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第4章
シルビア村〜事後処理〜
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ドクダミ山賊団による襲撃を受けたシルビア村であったが、事前に襲撃情報を得ての避難誘導やサクラ達の活躍により、殆ど被害が出ることなく、今回の騒動は終結を迎えた。
「いや~、サクラ君達のお陰で本当に助かったよ。ありがとう。」
キャトレイ辺境伯は、深々とサクラ達に頭を下げた。
「俺もこの村には思い出が沢山ありますから、無事に守ることが出来て良かったです。」
サクラは、この村で多くの時間を過ごして来たため、本当に今回の騒動を最小限の被害で食い止められて良かったと思っていた。
「お父様、取り返したパチャママ神様の仏像は元の位置に戻りましたわ。それとパチャママ神様から、マリアの薙刀を授かりましたわ。」
カトレアは、マリアの薙刀をキャトレイ辺境伯に手渡した。
「ん~、凄い力を感じる。大切にするんだぞ。」
キャトレイ辺境伯は、自分も欲しそうな目をしていたが、カトレアにマリアの薙刀を返した。
「それから、ストックから気になる話がありました。魔神崇拝教団と名乗る者が冒険者に紛れ込んでいたそうです。」
サクラ達は、各地区の戦いの状況を事前に話し合っており、情報共有していたのだ。
「魔神崇拝教団、噂では聞いたことがあったが、遂に我が領内にまで浸透して来ていたとは。国王にも進言して、潜り込まれない様、対策を考えよう。」
キャトレイ辺境伯は、奴らが国に潜り込むことを危険視し、国を挙げての対策を考えていた。
「よろしくお願いします。」
サクラ達は、キャトレイ辺境伯の部屋を後にし、夕方にはサクラの転移でグラナダ王国へ向かうことを決め、みんなでシルビア村を回ることにしたのだ。
「サクラ様、少し宜しいでしょうか?」
サクラ達がキャトレイ辺境伯の屋敷を出るところで、パキラが声を掛けて来た。
「みんな先に行っててくれるか?」
サクラはみんなに一声掛けて、パキラの方へ向かった。
「本当に危ない所を助けて頂き、ありがとうございました。」
パキラは、深く頭を下げた。
「気にしないで下さい。それとグラナダ王国には夕方転移する予定なので、夕方に荷物を纏めておいて下さい。」
サクラは約束通り、王都までパキラを連れて行く為に、転移予定を伝えた。
「分かりました。ありがとうございます。……一つ伺っても宜しいでしょうか?」
パキラは、頬を赤く染めながらサクラを見ていた。
「何ですか?」
「サクラ様は、現在お付き合いされている方はいますか?」
パキラは、意を決してサクラの女性関係を問い質した。
「……付き合ってる人は居ませんね。大切な人は居ますけど。」
サクラは、アイリスとカトレアの顔を思い浮かべたが、交際している訳ではないので、素直に答えた。
「……私はサクラ様が好きです。」
パキラは、長年ヤマトに恋をしており、そのヤマトがサクラだったと知り、更に命を助けられ、その人柄にも触れて、サクラのことが大好きになってしまったのである。
「……ありがとう。気持ちは嬉しいんだけど……。」
サクラは、魔人を討伐して魔神復活を阻止するまでは、恋人を作ろうとは考えていなかった。
「それでも私は、サクラ様のことが好きです。この気持ちは変わりません。」
パキラの一途な想いに、サクラは嬉しさを感じていたが、同時に困ってもいた。
「今は、まだお互いのことをもっと知った方がいいと思うので、私をサクラ様専属の商人にさせて下さい! 必要な物をサクラ様へお届けしてみせます!」
パキラは、サクラの手を取り、上目遣いでサクラを見た。
「わ、分かりました。こちらも商人の伝手があると助かります。」
サクラは、パキラの押しに負けたことと、本当に商人の伝手が有った方が今後の為になると思い、パキラの提案を受け入れたのだ。
「不束者ですが、どうぞ宜しくお願いしますね。」
パキラの満面の笑みに、サクラが見惚れていたことをパキラ自身が気付くことは無かった。
「何か変な気がしますが、そういう事ならパキラさんに俺からプレゼントがあります。……これは信頼の絆と言って、連絡を取り会える道具です。」
俺はパキラの指に、指輪を通した。
「……とても便利な道具ですね。……。」
パキラは指輪を見たまま、無言になってしまった。
「どうかしましたか?」
サクラは、何か不味いことでもしてしまったのかと不安になっていた。
「……いえ。いつか別の場所に指輪を通して貰えるように頑張りますね。」
パキラは、サクラに通された指輪を大切そうに触りながら、笑顔で応えた。
サクラは、何とも言えない表情を浮かべながら、パキラと別れて、みんなとシルビア村を観光し、予定通り夕方には転移魔法でグラナダ王国に移動したのである。
