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缶コーヒー
たまには後ろへ
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午後の日差しを浴びて、二人で過ごす休日。
小さな田舎の、小さなお店へお買い物。
「何買おうか?」
手を繋いで、おやつをあいと選んでいた。
「ん~。ゆうくんとなら、何でもいいよ?」
そんなことを言いながら笑う彼女に、確かにそうだな。と、一人、鼻で笑ってしまった。
「いらっしゃいませ。」
適当にレジに並ばれた商品を袋に入れて、よし。と言った後に、手を繋ぎ、歩きだした。
「ねぇ。」
「ん?」
楽しく遊ぶ子供達を見ながら、あいが笑いながら、問いかける。
「あいも、ゆうくんも、小さい時から、こんなに近くにいたのにね?」
繋いだ手を離し、僕の左腕を抱き締めながら笑うあいに、また恋をする。
「そうだね。あい、小学生の頃から、全然振り向いてくれなかったからなぁ。」
歩いてるだけで仲良しな二人に、通り過ぎるおばさんが、ニコニコしていた。
「そんなことないよ。ゆうくん、早く来ないかな?って、待ってたよ?」
嘘吐けよ。なんて言いながらも、本当は、冗談でも嬉しかったんだ。
あの時、あいを、ちゃんと見よう。って、考えた季節を、君が待っててくれたことは、本当だったから。
「俺は、ずっと憧れの先輩だったし。」
「今は?」
僕の目の奥まで見つめるあいは、昔から変わらない笑顔で僕を困らせる。
「大好きな…彼女だろ?」
力強く握られた腕に、乗せられたあいの体重を支えきれず、右手に持っていたお菓子の袋が振らついた。
僕の家へ続く長い階段を、二人で、よいしょ。と言いながら登っていた。
いつまでも隣に居たい。と、思う気持ち、
「着いた!!」
いつの日も、変わらないから。
「ただいま。」
「お邪魔します。」
やっと辿り着いた誰もいない実家に、二人の声が響いた。
部屋に戻り、広げられた飲み物やお菓子達。
「どれから、食べようか?」
そんな話や、ギターを弾いたり、最近新しく変えた携帯のゲームをしたり、二人で長くキスをしてみたり。
幸せ。って、こんなことを言うのかな。なんて、思ってみたりしていた。
「おはよ。」
眠たい目を擦りながら、僕の頬を摘まんできたあいがいた。
「ん~。おはよ。」
気が付けば、疲れ果てた二人は夢の世界にいた。
「今、何時?」
携帯を見開いて、時計を見てみたが、それを、眩しい。と思うくらい、外の景色が暗くなっていた。
「七時前かな?どうした?」
「ん~ん。何もないけど、お母さんに何か言われるかも。」
脱ぎ捨ててあった洋服達をゆっくり着だして、たまに、あっ、もう。と怒られながらも、意地悪をあいにしてみたりしながら、行くか?と言うと、
「うん!!」
と、微笑むあいが居た。
玄関を出て、小さな車にするか迷ったけれど、不思議と季節の割に、涼しい。と感じた空気に、バイクの鍵を手にしていた。
「たまには、後ろに乗れよ。」
一つしか無かったヘルメットを、あいにあげ、一人乗りのバイクに、二人が股がった。
「ちゃんと、捕まってろよ?」
そんなことを言いながら、アクセルを手一杯に回した。
坂道が多い街の下り坂を、ゆっくりと走り出したバイク。
「一回、こういうのしてみたかったんだ?」
後ろから聞こえる声と、力強く握りしめられた体に、ん?なんて返事をしていた。
風切り音に消されていく声達。
あいの家が見えて来た。と思いながら、初めて乗せた女の子だよ?とか、僕の頬が緩んでいたことは、間違いなかった。
「着きました。」
「ありがとう。」
それと同時に、
「ちょっと、いいかな?」
なんて、巡回中のお巡りさんに、後ろから、声をかけられた。
「免許証、見せてもらってもいいかな?」
ヘルメットも被ってないし、二人乗りだし、仕方なく、財布にしまってある免許証を取り出した。
「二人乗りは危ないから、気を付けてね。」
ただ、免許証を見ただけで、それだけを言って、去って行ったお巡りさん。
「優しいね?」
あいが、微笑みながら話しかけてくれた。
