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第4章
ミノア王国〜アカンサスの故郷〜
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グラナダ王国の王城での合同訓練?を終えたサクラ達は、王都観光をした後に次の目的地である、ミノア王国を目指していた。
ミノア王国は、いくつもの島を有する国であり、王都となるのは、アカンサスの故郷であるミロス島である。
ミロス島へは、近くの港町から船で渡ることとなっている。
サクラ達は、陸路を訓練しながら移動し、昨夜港町まで辿り着いていた。
翌日の昼に、サクラ達はミロス島へ渡るための船を探しに港へ来ていた。
「ここからは船に乗るんだよな?」
サクラは、海に浮かんでいる船に目を向けていた。
「そうみたい。どの船に乗ればいいのかな?」
アイリスがサクラに応えたが、船がいくつも浮かんでいるため、どれがミロス島に向かうのか分からなかった。
「ん? あれは?」
アカンサスは、一隻の船の近くにいる屈強な身体に赤髪を一つに束ねた老人男性を見つけた。
「ハアザミ爺ちゃ~ん!」
アカンサスは、大声で老人に向かって声を掛けた。
「ん? おお~アカンサスじゃねぇか! どうしたんだ? 学校辞めたんか?」
なんともフレンドリーな受け答えだ。
「辞めてないから! 学校行事みたいなもんよ。それより、ハアザミ爺ちゃんは、これからミロス島に帰るの?」
「買い出し終わったから、帰るとこだぞ! 乗って行くか?」
「ありがとう! みんな、私の爺ちゃんの船でいいかな?」
アカンサスの爺ちゃんである、ハアザミの好意により、サクラ達は夕陽が西の空を茜色に染める頃、ミノア王国の王都であるミロス島へと上陸を果たしたのである。
船の上でアカンサスは、ハアザミに対し、5日後に王城に向かって、国王様との面会があることや、それまで何処かで宿を取って観光するつもりであることを伝えていた。
「なら、うちに泊まればいいだろ? 部屋もあるし。モリスやスピノサスも喜ぶだろう。」
「そうだね。父さんと母さんに相談してみる。みんなうちに泊まるのでもいいかな?」
アカンサスの家にお泊りすることに、みんなが了承したため、アカンサスの家に向かった。
「帰ったぞーー!」
ハアザミは、豪快に玄関を開け放った。
「オヤジお帰り。」
40歳くらいのガタイのいい身体付きに、赤髪を一つに束ねた男性が出迎えに来た。
「モリス、今日はいいのを仕入れたぞ!」
「おっ!? そんないいもんがあったのか!」
ハアザミは、アカンサスの父であるモリスに、後ろに控えていたアカンサス達の姿が見えるように横にずれた。
「ん? アカンサスじゃないか! どうしたんだ学校辞めたのか?」
流石ハアザミの息子であるモリスである。
ハアザミと同じことをアカンサスに言い放った。
アカンサスは、ハアザミと同様に父親のモリスに事情を説明した。
「あなた~、今アカンサスって聞こえたのだけれど? あら、アカンサスじゃない! どうしたの学校辞めたのかい?」
奥から現れたのは、40歳くらいの紫色のショートヘアをした小柄な女性、アカンサスの母親だった。
アカンサスの母スピノサスも、二人と同じことを言い放ち、またしてもアカンサスは事情を説明する羽目になった。
「みんなは、学校で知り合った友達で、一緒のチームなんだよ。今日から数日泊まってもいいかな?」
アカンサスは、両親にサクラ達を紹介し、サクラ達も簡単に自己紹介した。
「泊まるのは構わないわよ。皆さん、うちの娘がいつもお世話になっております。うちの子がご迷惑をお掛けしていませんか?」
母スピノサスは、アカンサスの家での様子から、サクラ達に迷惑を掛けていないか心配だった。
「心配いりませんよ。とても頼りになります。」
アイリスがスピノサスの応え、それを聞いたアカンサスは、頬を赤く染めていた。
「そうですか。良かった。今から夕飯にするわね。」
スピノサスは、人数分の夕飯を作るために台所へ向かった。
「私も手伝うよ。」
アカンサスは、スピノサスを追って台所へと向かったのである。
「私達も手伝おっか。」
「そうね。」
「切るのは任せるアル。」
「……姉さんは、切るのもダメでしょ。」
アイリス達女性陣は、台所で夕飯作りの手伝いに向かってしまった。
「どうする? 手伝う?」
「俺達じゃ料理の邪魔だろ?」
「オイラも苦手ッス。」
「僕も経験ないからな。」
「クロは食べるの専門です。」
「俺様も食べるの専門だぞ。」
サクラは独身生活が長く、前の世界での自炊経験や、この世界でも自炊していたので料理の腕はかなりの上級者である。
因みに、オロチは台所へ行かずに残っていた。
「坊主達は、布団敷いてくれ。」
ハアザミがサクラ達に布団の場所を案内し、男性陣は布団を敷き詰めたのだが……。
「……ハアザミさん。この敷き方であっているんですか?」
「ん? なんか変か? この国では当たり前だぞ。」
ハアザミは、何にも可笑しなところは無いとサクラに答えたのである。
疑問に感じたのはサクラだけでなく、男性陣は皆、この布団の敷き方に疑問を持っていた。
布団を敷いた部屋は大部屋であり、布団は11組敷かれている。
つまり、男女が一つの部屋で寝る構図となっているのだ。
ハアザミの言葉に、サクラ達は国によって考えは違うのだろうと納得し、料理を食べに戻った。
部屋を最後に出るハアザミの顔は、悪戯をしている者の顔だったことに、サクラ達が気付くことは無かった。
ミノア王国は、いくつもの島を有する国であり、王都となるのは、アカンサスの故郷であるミロス島である。
ミロス島へは、近くの港町から船で渡ることとなっている。
サクラ達は、陸路を訓練しながら移動し、昨夜港町まで辿り着いていた。
翌日の昼に、サクラ達はミロス島へ渡るための船を探しに港へ来ていた。
「ここからは船に乗るんだよな?」
サクラは、海に浮かんでいる船に目を向けていた。
「そうみたい。どの船に乗ればいいのかな?」
アイリスがサクラに応えたが、船がいくつも浮かんでいるため、どれがミロス島に向かうのか分からなかった。
「ん? あれは?」
アカンサスは、一隻の船の近くにいる屈強な身体に赤髪を一つに束ねた老人男性を見つけた。
「ハアザミ爺ちゃ~ん!」
アカンサスは、大声で老人に向かって声を掛けた。
「ん? おお~アカンサスじゃねぇか! どうしたんだ? 学校辞めたんか?」
なんともフレンドリーな受け答えだ。
「辞めてないから! 学校行事みたいなもんよ。それより、ハアザミ爺ちゃんは、これからミロス島に帰るの?」
「買い出し終わったから、帰るとこだぞ! 乗って行くか?」
「ありがとう! みんな、私の爺ちゃんの船でいいかな?」
アカンサスの爺ちゃんである、ハアザミの好意により、サクラ達は夕陽が西の空を茜色に染める頃、ミノア王国の王都であるミロス島へと上陸を果たしたのである。
船の上でアカンサスは、ハアザミに対し、5日後に王城に向かって、国王様との面会があることや、それまで何処かで宿を取って観光するつもりであることを伝えていた。
「なら、うちに泊まればいいだろ? 部屋もあるし。モリスやスピノサスも喜ぶだろう。」
「そうだね。父さんと母さんに相談してみる。みんなうちに泊まるのでもいいかな?」
アカンサスの家にお泊りすることに、みんなが了承したため、アカンサスの家に向かった。
「帰ったぞーー!」
ハアザミは、豪快に玄関を開け放った。
「オヤジお帰り。」
40歳くらいのガタイのいい身体付きに、赤髪を一つに束ねた男性が出迎えに来た。
「モリス、今日はいいのを仕入れたぞ!」
「おっ!? そんないいもんがあったのか!」
ハアザミは、アカンサスの父であるモリスに、後ろに控えていたアカンサス達の姿が見えるように横にずれた。
「ん? アカンサスじゃないか! どうしたんだ学校辞めたのか?」
流石ハアザミの息子であるモリスである。
ハアザミと同じことをアカンサスに言い放った。
アカンサスは、ハアザミと同様に父親のモリスに事情を説明した。
「あなた~、今アカンサスって聞こえたのだけれど? あら、アカンサスじゃない! どうしたの学校辞めたのかい?」
奥から現れたのは、40歳くらいの紫色のショートヘアをした小柄な女性、アカンサスの母親だった。
アカンサスの母スピノサスも、二人と同じことを言い放ち、またしてもアカンサスは事情を説明する羽目になった。
「みんなは、学校で知り合った友達で、一緒のチームなんだよ。今日から数日泊まってもいいかな?」
アカンサスは、両親にサクラ達を紹介し、サクラ達も簡単に自己紹介した。
「泊まるのは構わないわよ。皆さん、うちの娘がいつもお世話になっております。うちの子がご迷惑をお掛けしていませんか?」
母スピノサスは、アカンサスの家での様子から、サクラ達に迷惑を掛けていないか心配だった。
「心配いりませんよ。とても頼りになります。」
アイリスがスピノサスの応え、それを聞いたアカンサスは、頬を赤く染めていた。
「そうですか。良かった。今から夕飯にするわね。」
スピノサスは、人数分の夕飯を作るために台所へ向かった。
「私も手伝うよ。」
アカンサスは、スピノサスを追って台所へと向かったのである。
「私達も手伝おっか。」
「そうね。」
「切るのは任せるアル。」
「……姉さんは、切るのもダメでしょ。」
アイリス達女性陣は、台所で夕飯作りの手伝いに向かってしまった。
「どうする? 手伝う?」
「俺達じゃ料理の邪魔だろ?」
「オイラも苦手ッス。」
「僕も経験ないからな。」
「クロは食べるの専門です。」
「俺様も食べるの専門だぞ。」
サクラは独身生活が長く、前の世界での自炊経験や、この世界でも自炊していたので料理の腕はかなりの上級者である。
因みに、オロチは台所へ行かずに残っていた。
「坊主達は、布団敷いてくれ。」
ハアザミがサクラ達に布団の場所を案内し、男性陣は布団を敷き詰めたのだが……。
「……ハアザミさん。この敷き方であっているんですか?」
「ん? なんか変か? この国では当たり前だぞ。」
ハアザミは、何にも可笑しなところは無いとサクラに答えたのである。
疑問に感じたのはサクラだけでなく、男性陣は皆、この布団の敷き方に疑問を持っていた。
布団を敷いた部屋は大部屋であり、布団は11組敷かれている。
つまり、男女が一つの部屋で寝る構図となっているのだ。
ハアザミの言葉に、サクラ達は国によって考えは違うのだろうと納得し、料理を食べに戻った。
部屋を最後に出るハアザミの顔は、悪戯をしている者の顔だったことに、サクラ達が気付くことは無かった。
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