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メタル系の恩恵
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マルスの神級支援魔法により、ゼウスとヘラですら倒すことの出来なかった、ゴールデンヘラクレスカブトを討伐したマルス達。
マルス達の目の前には、角が俺、腹を切り裂かれたゴールデンヘラクレスカブトが横たわっていた。
「すげぇなマルス。」
「おう。」
クレイが掌をマルスに向け、マルスとクレイはハイタッチを交わす。
「金ピカだぁーー! 絶対高値で売れるわよ!」
ミネルヴァは、目を輝かせながらゴールデンヘラクレスカブトのボディーを眺めていた。
「これだけ強力なモンスターなら、きっといい武器や防具の素材になるわよ。」
「そうですね。売ってしまうのは勿体ないですね。」
「そ、そんなぁーー!」
イリスとフレイヤの言葉に、絶望するミネルヴァ。
「ゴールデンヘラクレスカブトを武器や防具の素材にして、メタル系のは売り払えばいいだろ?」
「だな。メタル系だけでもかなりの額になるだろうからな。」
マルスの言葉に、クレイが同意する。
「ぶぅーー、まぁ仕方ないか。」
ミネルヴァも、マルスの言葉に納得した。
巨大なゴールデンヘラクレスカブトを、マルスは収納箱へと収容する。
「さて、この後はどうするか?」
マルスは、みんなに意見を求めた。
「てか、この先に進む階段も無いし、ここで打ち止めなんじゃないか?」
クレイは、周囲を見回して、下の階層へと続く階段が出現していないと伝える。
「確かに、先に進むことは出来なそうだな。ん?」
マルスも辺りを見回して、階段がないか探してみると、突如、地面の一角に青光りしている魔法陣が出現したのである。
「あれは、地上に帰るための魔法陣ね。」
イリスが魔法陣を見て、そう口にする。
どのダンジョンにも、特定の階層や終着点に出現すると言われている帰還用魔法陣である。
青光りしているのは帰還用魔法陣であり、赤光りしている魔法陣は、帰還用以外の効果を持っている。
「なら、あれで地上に帰るか。」
マルス達は、帰還用魔法陣の中に入り込み、地上へと帰還したのだった。
ラビリンス村に戻ったマルス達は、一晩休息を取り、翌朝、マルスの転移魔法を使って王都に戻った。
ダンジョン挑戦を終えた訳ではなく、一度自分達のレベルがどれだけ上がっているかの確認と、ダンジョンで討伐したモンスター達の買取をお願いする為だ。
「うわっ!? びっくりした。って、マルス君じゃない!?」
マルスは、王都の冒険者ギルドへ直接転移した。
そんなマルス達が現れたのは、美人受付嬢のベルの目の前だった。
「驚かせてすみません。」
「いいのよ。突然現れて驚いたけど。みんなは、遺跡型ダンジョンに行ってたのよね? どうだった?」
「かなりレベルアップしたと思いますよ。今日は、レベルの確認と買取をお願いしたくて、一度戻って来たんです。」
「そうだったのね。買取希望の用紙に必要事項を記載してね。」
「……ベルさん。」
「じょ、冗談よ。」
ベルがマルスへと手渡したのは、いつも通りの婚約届けだった。
スパーン!
