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15章
5 理性のかけらまでどこかへ行ってしまう
扉が開いた途端に、部屋の空気が濃密さをはらむ。そこから出てくる人物より先に、あふれ出る刺激的な甘い香りにシロウは圧倒された。
風呂上がりにもかかわらず、かつてないほどに濃く匂い立つフェロモンにシロウはその場で身を震わせる。思わず向けた視線の先、出てきたリアムに目をみはった。
バスローブを一枚羽織っただけで、髪の先からは滴をぽたぽたとたらしている姿は情欲的で、疲れた表情とはうらはらに、前髪の奥のぎらぎらと光る眼は狼のそれに変わっている。
リアムの匂いにつられたか、はたまたその見た目からこの先を想像してか、シロウの体も次第に熱を帯び始めた。
ゆっくりとこちらに歩いてくるリアムを見つめたまま、シロウは縫い留められたようにその場から動けない。目の前まできたリアムはおもむろに跪く。はだけたバスローブの合間から見えた屹立は遠吠えでもしそうに力強く天を向いていた。
「君の前では、大人な自分でいたいと思うのに……駄目だな。いざ、前にすると理性のかけらまでどこかへ行ってしまう」
そう言って軽々と抱き上げ、シロウが止める間もなくベッドに降ろす。かぶりつくようにキスで唇を覆う。この三日間我慢して、したくてしたくてたまらなかったキス。
シロウはわずかに身をこわばらせたが、リアムは止めることなくさらにキスを深める。シロウはリアムにされるがまま唇をむさぼられた。
シロウがはふはふと息をしようと喘げば、リアムが片手で首の後ろを手で包みこみ、より深くへと舌を入り込ませる。シロウがすがるようにリアムの首に手を伸ばして、拙く舌を合わせれば、リアムは満足そうにそれに応じた。
唇から漏れ出る水音が頭に響いて艶めかしい。
舌が絡みあう唾液の交換に、シロウの身体にもだんだんと変化が訪れた。体温があがり、息が上がる。腹の奥がじくじくと熱を持って、シロウのまとう花の香りも濃厚さを増す。
リアムは顔を引き、うっとりとしているシロウを見下ろした。シロウの少し開いた唇はいつもより赤らんで、唾液で濡れ光る。清廉なシロウから放たれる妖艶さに、リアムの腰に一層熱が集中した。抑えられない欲望に、翻弄されずに自我を保つことでいっぱいいっぱいだった。
伸ばしたシロウの手が、リアムの首根とローブの間に差し込まれ、肩からするりと脱がせにかかる。
(嘘……だろ……)
その積極的なさまに、リアムは血管がはち切れそうになるほど血が滾った。
リアムは剥ぎ取るようにシロウの下履きを脱がせ、早急すぎる手つきでシロウの芯をもってゆるく立ち上がるペニスを握る。既に先からは透明な涙をこぼしていた。
はっと目を見開き、恥ずかしそうに身を震わせる。所在無げに手が胸の前を交差する。
清さと艶やかさを行ったり来たりするシロウの表情にリアムは興奮した。
Tシャツの裾から手をいれて、交差した腕を退けるように頭から脱がせれば、真っ白い胸に薔薇色のつぼみが誘うように現れる。
「あっ」
リアムの指が薔薇の突起を掠めると、シロウが小さく声を上げた。リアムは唇をよせて吸いつき、舌で幾たびか舐め上げれば、以前より感じやすくなったそこは、いとも簡単に芯を持ち、ツンと尖ってリアムの舌を楽しませた。こりこりと舌で押しつぶされ、つつかれているうちに、シロウの息はあがり、身体はびくびくと小刻みに震える。
リアムはゆるゆると幹を弄んでいた手を移動させ、切れ目に指を添わせる。そこはすでに熱くぬかるんでおり、指をあてれば誘い込むようにうごめいた。
そのあからさまな姿に、シロウは恥ずかしさで枕に顔をうずめた。
「シロウ……」
甘く低い声でリアムがシロウを呼ぶ。恥ずかしさに赤く染めた目じりから、ちらりと様子をうかがえば、獰猛な双眸がこちらを見つめる。
「いい?」
ここまでしておいて、「良い」も何もないとリアムも思った。今さら止められないと、自分でもわかってはいるが、シロウに尋ねずにはいられない。
シロウもシロウで、聞かずに進めてくれればいいのにと思うが、これがリアムの優しさなのだと、毎回尋ねてくることを自身に納得させる。
シロウは声に出さずに小さく頷き同意の意思を示す。
