万能のアイテム屋さん あらゆる魔物・状況に対するチート級武器防具アイテムが揃う店

和美 一

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第17話:ジャイアント・キラー

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 コーラル王国の王都の近くの一角。
 そこに巨大な魔物が住み着いた。

 これに住民たちは大層迷惑しており、なんとか討伐できないかと冒険者ギルドに依頼がきた。しかし、大型の魔物は厄介な存在である。
 依頼を引き受けることにした冒険者ルドガーも一応、依頼は受けたもののどう倒すべきか、悩んでいた。
 そんな中、噂のアイテム屋の話を聞いた。その店なら大型の魔物も倒す武器があるかもしれない。

 そう期待し、ルドガーは店に行く。
 店はコーラル王国王都を少し外れた所、森に踏み入った所にあった。ルドガーが店の中に入ると店主が出て来る。

「いらっしゃい」

 赤髪を肩まで垂らした店主であった。早速、ルドガーは要件を告げる。

「巨大な魔物を退治する武器はないか? それが必要なんだ」

 ルドガーの言葉に店主は頷き、店の奥に入っていく。
 そして、出て来た時には大型の弓を持っていた。

 弓、か。ルドガーは弓が扱えない訳ではない。問題はその弓が大型の魔物に効果があるかどうかではあるが。

「弓か」
「ああ。ただの弓じゃない。魔術的な強化が施された弓だ。大型の相手には効くだろう。ジャイアント・キラーと言った所だな」
「ジャイアント・キラーか」

 それならば大型の魔物相手も倒せるかもしれない。
 そう思い、ルドガーは弓を手に取る。確かにタダの弓ではないことは分かった。

 これなら大型の魔物相手も戦えると直感的に思う。

「ようし、こいつにしよう。店主、代金はいくらだ?」
「金貨3枚と銀貨20枚だな」
「分かった」

 安くはないが、払えない金額でもない。
 ルドガーは代金を払い、ジャイアント・キラーを受け取る。

 この弓があれば大型の魔物とて倒せる。そう思い、店を後にする。

「毎度あり」

 その背中に店主の声がかけられた。

 ルドガーは早速、大型の魔物退治に乗り出した。
 大型の魔物が出没した地域に行き、大型の魔物を探す。

 程なく、その魔物は見つかった。巨大な四足獣だ。
 ベヒーモスかと思ったルドガーだが、よくよく見れば異なる。一般の魔物が何らかの理由で巨大化していると見ていいだろう。

「では、早速、この弓を試させてもらうか」

 ルドガーは弓に矢を携え、弦を引き絞る。
 キリキリ、と引かれる中で魔術的な力が矢を包むのを感じる。

 そうして、放たれた一矢は大型の魔物に命中。大型の魔物がうめき声を上げる。
 一撃では倒せなかったか。しかし、ダメージは与えた。

 次いでルドガーは次の矢を弓に構える。再び弓を引き、矢を放つ。
 これも命中。ダメージを与えた。大型の魔物はこちらに突進してくるが、それを機敏に回避し、再度、矢を放つ。

 これもまた命中。大型の魔物にダメージを与える。
 最後の一射と決めた弓の一撃を放つ。これは大型の魔物の脳天に命中し、その命を奪った。

 大型の魔物が地面に倒れ伏す。

「ふむ。この弓は凄いものだな」

 相手も並の魔物ではなかったというのにそれに着実にダメージを与え、ついには倒してしまった。
 ジャイアント・キラー。名前は伊達ではないことを知る。そこに一人の冒険者が現れた。

「おう。大型の魔物はもう倒してしまったか」

 それはルドガーと同じく赤髪の店主の店から武器を購入した、大地の大槌を持つグラトンであった。
 彼も大型の魔物相手ならこの武器で対抗できると思いこちらに馳せ参じたのだ。

「残念だが、大型の魔物は俺が退治した」
「そうか。見事なものだな」
「いや、この弓の……例のアイテム屋のおかげだ」

 ルドガーは謙遜して言う。するとグラトンは破顔して笑った。

「ほう。お主も例のアイテム屋で武器を買った身か」
「そういうからにはあんたも?」
「ああ。あの店はいい店だな。強力な武器を多く取り扱ってくれている」

 グラトンが持つ大地の大槌も赤髪の店主から買ったものだ。
 その威力は実感済みである。倒れた大型の魔物の死骸を前にして、「ふむ」とグラトンは言う。

「こいつをバラして有効な部位は剥ぎ取ることにしよう」
「そうだな。これだけのサイズの魔物だ。鱗や肉は充分、売りにだせるだろう」
「オレがそれを手伝うから、その売上金の一部をくれないか?」

 提案するグラトン。ルドガーも一人でこの大型の魔物を解体するのは手間だと思っていたのでその話を飲むことにした。

「ああ、よろしく頼む」
「よし」

 二人して大型の魔物をバラして各パーツに分けていく。
 鱗や骨は武器防具を作るのに使えるだろうし、肉は食料になる。

 二人がかりで大型の魔物を解体し、それが終わった頃には日も傾いていた。

「よし、こんなもんでいいだろう」
「それでは、王都に帰るとするか」

 二人は分散して魔物のパーツを持ち、帰路を歩く。

 それにしてもジャイアント・キラーか。いい弓だ。ルドガーはそう思うのであった。
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