「いったぁーーい!?」
ベルは涙目になりながら、両手で頭を抑えた。
「ベルさん。真面目に仕事をして下さい。」
特大ハリセンを持ったリナが登場した。
「ちゃんと仕事はしてるわよ!」
「……ギルマスに言いつけますよ。」
「さぁ、早くレベルの確認をするわよ。」
リナの言葉に、ベルは冷や汗を流しながら、態度を改めるのだった。
【ステータス】
名前:マルス、年齢:16才、職業:白魔道士、レベル:60、HP469、MP414、攻撃力367、防御力302、速力352、魔力328、命中力290、運力417
【ステータス】
名前:イリス、年齢:16才、職業:黒の賢者、レベル:59、HP356、MP373、攻撃力136、防御力148、速力281、魔力349、命中力204、運力207
【ステータス】
名前:クレイ、年齢:16才、職業:パラディン、レベル:58、HP374、MP157、攻撃力303、防御力302、速力118、魔力132、命中力112、運力88
【ステータス】
名前:ミネルヴァ、年齢:16才、職業:拳聖、レベル:58、HP390、MP60、攻撃力368、防御力357、速力361、魔力58、命中力147、運力63
【ステータス】
名前:フレイヤ、年齢:16才、職業:剣聖、レベル:58、HP369、MP145、攻撃力357、防御力357、速力280、魔力58、命中力280、運力218
「ここまで急激にレベルアップしているとはな。」
「やっぱりメタル系を多く倒したからね。」
「最後のゴールデンを倒せたのが大きいな。」
「まさか、私達がこんな高レベルになれるなんて。」
「私達、凄くない?」
マルス達は、各々自分達の大幅なレベルアップに驚いていた。
急激なレベルアップは、身体で実感していたが、数字で見ると、より成長したと実感出来るものである。
ダンジョンに挑戦する前から、全員がレベル30以上上がっているのだ。
「まさか、この短期間でここまでレベルを上げるなんて。」
ベルは、マルス達がダンジョンへ向かう前のレベルとの差に驚愕していた。
「遺跡型ダンジョンは、レベル上げに効率の良い場所だったのでしょうか?」
リナは、マルス達の急激なレベルアップの原因について興味を示した。
「地下18回の罠に嵌まってしまい、地下19階に落ちたんです。そしたら、そこはメタル系しかいない場所でした。その場に居たメタル系を全て倒して、地下20階に進み、ゴールデンヘラクレスカブトを倒したんです。」
マルスは、ダンジョンで起きた出来事を説明した。
「遺跡型ダンジョンにそんな場所が存在しているなんて。一度切りのトラップの可能性もありますが、調査の必要がありそうですね。メタル系は戦力アップの貴重な情報ですから。」
リナの言うように、メタル達と遭遇することは稀である。
初回限定なのか、今後もメタル達の場所に行けるのかは、調査する必要がある。
「俺達は、またダンジョンに戻る予定ですので、もう一度メタル系の場所に行けるのか確認しておきます。」
「ありがとうございます。」
レベルの確認を終えたマルス達は、次に回収しているモンスターの死体買取を依頼する。
「こ、こんなにメタルカブトが!?」
マルスが買取場所で取り出したモンスターの数に、職員は冷や汗を流す。
(クレイの親に流す分があるから、全部じゃないですけどね。)
マルスは、全てのメタルカブトを取り出してはおらず、事前にクレイと話し合って決めた分は、収納箱に残してあるのだ。
「おっ!? マルスじゃないか。」
「あっ! ヘパイストスさん。素材の調達ですか?」
「おう。ん!? お、お前らそれ、メタルカブトじゃないか!?」
買取場に、たまたま素材を見に来ていたヘパイストスは、マルスの前に並びられているメタルカブトを目にして、目を輝かせる。
メタルカブトは、遭遇することが稀なだけでなく、討伐されることも少ないので、素材が滅多に手に入らないのだ。
「お、俺にもメタルカブトを流してくれ! 市場に流されたら手に入らないかも知れない!」
ヘパイストスは、マルスの腰付近に抱きつき、懇願する。
(そ、そんなに欲しいんですね。)
