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第1章
武闘会参加〜武器調達〜
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シャクヤクの言ったように武闘会会場周辺には所狭しと露店が建ち並んでいた。
「師匠の言った通り、いっぱい店が出てるな~。これじゃあどこの店に良い物があるか分かんないなぁ~。」
俺は歩きながら露店に並べられた剣を見比べていた。
「どうするかな~。いつも使い慣れてる片手剣が良いんだけどなぁ~。」
俺は一本の片手剣を手に取り眺めた。
「……悪くはないけど、良くもない。」
「……兄ちゃん。店先で商品見ながらダメ出しさらっと売れなくなるだろ。他所行ってくれよ。」
露店のおじさんに怒られてしまった。
「時間もないし、そこらで適当に買うしかないか。」
俺は落ち込みながら近くの露店に入ろうとした。
「そこのお兄さん! 片手剣を探してるならうちの店の品を見てってよ!」
10歳くらいの女の子が俺の腰に抱き付いていた。
「……スリ?」
俺はいきなり抱きつかれたので金を盗ろうとしてるのかと思った。
「ひっどーい! こんな可愛い子が抱きついてるのに! それをスリですってぇ~!」
女の子は頬を膨らませてポカポカ叩いてきた。
「ごめんごめん!」
俺は女の子の背に合わせて屈んで謝った。
「……酷いこと言ったから、うちの店で買ったよね!」
商売根性のある女の子だなぁ~と感じながら俺は女の子に手を引かれら形で付いて行った。
「ここがお父さんがやってるお店だよ。」
女の子が案内したのは会場から少し離れたところにある古びたような露店だった。
「……ここ?」
俺は不安になりながらも店の品を眺めた。
「おう。いらっしゃい。自由に見ていってくれ。」
店の40歳くらいの店主が声を掛けてきた。
俺は並べられている片手剣の中から一本を手に取った。
「……長さも重さもデザインも良いですね。振ってみてもいいですか?」
俺は店主に素振りしてもいいか確認した。
「どうぞ。」
少しだけ型をやってみたが悪くないと思えた。
「……お兄さんかなりの腕だな。」
「お兄さんカッコいい~。」
「どうも。これにします。いくらですか?」
俺が露店で見た中で一番良かったので、この片手剣を買うことにした。
「……試しにこっちの片手剣はどうだ?」
店主は、店に並べていなかった刃の部分が透き通っているような綺麗さのある片手剣を取り出し渡してきた。
「……手に馴染みますね。さっきのよりかなり良いですね。こっちも振ってみても?」
この片手剣は、先程とは比べ物にならないくらいの品物だった。
俺の問いに店主が頷いたため、先程同様に型を少しやってみた。
「これは売り物ですか?」
「売る気がなければ見せないよ。」
店主は笑って答えた。
「これは高いですよね。そんなに手持ちは無いんですが……。」
「高級素材を使ってるからな。お兄さんが気に入ったから安くして……100万コイン。と言いたいがそんなお金持ってねぇだろ。」
……この世界のお金は、日本で言う1円が1コインに当たる。
1万コインや10万コイン、100万コイン、1000万コインが存在している。
1000万コインなんて大商人や国が使うような貨幣だ。
俺は師匠から持ったお小遣い袋から中身を出してカウンターに置いた。
「……はぁぁぁ!!」
「……え? え? え?」
店主と女の子はめちゃくちゃ驚いていた。
「師匠、100万コイン10枚も持たせてたのかよ。」
俺は子供にお小遣いと1000万渡す師匠に呆れていた。
店主と女の子は、まだ立ち直れていないようだ。
「じゃぁ100万コイン1枚払いますね。」
俺はサクッとカルトン(トレー)にコインを置いた。
「……はっ!? お兄さんボンボンなのか?」
店主は俺がこんなにお金を持っていると思わなかったようだ。
「……まぁね。良い剣に出会えました。」
俺は買った片手剣とお金をネペンテスに収納し、店から立ち去った。
「……お父さん……さっきの剣って500万コインのやつだよね? 良かったの?」
「……男が一度口にしたことを変えられるか!」
