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第1章

武闘会参加〜国王対フリージア

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 トーナメント戦4日目。

 スズ「さぁ~本日はトーナメント戦4日目!  武闘会もいよいよ終盤になって参りました!」

 ラン「本日は、倭国国王リュウオウ選手対倭国軍隊長フリージア選手の対決です!」

 スズ「果たして勝利を手にするのはどちらになるのか~!」

 ラン「間も無く試合開始となります。」

 会場の上では、リュウオウとフリージアが向かい合っていた。

「国王だからと手加減するなよ。」
 国王はフリージアに笑いながら話しかけた。

「手加減しませんよ。全力で戦い……倒します!」
 フリージアは力強く宣言した。

「これより、リュウオウ選手対フリージア選手の試合を開始します。両者準備はよろしいですか?」
 ルーペが両者に開始の確認を取った。

 両者は頷き、相手へ意識を集中した。

「試合……開始!」

「“雷電衣らいでんい”!」
 フリージアはライラック戦と同様に開始直後から雷を纏った。

「“雷光装らいこうそう”!」
 リュウオウもフリージアと同時に雷と光を纏った。 

 スズ「フリージア選手は前回と同じく雷を纏ったぁ!」

 ラン「対するリュウオウ選手は雷と光の2属性を纏いつたぁ!」

「……行きます!」
 フリージアはリュウオウに斬りかかった。

「来い!」
 リュウオウはフリージアを迎え撃った。

 両者の高速の斬り合いが続き、ぶつかり合う金属音と身に纏う雷の音が会場を覆った。

「“雷切らいきり”!」
 フリージアは超スピードでリュウオウに接近し技を放った。

「抜刀術“瞬雷しゅんらい”!」
 リュウオウは居合斬りでフリージアを迎え撃った。

 両者の武器がぶつかり合い、凄まじい衝撃が発生した。

 スズ「互いの技がぶつかり合い、雷と光が迸っています。」

「“五雷斬ごらいざん”!」
 フリージアは5つの斬撃を同時に繰り出してリュウオウを攻撃した。

「“雷光盾らいこうのたて”!」
 リュウオウは雷と光の2属性混合の盾を正面に展開してフリージアの攻撃を防いだ。

 ラン「フリージア選手の怒涛の攻撃ぃー!リュウオウ選手はそれを魔法盾で防ぎました!」

「……あれを防ぎますか。」
 フリージアは間合いを取って息を整えた。

「かなりの威力だな。盾が壊れるかと思ったよ。」
 リュウオウは余裕の表情を浮かべていた。

「今度はこっちから行くぞ。“雷光斬らいこうざん”!」
 そう言うと、リュウオウは一足でフリージアへと間合いを詰めて技を放っていた。

「なっ!?  ぐはぁ!」
 フリージアはリュウオウの攻撃をまともに喰らい吹き飛ばされた。

 スズ「リュウオウ選手速い!  速すぎる!  気がついた時にはフリージア選手が吹き飛ばされていました!」

「ぅっ!  ……速すぎだろ。」
 フリージアは何とか立ち上がり剣を構えた。

「ギリギリで反応出来たか。今ので終わると思ったけど。やるね。」
 リュウオウは嬉しそうにそう言った。

「ふぅー。……“雷轟らいごう”!!」
 フリージアはライラック戦同様に全魔力を剣に込めて、リュウオウ目掛けて振り下ろした。

「……ここで転移は失礼だな。なら、抜刀術“雷光一閃らいこういっせん”!」
 リュウオウも必殺の一撃でフリージアを迎え撃った。

「ッ!」
 フリージアはその場から崩れ落ちた。

 リュウオウの一撃は、フリージアの雷轟だけでなくフリージアをも斬り裂いた。

 ラン「……フリージア選手の雷轟をリュウオウ選手は斬り裂くだけでなく、フリージア選手をも斬り裂いていました!」

「はぁはぁはぁ……。」
 フリージアは倒れたまま動けなかった。

「勝者、リュウオウ選手!」
 ルーペが勝利したリュウオウの名を宣言した。

「大したものだよフリージア。これからも我が国のために頑張って欲しい。」
 リュウオウは倒れているフリージアに声を掛けた。

「……もっと精進して勝ってみせます!」

「楽しみにしているよ。」
 リュウオウは笑って会場を後にした。

 スズ「いや~素晴らしい試合でしたね。」

 ラン「明日の決勝戦は、リュウオウ選手対ヤマト選手となりました!」

 スズ「前回優勝者のリュウオウ選手にヤマト選手はどう挑むのか!  明日が楽しみです!」



 大会後の城内。

「父さん。師匠に勝ったんですね。」
 サクラはリュウオウとキクと一緒に居た。

「父さん強いだろ。サクラの師匠のフリージアも強かったぞ!  サクラもまずはフリージアを越えられるようにならないとな!」
 リュウオウは笑いながらサクラの頭に手を置いた。

「サクラもお父さんみたいに強くなるのよ。でも……女誑しなっちゃダメよ~」
 キクはサクラの頭を撫でながら、リュウオウに鋭い目線を向けた。

「ひぃ!悪かったって何度も謝ったよね?」
 リュウオウは冷や汗を掻きながら後ずさった。

「母さん。俺は父さんより強くなります!  女の子には優しくします!」
 サクラはリュウオウを見た後にキクを見た。

「……サクラも女性で苦労しそうね。」
 キクは苦笑いしていた。

「サクラは俺を越えるか……。」
 リュウオウはサクラを見ていた。

「……そうか。サクラが俺に勝つ日が楽しみだ。」
 リュウオウは真剣な目でサクラを見た。

 サクラも真剣な目でリュウオウを見返した。

 そんな二人をキクは微笑んで見ていた。
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