マルスは、ヘパイストスの必死さに若干引いてしまう。
「そのことなのですが、ヘパイストスさんに、新しい武器と防具をお願いしたいんです。頼めますか?」
「な、何だって!? 勿論やらせてもらうよ! 大量のメタルカブトを使えるなんて!」
ヘパイストスは、マルスの言葉に満面の笑みを浮べる。
「あーー、素材にして欲しいのは、また別の物でして。」
「え? メタルカブトじゃないのか?」
「はい。勿論、メタルカブトもお渡ししますが、使って貰いたい素材は、こっちです。」
マルスは、そう言いながら収納箱から、ゴールデンヘラクレスカブトの死体(折れた角も)を取り出した。
「は? こ、これって、伝説のゴールデンヘラクレスカブトじゃ!」
ヘパイストスは、マルスの取り出したゴールデンヘラクレスカブトの死体に触り、驚愕の表情を浮べる。
「よくご存知ですね。これで武器と防具の製作をお願いしたいんです。俺達全員分の。」
「くぅーー! 燃えてきたぜ! 最高の品を作り上げてやるから待っとけよ!」
こうして、ヘパイストスに新武器と防具の発注をしたマルス達は、職員さんからメタルカブトやダンジョンで倒したモンスターの素材の買取額を受け取り、平等に分配した。
「さて、ダンジョンに戻るぞ!」
マルス達は、再びダンジョンへと戻るのだった。
マルス達の目の前には、角が俺、腹を切り裂かれたゴールデンヘラクレスカブトが横たわっていた。
「すげぇなマルス。」
「おう。」
クレイが掌をマルスに向け、マルスとクレイはハイタッチを交わす。
「金ピカだぁーー! 絶対高値で売れるわよ!」
ミネルヴァは、目を輝かせながらゴールデンヘラクレスカブトのボディーを眺めていた。
「これだけ強力なモンスターなら、きっといい武器や防具の素材になるわよ。」
「そうですね。売ってしまうのは勿体ないですね。」
「そ、そんなぁーー!」
イリスとフレイヤの言葉に、絶望するミネルヴァ。
「ゴールデンヘラクレスカブトを武器や防具の素材にして、メタル系のは売り払えばいいだろ?」
「だな。メタル系だけでもかなりの額になるだろうからな。」
マルスの言葉に、クレイが同意する。
「ぶぅーー、まぁ仕方ないか。」
ミネルヴァも、マルスの言葉に納得した。
巨大なゴールデンヘラクレスカブトを、マルスは収納箱へと収容する。
「さて、この後はどうするか?」
マルスは、みんなに意見を求めた。
「てか、この先に進む階段も無いし、ここで打ち止めなんじゃないか?」
クレイは、周囲を見回して、下の階層へと続く階段が出現していないと伝える。
「確かに、先に進むことは出来なそうだな。ん?」
マルスも辺りを見回して、階段がないか探してみると、突如、地面の一角に青光りしている魔法陣が出現したのである。
「あれは、地上に帰るための魔法陣ね。」
イリスが魔法陣を見て、そう口にする。
どのダンジョンにも、特定の階層や終着点に出現すると言われている帰還用魔法陣である。
青光りしているのは帰還用魔法陣であり、赤光りしている魔法陣は、帰還用以外の効果を持っている。
「なら、あれで地上に帰るか。」
マルス達は、帰還用魔法陣の中に入り込み、地上へと帰還したのだった。
ラビリンス村に戻ったマルス達は、一晩休息を取り、翌朝、マルスの転移魔法を使って王都に戻った。
ダンジョン挑戦を終えた訳ではなく、一度自分達のレベルがどれだけ上がっているかの確認と、ダンジョンで討伐したモンスター達の買取をお願いする為だ。
「うわっ!? びっくりした。って、マルス君じゃない!?」
マルスは、王都の冒険者ギルドへ直接転移した。
そんなマルス達が現れたのは、美人受付嬢のベルの目の前だった。
「驚かせてすみません。」
「いいのよ。突然現れて驚いたけど。みんなは、遺跡型ダンジョンに行ってたのよね? どうだった?」
「かなりレベルアップしたと思いますよ。今日は、レベルの確認と買取をお願いしたくて、一度戻って来たんです。」
「そうだったのね。買取希望の用紙に必要事項を記載してね。」
「……ベルさん。」
「じょ、冗談よ。」
ベルがマルスへと手渡したのは、いつも通りの婚約届けだった。
スパーン!