「ビックリしたけど、楽しかった。ありがとう。」
いつも、そんな言葉に、僕は癒されてる。
小さな田舎の、小さなお店へお買い物。
「何買おうか?」
手を繋いで、おやつをあいと選んでいた。
「ん~。ゆうくんとなら、何でもいいよ?」
そんなことを言いながら笑う彼女に、確かにそうだな。と、一人、鼻で笑ってしまった。
「いらっしゃいませ。」
適当にレジに並ばれた商品を袋に入れて、よし。と言った後に、手を繋ぎ、歩きだした。
「ねぇ。」
「ん?」
楽しく遊ぶ子供達を見ながら、あいが笑いながら、問いかける。
「あいも、ゆうくんも、小さい時から、こんなに近くにいたのにね?」
繋いだ手を離し、僕の左腕を抱き締めながら笑うあいに、また恋をする。
「そうだね。あい、小学生の頃から、全然振り向いてくれなかったからなぁ。」
歩いてるだけで仲良しな二人に、通り過ぎるおばさんが、ニコニコしていた。
「そんなことないよ。ゆうくん、早く来ないかな?って、待ってたよ?」
嘘吐けよ。なんて言いながらも、本当は、冗談でも嬉しかったんだ。
あの時、あいを、ちゃんと見よう。って、考えた季節を、君が待っててくれたことは、本当だったから。
「俺は、ずっと憧れの先輩だったし。」
「今は?」
僕の目の奥まで見つめるあいは、昔から変わらない笑顔で僕を困らせる。
「大好きな…彼女だろ?」
力強く握られた腕に、乗せられたあいの体重を支えきれず、右手に持っていたお菓子の袋が振らついた。
僕の家へ続く長い階段を、二人で、よいしょ。と言いながら登っていた。
いつまでも隣に居たい。と、思う気持ち、
「着いた!!」
いつの日も、変わらないから。
「ただいま。」
「お邪魔します。」
やっと辿り着いた誰もいない実家に、二人の声が響いた。
部屋に戻り、広げられた飲み物やお菓子達。
「どれから、食べようか?」
そんな話や、ギターを弾いたり、最近新しく変えた携帯のゲームをしたり、二人で長くキスをしてみたり。
幸せ。って、こんなことを言うのかな。なんて、思ってみたりしていた。
「おはよ。」
眠たい目を擦りながら、僕の頬を摘まんできたあいがいた。
「ん~。おはよ。」
気が付けば、疲れ果てた二人は夢の世界にいた。
「今、何時?」
携帯を見開いて、時計を見てみたが、それを、眩しい。と思うくらい、外の景色が暗くなっていた。
「七時前かな?どうした?」
「ん~ん。何もないけど、お母さんに何か言われるかも。」
脱ぎ捨ててあった洋服達をゆっくり着だして、たまに、あっ、もう。と怒られながらも、意地悪をあいにしてみたりしながら、行くか?と言うと、
「うん!!」
と、微笑むあいが居た。
玄関を出て、小さな車にするか迷ったけれど、不思議と季節の割に、涼しい。と感じた空気に、バイクの鍵を手にしていた。
「たまには、後ろに乗れよ。」
一つしか無かったヘルメットを、あいにあげ、一人乗りのバイクに、二人が股がった。
「ちゃんと、捕まってろよ?」
そんなことを言いながら、アクセルを手一杯に回した。
坂道が多い街の下り坂を、ゆっくりと走り出したバイク。
「一回、こういうのしてみたかったんだ?」
後ろから聞こえる声と、力強く握りしめられた体に、ん?なんて返事をしていた。
風切り音に消されていく声達。
あいの家が見えて来た。と思いながら、初めて乗せた女の子だよ?とか、僕の頬が緩んでいたことは、間違いなかった。
「着きました。」
「ありがとう。」
それと同時に、
「ちょっと、いいかな?」
なんて、巡回中のお巡りさんに、後ろから、声をかけられた。
「免許証、見せてもらってもいいかな?」
ヘルメットも被ってないし、二人乗りだし、仕方なく、財布にしまってある免許証を取り出した。
「二人乗りは危ないから、気を付けてね。」
ただ、免許証を見ただけで、それだけを言って、去って行ったお巡りさん。
「優しいね?」
あいが、微笑みながら話しかけてくれた。
「ビックリしたけど、楽しかった。ありがとう。」
いつも、そんな言葉に、僕は癒されてる。
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