シルビア村では、今回のサクラ達の活躍が、生涯語り継がれることになったのだった。
「いや~、サクラ君達のお陰で本当に助かったよ。ありがとう。」
キャトレイ辺境伯は、深々とサクラ達に頭を下げた。
「俺もこの村には思い出が沢山ありますから、無事に守ることが出来て良かったです。」
サクラは、この村で多くの時間を過ごして来たため、本当に今回の騒動を最小限の被害で食い止められて良かったと思っていた。
「お父様、取り返したパチャママ神様の仏像は元の位置に戻りましたわ。それとパチャママ神様から、マリアの薙刀を授かりましたわ。」
カトレアは、マリアの薙刀をキャトレイ辺境伯に手渡した。
「ん~、凄い力を感じる。大切にするんだぞ。」
キャトレイ辺境伯は、自分も欲しそうな目をしていたが、カトレアにマリアの薙刀を返した。
「それから、ストックから気になる話がありました。魔神崇拝教団と名乗る者が冒険者に紛れ込んでいたそうです。」
サクラ達は、各地区の戦いの状況を事前に話し合っており、情報共有していたのだ。
「魔神崇拝教団、噂では聞いたことがあったが、遂に我が領内にまで浸透して来ていたとは。国王にも進言して、潜り込まれない様、対策を考えよう。」
キャトレイ辺境伯は、奴らが国に潜り込むことを危険視し、国を挙げての対策を考えていた。
「よろしくお願いします。」
サクラ達は、キャトレイ辺境伯の部屋を後にし、夕方にはサクラの転移でグラナダ王国へ向かうことを決め、みんなでシルビア村を回ることにしたのだ。
「サクラ様、少し宜しいでしょうか?」
サクラ達がキャトレイ辺境伯の屋敷を出るところで、パキラが声を掛けて来た。
「みんな先に行っててくれるか?」
サクラはみんなに一声掛けて、パキラの方へ向かった。
「本当に危ない所を助けて頂き、ありがとうございました。」
パキラは、深く頭を下げた。
「気にしないで下さい。それとグラナダ王国には夕方転移する予定なので、夕方に荷物を纏めておいて下さい。」
サクラは約束通り、王都までパキラを連れて行く為に、転移予定を伝えた。
「分かりました。ありがとうございます。……一つ伺っても宜しいでしょうか?」
パキラは、頬を赤く染めながらサクラを見ていた。
「何ですか?」
「サクラ様は、現在お付き合いされている方はいますか?」
パキラは、意を決してサクラの女性関係を問い質した。
「……付き合ってる人は居ませんね。大切な人は居ますけど。」
サクラは、アイリスとカトレアの顔を思い浮かべたが、交際している訳ではないので、素直に答えた。
「……私はサクラ様が好きです。」
パキラは、長年ヤマトに恋をしており、そのヤマトがサクラだったと知り、更に命を助けられ、その人柄にも触れて、サクラのことが大好きになってしまったのである。
「……ありがとう。気持ちは嬉しいんだけど……。」
サクラは、魔人を討伐して魔神復活を阻止するまでは、恋人を作ろうとは考えていなかった。
「それでも私は、サクラ様のことが好きです。この気持ちは変わりません。」
パキラの一途な想いに、サクラは嬉しさを感じていたが、同時に困ってもいた。
「今は、まだお互いのことをもっと知った方がいいと思うので、私をサクラ様専属の商人にさせて下さい! 必要な物をサクラ様へお届けしてみせます!」
パキラは、サクラの手を取り、上目遣いでサクラを見た。
「わ、分かりました。こちらも商人の伝手があると助かります。」
サクラは、パキラの押しに負けたことと、本当に商人の伝手が有った方が今後の為になると思い、パキラの提案を受け入れたのだ。
「不束者ですが、どうぞ宜しくお願いしますね。」
パキラの満面の笑みに、サクラが見惚れていたことをパキラ自身が気付くことは無かった。
「何か変な気がしますが、そういう事ならパキラさんに俺からプレゼントがあります。……これは信頼の絆と言って、連絡を取り会える道具です。」
俺はパキラの指に、指輪を通した。
「……とても便利な道具ですね。……。」
パキラは指輪を見たまま、無言になってしまった。
「どうかしましたか?」
サクラは、何か不味いことでもしてしまったのかと不安になっていた。
「……いえ。いつか別の場所に指輪を通して貰えるように頑張りますね。」
パキラは、サクラに通された指輪を大切そうに触りながら、笑顔で応えた。
サクラは、何とも言えない表情を浮かべながら、パキラと別れて、みんなとシルビア村を観光し、予定通り夕方には転移魔法でグラナダ王国に移動したのである。
シルビア村では、今回のサクラ達の活躍が、生涯語り継がれることになったのだった。
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