「いったぁーーい!?」
ベルは涙目になりながら、両手で頭を抑えた。
「ベルさん。真面目に仕事をして下さい。」
特大ハリセンを持ったリナが登場した。
「ちゃんと仕事はしてるわよ!」
「……ギルマスに言いつけますよ。」
「さぁ、早くレベルの確認をするわよ。」
リナの言葉に、ベルは冷や汗を流しながら、態度を改めるのだった。
【ステータス】
名前:マルス、年齢:16才、職業:白魔道士、レベル:60、HP469、MP414、攻撃力367、防御力302、速力352、魔力328、命中力290、運力417
【ステータス】
名前:イリス、年齢:16才、職業:黒の賢者、レベル:59、HP356、MP373、攻撃力136、防御力148、速力281、魔力349、命中力204、運力207
【ステータス】
名前:クレイ、年齢:16才、職業:パラディン、レベル:58、HP374、MP157、攻撃力303、防御力302、速力118、魔力132、命中力112、運力88
【ステータス】
名前:ミネルヴァ、年齢:16才、職業:拳聖、レベル:58、HP390、MP60、攻撃力368、防御力357、速力361、魔力58、命中力147、運力63
【ステータス】
名前:フレイヤ、年齢:16才、職業:剣聖、レベル:58、HP369、MP145、攻撃力357、防御力357、速力280、魔力58、命中力280、運力218
「ここまで急激にレベルアップしているとはな。」
「やっぱりメタル系を多く倒したからね。」
「最後のゴールデンを倒せたのが大きいな。」
「まさか、私達がこんな高レベルになれるなんて。」
「私達、凄くない?」
マルス達は、各々自分達の大幅なレベルアップに驚いていた。
急激なレベルアップは、身体で実感していたが、数字で見ると、より成長したと実感出来るものである。
ダンジョンに挑戦する前から、全員がレベル30以上上がっているのだ。
「まさか、この短期間でここまでレベルを上げるなんて。」
ベルは、マルス達がダンジョンへ向かう前のレベルとの差に驚愕していた。
「遺跡型ダンジョンは、レベル上げに効率の良い場所だったのでしょうか?」
リナは、マルス達の急激なレベルアップの原因について興味を示した。
「地下18回の罠に嵌まってしまい、地下19階に落ちたんです。そしたら、そこはメタル系しかいない場所でした。その場に居たメタル系を全て倒して、地下20階に進み、ゴールデンヘラクレスカブトを倒したんです。」
マルスは、ダンジョンで起きた出来事を説明した。
「遺跡型ダンジョンにそんな場所が存在しているなんて。一度切りのトラップの可能性もありますが、調査の必要がありそうですね。メタル系は戦力アップの貴重な情報ですから。」
リナの言うように、メタル達と遭遇することは稀である。
初回限定なのか、今後もメタル達の場所に行けるのかは、調査する必要がある。
「俺達は、またダンジョンに戻る予定ですので、もう一度メタル系の場所に行けるのか確認しておきます。」
「ありがとうございます。」
レベルの確認を終えたマルス達は、次に回収しているモンスターの死体買取を依頼する。
「こ、こんなにメタルカブトが!?」
マルスが買取場所で取り出したモンスターの数に、職員は冷や汗を流す。
(クレイの親に流す分があるから、全部じゃないですけどね。)
マルスは、全てのメタルカブトを取り出してはおらず、事前にクレイと話し合って決めた分は、収納箱に残してあるのだ。
「おっ!? マルスじゃないか。」
「あっ! ヘパイストスさん。素材の調達ですか?」
「おう。ん!? お、お前らそれ、メタルカブトじゃないか!?」
買取場に、たまたま素材を見に来ていたヘパイストスは、マルスの前に並びられているメタルカブトを目にして、目を輝かせる。
メタルカブトは、遭遇することが稀なだけでなく、討伐されることも少ないので、素材が滅多に手に入らないのだ。
「お、俺にもメタルカブトを流してくれ! 市場に流されたら手に入らないかも知れない!」
ヘパイストスは、マルスの腰付近に抱きつき、懇願する。
(そ、そんなに欲しいんですね。)
マルスは、ヘパイストスの必死さに若干引いてしまう。
「そのことなのですが、ヘパイストスさんに、新しい武器と防具をお願いしたいんです。頼めますか?」
「な、何だって!? 勿論やらせてもらうよ! 大量のメタルカブトを使えるなんて!」
ヘパイストスは、マルスの言葉に満面の笑みを浮べる。
「あーー、素材にして欲しいのは、また別の物でして。」
「え? メタルカブトじゃないのか?」
「はい。勿論、メタルカブトもお渡ししますが、使って貰いたい素材は、こっちです。」
マルスは、そう言いながら収納箱から、ゴールデンヘラクレスカブトの死体(折れた角も)を取り出した。
「は? こ、これって、伝説のゴールデンヘラクレスカブトじゃ!」
ヘパイストスは、マルスの取り出したゴールデンヘラクレスカブトの死体に触り、驚愕の表情を浮べる。
「よくご存知ですね。これで武器と防具の製作をお願いしたいんです。俺達全員分の。」
「くぅーー! 燃えてきたぜ! 最高の品を作り上げてやるから待っとけよ!」
こうして、ヘパイストスに新武器と防具の発注をしたマルス達は、職員さんからメタルカブトやダンジョンで倒したモンスターの素材の買取額を受け取り、平等に分配した。
「さて、ダンジョンに戻るぞ!」
マルス達は、再びダンジョンへと戻るのだった。
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