狼の憂鬱 With Trouble

鉾田 ほこ

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3章

5 秘密

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 これは、手助け。これは治療的行為。
 自分に言い訳をする様に心の中そう唱え、リアムはシロウに触れる。
 嫌がる理性も残っていないのか、シロウは歓喜の声をあげた。
 初めての触れ合いがこんな形になったことは不本意だが、仕方がないとリアムはベッドに上がると股の間にシロウを仰向けに寝転ばせ、後からシロウの股間を優しく数回扱き上げた。それだけの行為でシロウは簡単に達する。
「あ、うぅーーーー」
 ビクビクと身体を震わせて、可愛らしい性器から迸りを飛ばした。
 一回達したにも関わらず、萎える気配のないそれをリアムは再び優しく握りあげる。先程出した精液と先走りで滑りが良くなった性器を根本から擦りあげ、先端を爪先で引っ掻くとビクッとして先っぽから蜜を溢れさせた。
「あ、あ、あ」
 擦り上げるたびにうわごとのようにか細く漏れる喘ぎ声が可愛い。
 リアムの股間も爆発寸前だが、いまはとにかくシロウを満足させたかった。

 睾丸も一緒に触ろうと手を伸ばして気づく。以前風呂に入れた時に感じた違和感。そうだ、シロウは玉が限りなく小さかった。
 不思議に思い、そこに手を伸ばすと、小さいだけで、見えていないと思っていた睾丸はそこにはなく、代わりに本来は男性にはないはずの、ふっくらした割れ目があることに気づいた。

――そういうことか……。

 シロウが頑なに肌を見せたがらなかった理由、一向に心を開かなかった理由。リアムは勘違いをしていた。
 シロウが裸を見せたがらないのは睾丸が小さく、身体に自信がないことを知られたくないためだと、以前に肌を見た時に思い込んでいたが、両性具有であることを隠したかった、男性体にも関わらず、女性器もその身に持っていることを隠したかったのだ。
 こんな状況とはいえ、勝手に秘密を暴いてしまったことに申し訳なく思うがリアムにとってシロウがどんなでありうと何であろうとその美しさの前では瑣末なことにしか思えなかった。
 優しく割れ目に指を近づけるとぐっしょりと濡れて、物欲しげに指に吸い付いてきた。
 ゆっくりと指を入れるとシロウが呻きを上げた。
「あうっ!いぁ……」
 キツい。指一本入れるのがやっとのきつさだ。第一関節までしか入っていないリアムの指をぎゅうぎゅうと締め付ける。
 本来女性なら、割れ目を優しく撫でつつ、陰核を弄ってやるとよがるのはわかるが、いかんせん勝手が違うのだ。シロウには陰唇はあれど陰核の位置には男性器付いているのだ。
 右手でゆっくりとペニスを扱きながら、左手は割れ目から溢れた出た愛液を塗り込めるように優しく指を少し抜き差しをすると、シロウは再び鼻にかかった甘えた喘ぎを漏らし始めた。
 少しだけ指を進めて、くっと指を曲げるとシロウが一際大きな声をあげて身体を逸らす。
 ここが気持ちいいのか。
 理性をどこかに置き去りにしたシロウはリアムの足の間で、与えられる快楽にただ身を委ねて、口からは言葉になっていない喘ぎが漏れるだけだった。
「あ、あ、んん……いぁ……」
 リアムは後ろから抱きしめていたシロウをくるりとひっくり返して自分と向かい合わせに膝立ちにして、抱きしめると、自分のズボンの前をくつろげ、いまにもはじけんばかりに硬くなった自身のものを取り出し、シロウの勃起と一緒に握りしめる。
 「あっあっ!あぁ……」
 シロウは口を半開きにして、虚ろな目で虚空を眺めて喘ぎを漏らし、リアムの首に腕を回して、縋りついた。
 リアムはシロウの唇を貪るように口をつけ、口内を蹂躙する。自分の舌をシロウの舌に絡ませて、きつく舌を吸い上げると、シロウの鼻から甘い呻きが漏れた。
 
 唾液すら甘く感じる──。

 シロウの口内を思う存分味わってから口を離し、やわやわと握りっていた二つの性器に意識を戻した。
 そのままリアムは手の中の二つの勃起を擦り合わせ、同時にシロウの割れ目に入れた指で中を擦り上げる。
「あーーーーあっーーーーーー!」
 中に入れた指を食いちぎるかというほどきゅぅっと穴が痙攣し、前の勃起からも性液を零してシロウが果てた。

 そのままぐったりともたれかかってくる。どうやらイクのと同時に気を失ったようだ。
 ゆっくりと中から指を抜き、ベッドにシロウを横たえると、まだ出していない自分の屹立を両手で扱き、リアムもシロウの真っ白な腹に向かって精液を迸らせた。
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