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京極悪斗は優しい!地獄から無罪放免で帰るほどに!

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 閻魔大王がぶっ殺してやる!と言ってるよ。
 こいつは、とんでもない老害だな。何千年もしたら、認知症にもなるだろう。そうか!今まで閻魔大王が有名になったのは、認知症でおかしくなったから有名なのか!納得したぞ。個性が強すぎるからな。

 閻魔大王2メートルの鉄の棒で、俺目掛けて振っている。

 俺は、子供達を奴隷1号に任せて、閻魔大王に向かっていく。

「ここでは、肉体のダメージはない。」
 奴隷1号の言葉を信じるなら、こんな鉄の棒に殴られても痛くないだろう。

「おら!死ねぇ!」
 閻魔大王のフルスイングが俺の頭に直撃する。

「うお!」
 ドゴ!と言う轟音と共に、壁に吹っ飛ばされた。
 けど、痛みは全くないな。

「さっさと死ねぇ!」
 このボケ老人は、鉄の棒で俺を滅多打ちにしてくる。

 くそ。痛く無いけどムカつくな。

 老人ホームの介護員も、認知症患者に抵抗出来ずにひっかかれたり、叩かれたりするって聞いたことがあるな。ありがとう。全国の介護員や看護師の皆様。将来お世話になります。いや、もう死んでたな。

 俺は全国の医療従事者に感謝を込めてから、閻魔大王の鉄の棒を掴む。

「ガキの分際で!年寄りを敬え!」
 閻魔大王は、俺に向かって蹴りを放つ。

「うるせぇ!年寄り全員が尊敬出来る訳ねぇだろ!社会のゴミの老人だっているんだよ!今のてめぇの様にな!」
 俺は蹴りますを避けて渾身の右ストレートを、閻魔大王の左頬にぶちこむ。

「グボボボ!」
 閻魔大王は、左頬が抉れ苦痛の表情を浮かべる。

 攻撃が効いている。終わりだな。

「おい!閻魔大王。最後に思い残す事はないか。認知症になったボケ老人に、管理職が勤まるわけないだろ。若い者に席を譲れ。」

「誰がボケ老人だ!わしはまともじゃ。」

 まったくこいつは。
「まともな奴がぶっ殺してやる!なんて言わないだろ。酒に酔った奴も、酔ってないって言うからな。」

 ボケ老人には困ったものだ。

 テーブルの上のスマホが鳴っている。
「はい。閻魔じゃ。」
 おい!話している最中に電話に出るな!そんなんだから、尊敬されないんだぞ!

「はいは~い!了解じゃ」
 俺がイライラしていると閻魔大王は、電話を切った。

「ふぅ~。お前は、地獄には行けん!」
 閻魔大王が告げる。

「あ?どういう事だ?」

「地獄の最下層の阿鼻地獄から、受付拒否されたのじゃ。大焦熱地獄も拒否されたし、他の地獄も受付拒否されたから、行き場がないのじゃ。」

 救急車のたらい回しか!患者が死ぬぞ!

「そこで京極悪斗には、天国に行ってもらうのじゃ。」

 閻魔大王がスマホで電話をかける。LI○E使え老人。無料だぞ?

「もしもし閻魔じゃ?え?無理いや要件だけでも。臭い!口臭か!ブレスケアはバッチリじゃ!臭い玉もバッチリ100個ほどとれたぞ!え?セクハラいやいや。あ!」

 プープープー。

 電話が切れたな。

「京極悪斗。お主天国から嫌われておるな?」
 閻魔大王は何故か涙目だ。うん。しょうがないな。口臭キツそうだし。

「おめでとう!京極悪斗よ。こちらの手違いで地獄に来てもらったが、肉体が死んでなかったので、復活できるのじゃ!」
 閻魔大王がこそこそメールしている。返信がないか何度もスマホを見ている。
 だからLI○Eしろ既読付くから安心だろ。

「復活完了じゃ。子供達は、成仏して来世に回すので安心されよ。神に誓う!」
 子供達は、輪廻転生するらしい。子供達は、真っ赤な不気味生物(女)に連れられて行った。
 閻魔大王が崇める神ってなんだ?

「死神も京極悪斗の案内ご苦労じゃった。」
 奴隷1号こと死神は、京極悪斗から鎌を返してもらい帰って行った。
 スキップしながら帰る死神を見てイラッとする。転んで鼻血を両鼻から流しやがれ!

「よし、いよいよじゃな。京極悪斗よ。これを見よ!」
 鏡には、病院のベッドに横たわる俺がいる。

「これがお主の肉体じゃ。仲間に随分好かれておるのぉ!ふへへへへへへ!」
 閻魔大王がニヤニヤと気持ち悪い笑顔を向けて笑っている。

 映像には、俺の周りに幹部の子分が5人おり、腕に刺さった点滴から、牛乳を流したり、呼吸機器を無造作に外し、毒キノコを口に入れたりしている、かわいいかわいい子分達がいた。

 俺の脈拍や血圧は、正常に動いている。流石俺の体だな。血液が牛乳になったり、毒キノコを食べた位では、異常なしか。

「ほれ、ぷぷぷ。京極悪斗よ。今から復活するぞ。」

「分かったよ。死んだら地獄にきて、思い知らせてやるよ!80年後まで認知症治せよ!」

「認知症じゃないわ!それにお主は、地獄は立ち入り禁止じゃ!天国行きだろうの!天使めかわいいからって儂をからかいおって。」
 天国から閻魔大王は、嫌われているのを知らない。むしろそれが気持ち良いのかもしれないな。

「それではさらばじゃ!」
 閻魔大王が告げると、俺の体が、光に包まれた。







「んぇ!苦え!」
 俺は、ベッドの上で目を覚ました。口から毒キノコを取り、牛乳が流れている、点滴を引っこ抜く。

「ボス!」
「親父!」
 幹部の男達が声を上げる。

「地獄から戻って来たぜ!さぁ煽り運転野郎にお礼しに行こうじゃねぇか。」
 固まった体をほぐしながら、ベッドから起き上がる。ひとまず幹部の男達の頭を軽く殴っておく。

 毒キノコに牛乳って普通死ぬだろ!

「病院の医者にこれ渡してこい。退院だ。」
 アタッシュケースに入った札束を見せる。合計3億はあるぞ。
 100万の束をすれ違った、医者や看護師、介護員や清掃員に渡していく。
 頑張っている奴は、金をやるのが当たりまえだ。大丈夫だ。綺麗にマネーロンダリングしたから問題ない。


 こうして、世界一の善人、京極悪斗の地獄旅行が終了した。


 翌日、京極悪斗を煽り運転した、男女は入院していた病室から消えていた。


 噂では、コンクリートを着けて水泳する趣味に目覚めたと、聞いたがその後その二人を見たものはいない。



 おしまい。


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