「……男ってみんなバカなのかしら。」
女の子は自分の父親の姿を見て、自分はこうならないようにしようと心に誓った。
「師匠の言った通り、いっぱい店が出てるな~。これじゃあどこの店に良い物があるか分かんないなぁ~。」
俺は歩きながら露店に並べられた剣を見比べていた。
「どうするかな~。いつも使い慣れてる片手剣が良いんだけどなぁ~。」
俺は一本の片手剣を手に取り眺めた。
「……悪くはないけど、良くもない。」
「……兄ちゃん。店先で商品見ながらダメ出しさらっと売れなくなるだろ。他所行ってくれよ。」
露店のおじさんに怒られてしまった。
「時間もないし、そこらで適当に買うしかないか。」
俺は落ち込みながら近くの露店に入ろうとした。
「そこのお兄さん! 片手剣を探してるならうちの店の品を見てってよ!」
10歳くらいの女の子が俺の腰に抱き付いていた。
「……スリ?」
俺はいきなり抱きつかれたので金を盗ろうとしてるのかと思った。
「ひっどーい! こんな可愛い子が抱きついてるのに! それをスリですってぇ~!」
女の子は頬を膨らませてポカポカ叩いてきた。
「ごめんごめん!」
俺は女の子の背に合わせて屈んで謝った。
「……酷いこと言ったから、うちの店で買ったよね!」
商売根性のある女の子だなぁ~と感じながら俺は女の子に手を引かれら形で付いて行った。
「ここがお父さんがやってるお店だよ。」
女の子が案内したのは会場から少し離れたところにある古びたような露店だった。
「……ここ?」
俺は不安になりながらも店の品を眺めた。
「おう。いらっしゃい。自由に見ていってくれ。」
店の40歳くらいの店主が声を掛けてきた。
俺は並べられている片手剣の中から一本を手に取った。
「……長さも重さもデザインも良いですね。振ってみてもいいですか?」
俺は店主に素振りしてもいいか確認した。
「どうぞ。」
少しだけ型をやってみたが悪くないと思えた。
「……お兄さんかなりの腕だな。」
「お兄さんカッコいい~。」
「どうも。これにします。いくらですか?」
俺が露店で見た中で一番良かったので、この片手剣を買うことにした。
「……試しにこっちの片手剣はどうだ?」
店主は、店に並べていなかった刃の部分が透き通っているような綺麗さのある片手剣を取り出し渡してきた。
「……手に馴染みますね。さっきのよりかなり良いですね。こっちも振ってみても?」
この片手剣は、先程とは比べ物にならないくらいの品物だった。
俺の問いに店主が頷いたため、先程同様に型を少しやってみた。
「これは売り物ですか?」
「売る気がなければ見せないよ。」
店主は笑って答えた。
「これは高いですよね。そんなに手持ちは無いんですが……。」
「高級素材を使ってるからな。お兄さんが気に入ったから安くして……100万コイン。と言いたいがそんなお金持ってねぇだろ。」
……この世界のお金は、日本で言う1円が1コインに当たる。
1万コインや10万コイン、100万コイン、1000万コインが存在している。
1000万コインなんて大商人や国が使うような貨幣だ。
俺は師匠から持ったお小遣い袋から中身を出してカウンターに置いた。
「……はぁぁぁ!!」
「……え? え? え?」
店主と女の子はめちゃくちゃ驚いていた。
「師匠、100万コイン10枚も持たせてたのかよ。」
俺は子供にお小遣いと1000万渡す師匠に呆れていた。
店主と女の子は、まだ立ち直れていないようだ。
「じゃぁ100万コイン1枚払いますね。」
俺はサクッとカルトン(トレー)にコインを置いた。
「……はっ!? お兄さんボンボンなのか?」
店主は俺がこんなにお金を持っていると思わなかったようだ。
「……まぁね。良い剣に出会えました。」
俺は買った片手剣とお金をネペンテスに収納し、店から立ち去った。
「……お父さん……さっきの剣って500万コインのやつだよね? 良かったの?」
「……男が一度口にしたことを変えられるか!」
「……男ってみんなバカなのかしら。」
女の子は自分の父親の姿を見て、自分はこうならないようにしようと心に誓った。
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