17 / 146
3章
5 秘密
しおりを挟むこれは、手助け。これは治療的行為。
自分に言い訳をする様に心の中そう唱え、リアムはシロウに触れる。
嫌がる理性も残っていないのか、シロウは歓喜の声をあげた。
初めての触れ合いがこんな形になったことは不本意だが、仕方がないとリアムはベッドに上がると股の間にシロウを仰向けに寝転ばせ、後からシロウの股間を優しく数回扱き上げた。それだけの行為でシロウは簡単に達する。
「あ、うぅーーーー」
ビクビクと身体を震わせて、可愛らしい性器から迸りを飛ばした。
一回達したにも関わらず、萎える気配のないそれをリアムは再び優しく握りあげる。先程出した精液と先走りで滑りが良くなった性器を根本から擦りあげ、先端を爪先で引っ掻くとビクッとして先っぽから蜜を溢れさせた。
「あ、あ、あ」
擦り上げるたびにうわごとのようにか細く漏れる喘ぎ声が可愛い。
リアムの股間も爆発寸前だが、いまはとにかくシロウを満足させたかった。
睾丸も一緒に触ろうと手を伸ばして気づく。以前風呂に入れた時に感じた違和感。そうだ、シロウは玉が限りなく小さかった。
不思議に思い、そこに手を伸ばすと、小さいだけで、見えていないと思っていた睾丸はそこにはなく、代わりに本来は男性にはないはずの、ふっくらした割れ目があることに気づいた。
――そういうことか……。
シロウが頑なに肌を見せたがらなかった理由、一向に心を開かなかった理由。リアムは勘違いをしていた。
シロウが裸を見せたがらないのは睾丸が小さく、身体に自信がないことを知られたくないためだと、以前に肌を見た時に思い込んでいたが、両性具有であることを隠したかった、男性体にも関わらず、女性器もその身に持っていることを隠したかったのだ。
こんな状況とはいえ、勝手に秘密を暴いてしまったことに申し訳なく思うがリアムにとってシロウがどんなでありうと何であろうとその美しさの前では瑣末なことにしか思えなかった。
優しく割れ目に指を近づけるとぐっしょりと濡れて、物欲しげに指に吸い付いてきた。
ゆっくりと指を入れるとシロウが呻きを上げた。
「あうっ!いぁ……」
キツい。指一本入れるのがやっとのきつさだ。第一関節までしか入っていないリアムの指をぎゅうぎゅうと締め付ける。
本来女性なら、割れ目を優しく撫でつつ、陰核を弄ってやるとよがるのはわかるが、いかんせん勝手が違うのだ。シロウには陰唇はあれど陰核の位置には男性器付いているのだ。
右手でゆっくりとペニスを扱きながら、左手は割れ目から溢れた出た愛液を塗り込めるように優しく指を少し抜き差しをすると、シロウは再び鼻にかかった甘えた喘ぎを漏らし始めた。
少しだけ指を進めて、くっと指を曲げるとシロウが一際大きな声をあげて身体を逸らす。
ここが気持ちいいのか。
理性をどこかに置き去りにしたシロウはリアムの足の間で、与えられる快楽にただ身を委ねて、口からは言葉になっていない喘ぎが漏れるだけだった。
「あ、あ、んん……いぁ……」
リアムは後ろから抱きしめていたシロウをくるりとひっくり返して自分と向かい合わせに膝立ちにして、抱きしめると、自分のズボンの前をくつろげ、いまにもはじけんばかりに硬くなった自身のものを取り出し、シロウの勃起と一緒に握りしめる。
「あっあっ!あぁ……」
シロウは口を半開きにして、虚ろな目で虚空を眺めて喘ぎを漏らし、リアムの首に腕を回して、縋りついた。
リアムはシロウの唇を貪るように口をつけ、口内を蹂躙する。自分の舌をシロウの舌に絡ませて、きつく舌を吸い上げると、シロウの鼻から甘い呻きが漏れた。
唾液すら甘く感じる──。
シロウの口内を思う存分味わってから口を離し、やわやわと握りっていた二つの性器に意識を戻した。
そのままリアムは手の中の二つの勃起を擦り合わせ、同時にシロウの割れ目に入れた指で中を擦り上げる。
「あーーーーあっーーーーーー!」
中に入れた指を食いちぎるかというほどきゅぅっと穴が痙攣し、前の勃起からも性液を零してシロウが果てた。
そのままぐったりともたれかかってくる。どうやらイクのと同時に気を失ったようだ。
ゆっくりと中から指を抜き、ベッドにシロウを横たえると、まだ出していない自分の屹立を両手で扱き、リアムもシロウの真っ白な腹に向かって精液を迸らせた。
38
あなたにおすすめの小説
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。
■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。
オメガの僕が、最後に恋をした騎士は冷酷すぎる
虹湖🌈
BL
死にたかった僕を、生かしたのは――あなたの声だった。
滅びかけた未来。
最後のオメガとして、僕=アキは研究施設に閉じ込められていた。
「資源」「道具」――そんな呼び方しかされず、生きる意味なんてないと思っていた。
けれど。
血にまみれたアルファ騎士・レオンが、僕の名前を呼んだ瞬間――世界が変わった。
冷酷すぎる彼に守られて、逃げて、傷ついて。
それでも、彼と一緒なら「生きたい」と思える。
終末世界で芽生える、究極のバディ愛×オメガバース。
命を懸けた恋が、絶望の世界に希望を灯す。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる