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第4章

旗取りゲーム〜やられたら、やり返す〜

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 タンジー大将が黒の世界を発動した瞬間、タンジー大将部隊は、暗闇でも視界を確保出来るよう闇魔法を目に発動し、視界が急に奪われて、隙だらけになっているであろうサクラ達へと襲い掛かった。

 タンジー大将を含む部隊員達は、隙が生まれると思っていたのだが、サクラ達は隙を生じさせる事なく、応戦したのである。

「何だと!?  こいつら見えてるのか!」

「見えてりゃこっちのもんだ!」
 サクラは神眼を発動し、攻撃して来た相手をしっかりと眼で捉えてカウンターの一撃を叩き込む。

 アイリスは音属性で相手の音を拾って攻撃を回避し、
 カトレア、ストック、アカンサスの三人は、集まって炎のドームを展開して、敵を近付けさせない。

 ボタンとウメとクローバーは、デイジーを囲むように防御魔法を展開。

 先程、この黒の世界で大打撃を受けたデイジーは、打開策を考えていたのだ。

「さっきと同じ手は喰らわない!  “光の世界ルーチェモンド”!」
 デイジーは、予め魔法発動の準備をしていた為、時間を掛けずに魔法を発動したのである。

「対策済みか!?  だが“麻痺短剣ナルコマヒェリ!」
 タンジー大将は、サクラが黒の世界を解除出来ると油断した一瞬の隙を見て、短剣に麻痺属性を付与して斬り裂いたのである。

「がぁ!?」

「君が一番厄介だろうからね。潰させて貰うよ!」
 タンジー大将はサクラを危険視しており、ここでサクラを倒すつもりで追撃に出た。

 サクラに短剣が直撃するとタンジー大将が確信した瞬間、甲高い音が鳴り響く。

「馬鹿な!?」
 タンジー大将は、サクラに防がれるとは思っても見なかったのだ。

「やりますねタンジー大将。速すぎてくらっちゃいました、よっと!」
 サクラは、タンジー大将の短剣を草薙剣で思いっ切り弾き飛ばして距離を置いた。

「……麻痺が効いていない?」

「状態異常は効かないんでね。」
 タンジー大将はサクラの動きから、麻痺が効いていないことを悟った。

「やっぱり君は厄介だね。」

「褒め言葉として受け取るよ。それとタンジー大将の相手は俺じゃないですよ。」
 サクラの言葉が言い終わると共に、デイジー、ボタン、クローバー、ストックがサクラよりも前に出て来たのである。

「リベンジさせてもらいます。」

「覚悟するアル。」

「旗は返して貰います。」

「俺の力を見せてやる!」
 デイジー、ボタン、クローバー、ストックは、本陣を任されたにも関わらず、タンジー大将に完敗してしまったので、今度こそ勝つと気合十分だった。

「大将は任せたぞ。周りは任せろ。」
 サクラは、デイジー達にタンジー大将を任せて、周りの殲滅に向かった。



「みんな絶対勝つよ!  “戦闘バタイユシャンソン”」
 アイリスの音属性により、サクラ達は士気と戦力を高める。

 サクラ達チームは、敵一人に二人で戦闘を行うことを事前に指示しており、優位に戦闘を進めて行く。

 また、サクラとカトレア、アイリスとリンドウ、ウメとアカンサスの二人一組となって、敵を次々と討ち取って行った。


「いや~これは厳しいね。でも簡単には負けないよ。」
 タンジー大将は短剣を片手に、素早い身のこなしでデイジー達に近付き、接近戦へ持ち込もうとする。

「させません!」
 クローバーがタイタンの縦で短剣を受け止めるのだが。

 タンジー大将の短剣は、クローバーの顔や腹などの上半分を攻撃し、クローバーが縦で顔の前を防ぐと、直ぐに太ももなどを切りつけて、確実にダメージを与えていた。

「いつまで保つかな?  “黒風の連撃メランアネモス”」
 タンジー大将は、短剣に風と闇属性を纏い、短剣と威力と速度を更に加速して行く。

「速い!?  “小さな二枚の盾プチドゥブクリエ”  これならどうだ!」
 クローバーは盾一枚では防ぎきれないと判断し、変化属性と分身属性を発動して、小回りがし易く、死角の減る小さい盾を二つ作り出し、左右の手に盾を持って
 タンジー大将の連撃に対処した。

「大した防御力だ! “双短剣の嵐ツインテュエッラ” 」
 タンジー大将は、更に一本短剣を増やし、左右の手に短剣を持って、更に高速で攻撃を繰り出したのである。

 クローバーは、回避が間に合わなくなり、タンジー大将の双短剣の嵐により、吹き飛ばされてしまう。

「まず一人!  次は君だ!」
 タンジー大将は次の標的として、デイジーに目を付けて駆け出していた。

 デイジーが弓で攻撃を仕掛けるが、タンジー大将は矢を躱したり、短剣で弾いて速度を落とすことなく突撃してくる。

「俺を忘れんなよ!」
 ストックが間に入り、タンジー大将との戦闘に突入し、二人は超接近戦を繰り広げた。

 互いに接近戦を得意としており、中々決定打が入らなかったのだが、ストックが岩山に足を取られてしまい、その隙を逃さずにタンジー大将に攻め込まれ、吹き飛ばされてしまった。

 そして、再びタンジー大将の短剣がデイジーへと向けられたのだった。
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