天鵞絨のジャケットで包み、サキナの祖父ラース大公ナディアは豪快に笑った。かなりの美丈夫だ。
「愛人に勝てなかったか」
大受けだ。
「勝負してません。ですが、欲しいものはいただきました」
ナディアはサキナの腹を愛おしそうに撫でた。
「そうだ、子は大事だろう」
祖父がわかっているような顔をする。
「お祖父様はよくご存知ですよね」
ナディアは10人の子を産んだ。そのうち5人の子はアザ花種だ。その5人の子から25人の孫が生まれ、アザ花種は8人いる。
「ああ、その顔はひとり産めば相手を変えると思っているな」
サキナはそのつもりだ。祖父もそうやって気に入った男の子供を産んできている。
「エドアルドの子を3人は産んでもらう。あんなに戦に長けた人間は、まあいないからな」
なんやてぇー!
目を見開いたまま動かないサキナの肩をナディアは叩いた。
「お祖父様は後2回、屈辱的な思いをしろと?」
「そうだ」
サキナはめまいがした。
「強くなければ役に立たない。ひとりでも可能性のある子供が欲しい」
「ーーご期待にそえるかわかりませんが、まずはこの子を無事に産みますので」
「それもそうだ」
言いたいことを言ってナディアは帰って行った。
「もう帰りたい」
元の国よりも、ラース大公領の美しい山々が脳裏に浮かぶ。結婚の話に心をときめかせた馬鹿な自分。幸せになろうね、と言い隣領へ嫁いだ従兄弟のセリ。
「本当にもの扱いだ」
祖父もエドアルドも大嫌い。
サキナは呟いて眠った。
腹が大きくなると動くことも億劫になってくる。しかし、DIYは自分の好きで行っているからいいとして、事務仕事は必ずしておかねばならない。
サキナはいやいやながら屋敷に足を踏み入れた。
あいかわらず屋敷の侍従達は自分を腫れ物をみるような目で見て、近寄りもしない。もう給料の計算もやめようかしら、とサキナは思う。
いつも使っている書斎に入り、鍵を開け机から書類を出す。しかし、帳簿がない。
「あれ?」
領土の税など記入しているのに、どこにいったのかーー、早く仕上げて伯爵家本邸に持っていかねばならないのに。
コピーはあるがそういう問題じゃないし、と考えていると扉が開いた。
「あ、探していたか、すまない」
エドアルドが帳簿をもってあらわれた。それを見てサキナは安堵する。
「ずいぶんときっちりしているな」
「それでも優しくつけていますよ。厳しいと領民が逃げますから」
サキナは帳簿を受け取る。そのまま椅子に腰かけてレインが集めてくれた資料を広げ書き込んでいく。レインは本当に優秀な事務官だ。
サキナはエドアルドがその場から動かないことに気づいていたが、気にしないことにした。どのみち今はしたくないし、多少は大丈夫といわれてもまっぴらごめんである。
「おい」
「はい?」
「口でしろ」
ブフッーー!
サキナは吹き出した。
馬鹿だ、本物の馬鹿だ!
「笑うしかない。なんでそんなに馬鹿なんですか?」
「おまえの役目だ」
「愛人が口内炎なんですか?」
「…………おまえは正伴侶だろう」
「形だけね」
はっきり言ったがエドアルドは自身のモノを、サキナの口元に近づけてくる。
はあー。我慢我慢、即尺とはーー。お祖父様が泣くな。笑い転げて。
口いっぱいに入れ喉のほうまで飲み込み吸いしゃぶると、エドアルドの身体は震えすぐにイッた。
だから、早い!
情緒もくそもへったくれもないわねーー。
咳き込んで口元を拭く。
もう一度くわえ込んで、優しく口の中でしごくとエドアルドが喘ぎだした。舌を絡ませて喉も使ってやる、彼の腰が激しく動きだした。
サキナの頭をつかみ奥までしつこくねじり込んでくる。
苦しいってーー!
こいつ私のことなんだと思ってんだろーー。愛人にできないことを正伴侶にしてるんじゃなかろうか。
普通は反対だろが!
