人魚転生 〜気がついたら海の中にいました〜

わかば

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魔女の館に着くまで

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 泳いで、隠れて、やり過ごして、泳いで……。警戒しながら続ける旅は、やはり私のような赤ん坊には辛いものだった。最近知ったのだが、今の私の年齢は6ヶ月と少しなのだが人間で例えると3歳近くまで来ているらしい。人魚は人間でいう10歳まで2年間で急成長し、そこからは人間よりもゆっくりと歳をとっていくものなのらしいのだ。私はもう赤ちゃんではないのかもしれないが、やはりこの旅は険しいものになった。
アーシャとメリラが交代で抱っこしてくれたしもするのだが、あまり負担にはなりたくない。出来る限り自力で泳ぐようにした。
「陛下……少し休みませんか?」
「そうだな。」
ある程度王都から離れたので、私たちは休憩を取ることにした。
「俺たちは今どこに向かっているんだ?」
ガスが私に声をかける。私に聞かれても、私はついてきただけなので知らない。陛下に尋ねてみると、
「そういえば……適当に飛び出してきたからな。」
まず嘔吐から離れるのが最善だと考えたのだろう。何も考えずに出てきたのだという。
「そうですか。では、言っていた禁忌の魔法が使えるもののところへ赴いてみてはどうでしょうか。」
キャンベラの提案に、マストがいいね、と賛成した。
「それなら、ちょうどこっちだな。」
ガスが私たちが目指す方向を指差した。
「魔女と呼ばれる女がいてな、そいつにはありとあらゆる魔法が使えるらしいんだ。」
キンキの魔法でさえも使えるというその魔女の住む家へ、私たちはいってみることになった。
「その人はどんな人形なんですか?」
ジェミエールに尋ねると、ジェミエールは私の頭を撫でながら答えてくれた。
「そうですね。噂にしか聞いたことがないのですが、その、とても恐ろしい方だとお聞きしたことがあります。」
恐ろしい方……魔女という渾名にぴったりな性格だが、噂は噂だ。会ってみるのが楽しみだ。
「僕、絵は見たことがあるよ。」
「絵?」
マストはうなずいて、
「すっごく綺麗だったよ!」
と笑った。人から聞いた話に囚われてはいけないと分かっているのだが、どうしても期待してしまう。早く会いたいな。
「魔女の家は、確かこの辺りだな。」
陛下があたりをキョロキョロと見渡す。
「ああ、あれか?」
陛下が指さしたのは、何もない土地にポツリと立っている、一軒のお屋敷だった。
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