リアムはシロウのこめかみにキスを落とし、そのまま全身にキスの雨を降らせた。
風呂上がりにもかかわらず、かつてないほどに濃く匂い立つフェロモンにシロウはその場で身を震わせる。思わず向けた視線の先、出てきたリアムに目をみはった。
バスローブを一枚羽織っただけで、髪の先からは滴をぽたぽたとたらしている姿は情欲的で、疲れた表情とはうらはらに、前髪の奥のぎらぎらと光る眼は狼のそれに変わっている。
リアムの匂いにつられたか、はたまたその見た目からこの先を想像してか、シロウの体も次第に熱を帯び始めた。
ゆっくりとこちらに歩いてくるリアムを見つめたまま、シロウは縫い留められたようにその場から動けない。目の前まできたリアムはおもむろに跪く。はだけたバスローブの合間から見えた屹立は遠吠えでもしそうに力強く天を向いていた。
「君の前では、大人な自分でいたいと思うのに……駄目だな。いざ、前にすると理性のかけらまでどこかへ行ってしまう」
そう言って軽々と抱き上げ、シロウが止める間もなくベッドに降ろす。かぶりつくようにキスで唇を覆う。この三日間我慢して、したくてしたくてたまらなかったキス。
シロウはわずかに身をこわばらせたが、リアムは止めることなくさらにキスを深める。シロウはリアムにされるがまま唇をむさぼられた。
シロウがはふはふと息をしようと喘げば、リアムが片手で首の後ろを手で包みこみ、より深くへと舌を入り込ませる。シロウがすがるようにリアムの首に手を伸ばして、拙く舌を合わせれば、リアムは満足そうにそれに応じた。
唇から漏れ出る水音が頭に響いて艶めかしい。
舌が絡みあう唾液の交換に、シロウの身体にもだんだんと変化が訪れた。体温があがり、息が上がる。腹の奥がじくじくと熱を持って、シロウのまとう花の香りも濃厚さを増す。
リアムは顔を引き、うっとりとしているシロウを見下ろした。シロウの少し開いた唇はいつもより赤らんで、唾液で濡れ光る。清廉なシロウから放たれる妖艶さに、リアムの腰に一層熱が集中した。抑えられない欲望に、翻弄されずに自我を保つことでいっぱいいっぱいだった。
伸ばしたシロウの手が、リアムの首根とローブの間に差し込まれ、肩からするりと脱がせにかかる。
(嘘……だろ……)
その積極的なさまに、リアムは血管がはち切れそうになるほど血が滾った。
リアムは剥ぎ取るようにシロウの下履きを脱がせ、早急すぎる手つきでシロウの芯をもってゆるく立ち上がるペニスを握る。既に先からは透明な涙をこぼしていた。
はっと目を見開き、恥ずかしそうに身を震わせる。所在無げに手が胸の前を交差する。
清さと艶やかさを行ったり来たりするシロウの表情にリアムは興奮した。
Tシャツの裾から手をいれて、交差した腕を退けるように頭から脱がせれば、真っ白い胸に薔薇色のつぼみが誘うように現れる。
「あっ」
リアムの指が薔薇の突起を掠めると、シロウが小さく声を上げた。リアムは唇をよせて吸いつき、舌で幾たびか舐め上げれば、以前より感じやすくなったそこは、いとも簡単に芯を持ち、ツンと尖ってリアムの舌を楽しませた。こりこりと舌で押しつぶされ、つつかれているうちに、シロウの息はあがり、身体はびくびくと小刻みに震える。
リアムはゆるゆると幹を弄んでいた手を移動させ、切れ目に指を添わせる。そこはすでに熱くぬかるんでおり、指をあてれば誘い込むようにうごめいた。
そのあからさまな姿に、シロウは恥ずかしさで枕に顔をうずめた。
「シロウ……」
甘く低い声でリアムがシロウを呼ぶ。恥ずかしさに赤く染めた目じりから、ちらりと様子をうかがえば、獰猛な双眸がこちらを見つめる。
「いい?」
ここまでしておいて、「良い」も何もないとリアムも思った。今さら止められないと、自分でもわかってはいるが、シロウに尋ねずにはいられない。
シロウもシロウで、聞かずに進めてくれればいいのにと思うが、これがリアムの優しさなのだと、毎回尋ねてくることを自身に納得させる。
シロウは声に出さずに小さく頷き同意の意思を示す。
リアムはシロウのこめかみにキスを落とし、そのまま全身にキスの雨を降らせた。
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