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第1章

武闘会参加〜第1ブロック実況席①〜

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 サクラはスキンヘッドを倒してから次の相手を探していた。

「最初は50人だったけど少し減ったかな?」

 俺は周囲を見回して状況を確認した。

 第1ブロック開始直後の実況席。

 スズ「さぁ~第1ブロックが開始となりまし
            た~。」

 ラン「このブロックの有利選手はいましたか?」

 スズ「第1ブロックには、昨年2回戦に出場した選手
            が3名いますね!」

 ラン「どの選手でしょうか?」

 スズ「緑髪の槍使いの青年アイビー、白髪の大剣使
           いの大男アベリア、スキンヘッドの斧使いの男
           性アリウムですね。」

 ラン「なるほど~。アイビー選手もアベリア選手も
           数名の選手に囲まれてますね!」

 スズ「前回の一回戦突破者ですからね。先に潰して
           しまおうと言う考えでしょうね。」

 ラン「アリウム選手は、片手剣の少年に向かってい
           ってますね?」

 スズ「アリウム選手の斧が迫る!  ……おっと少年
           は軽々とアリウム選手の斧を回避した!……か
           なり の美少年だぁー!」

 ラン「……スズちゃん。」

 スズ「おぉーーと。アリウム選手得意の土魔法の地
           割が炸裂っー!  美少年危なーい!」

 ラン「スズちゃんってば!  ……ホント面食いなん   
           だから。」

 スズ「美少年はなんとアリウム選手の得意技も軽々
           回避したー!  カッコいい~!」

 ラン「……いい動きしてますね。」

 スズ「今度は美少年から攻めていったーー!  お姉
           さん応援しちゃう!頑張って~!」

 ラン「こらこらスズちゃん!  実況ちゃんとやって
           よ!」

 スズ「スキンヘッドの横槍~じゃなくて横斧が入
           る~!」

 ラン「……見事に剣で弾きました!」

 スズ「そのまま切り返して…決まったぁー!」

 ラン「前回の一回戦突破者であるアリウム選手を軽
           く一蹴してしまいましたね。」

 スズ「素晴らしいー!  強くてかっこいい美少年!
           期待の新星現る~!  第1ブロックはあの子か
           ら目が離せませーん!」

 ラン「ダメですよスズちゃん!  ちゃんと全体の実
           況しないと!  クビになりますよ!」

 スズ「クビなんか知るかー!」

 ラン「クビになったらあの子をここで応援出来ない
           よ?」

 スズ「……おぉーと!  アイビー選手もアベリア選
           手も襲いかかる選手を次々に倒していく、瞬く
           間に第1ブロックの会場では15名の選手が脱落
           だぁ ー!」

 ランは、スズが美少年と連呼していることから、実況席の横で観戦していた受付嬢達に名前の確認を行なった。

 参加者が多いため、名前の特定に時間がかかるだろうと思っていたが直ぐに答えが返ってきた。

「ヤマト様です!」

 受付嬢は顔を赤くして答えた。

「受付した時から気になっていたんですよー!」
と頬に両手を当ててクネクネしていた。

 実況席にランは戻りマイクを握った。

 ラン「只今入った情報によりますと、先程前回の一
           回戦突破者であるアリウム選手を倒した美少年
           の名前はヤマト様と判明しました。」

 スズ「ランちゃんいつの間に名前を!?  ……実は
           ランちゃんも!?」

 ラン「……スズちゃんがずっと美少年って言うか
           ら、確認してきてあげたんだよ!」

 スズ「……ランちゃん!!」

 ラン「何?」

 スズ「グッジョブ!」

 ラン「スズちゃん。……仕事して。」

 スズ「イエッサー!」

 実況席のヤマト(サクラ)人気以外にも、観客席においてヤマト(サクラ)ファンが急増していたのをサクラは知る由もなかった。
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