先触れもなしに祖父が訪ねてきた。
やっべー、という顔でサキナは大陸の英雄を迎える。こざっぱりとした離れには、およそ似つかわしくない威厳あるオーラを出しながら、祖父はサキナ手作りの椅子に座った。
「どうしたのです?お祖父様?」
レインを睨むと侍従はしらばっくれたような顔をしているが、祖父に自分の状況を話したのは彼だろう。
「どういうことか、エドアルドに尋ねてもよいか?」
スマートな身体を天鵞絨のジャケットで包み、サキナの祖父ラース大公ナディアは豪快に笑った。かなりの美丈夫だ。
「愛人に勝てなかったか」
大受けだ。
「勝負してません。ですが、欲しいものはいただきました」
ナディアはサキナの腹を愛おしそうに撫でた。
「そうだ、子は大事だろう」
祖父がわかっているような顔をする。
「お祖父様はよくご存知ですよね」
ナディアは10人の子を産んだ。そのうち5人の子はアザ花種だ。その5人の子から25人の孫が生まれ、アザ花種は8人いる。
「ああ、その顔はひとり産めば相手を変えると思っているな」
サキナはそのつもりだ。祖父もそうやって気に入った男の子供を産んできている。
「エドアルドの子を3人は産んでもらう。あんなに戦に長けた人間は、まあいないからな」
なんやてぇー!
目を見開いたまま動かないサキナの肩をナディアは叩いた。
「お祖父様は後2回、屈辱的な思いをしろと?」
「そうだ」
サキナはめまいがした。
「強くなければ役に立たない。ひとりでも可能性のある子供が欲しい」
「ーーご期待にそえるかわかりませんが、まずはこの子を無事に産みますので」
「それもそうだ」
言いたいことを言ってナディアは帰って行った。
「もう帰りたい」
元の国よりも、ラース大公領の美しい山々が脳裏に浮かぶ。結婚の話に心をときめかせた馬鹿な自分。幸せになろうね、と言い隣領へ嫁いだ従兄弟のセリ。
「本当にもの扱いだ」
祖父もエドアルドも大嫌い。
サキナは呟いて眠った。
腹が大きくなると動くことも億劫になってくる。しかし、DIYは自分の好きで行っているからいいとして、事務仕事は必ずしておかねばならない。
サキナはいやいやながら屋敷に足を踏み入れた。
あいかわらず屋敷の侍従達は自分を腫れ物をみるような目で見て、近寄りもしない。もう給料の計算もやめようかしら、とサキナは思う。
いつも使っている書斎に入り、鍵を開け机から書類を出す。しかし、帳簿がない。
「あれ?」
領土の税など記入しているのに、どこにいったのかーー、早く仕上げて伯爵家本邸に持っていかねばならないのに。
コピーはあるがそういう問題じゃないし、と考えていると扉が開いた。
「あ、探していたか、すまない」
エドアルドが帳簿をもってあらわれた。それを見てサキナは安堵する。
「ずいぶんときっちりしているな」
「それでも優しくつけていますよ。厳しいと領民が逃げますから」
サキナは帳簿を受け取る。そのまま椅子に腰かけてレインが集めてくれた資料を広げ書き込んでいく。レインは本当に優秀な事務官だ。
サキナはエドアルドがその場から動かないことに気づいていたが、気にしないことにした。どのみち今はしたくないし、多少は大丈夫といわれてもまっぴらごめんである。
「おい」
「はい?」
「口でしろ」
ブフッーー!
サキナは吹き出した。
馬鹿だ、本物の馬鹿だ!
「笑うしかない。なんでそんなに馬鹿なんですか?」
「おまえの役目だ」
「愛人が口内炎なんですか?」
「…………おまえは正伴侶だろう」
「形だけね」
はっきり言ったがエドアルドは自身のモノを、サキナの口元に近づけてくる。
はあー。我慢我慢、即尺とはーー。お祖父様が泣くな。笑い転げて。
口いっぱいに入れ喉のほうまで飲み込み吸いしゃぶると、エドアルドの身体は震えすぐにイッた。
だから、早い!
情緒もくそもへったくれもないわねーー。
咳き込んで口元を拭く。
もう一度くわえ込んで、優しく口の中でしごくとエドアルドが喘ぎだした。舌を絡ませて喉も使ってやる、彼の腰が激しく動きだした。
サキナの頭をつかみ奥までしつこくねじり込んでくる。
苦しいってーー!
こいつ私のことなんだと思ってんだろーー。愛人にできないことを正伴侶にしてるんじゃなかろうか。
普通は反対だろが!
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