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第70話:バーニング・モーニングスター その2
しおりを挟むラッシュをリーダーとするパーティーはデーモン数匹の討伐に乗り出した。
これも魔王の復活の影響であろう。強力な魔物が次々に出現するようになっている。
この魔物の活性化・大量発生には冒険者ギルドに所属している冒険者たちは元よりコーラル王国の騎士団も出張って対処せねばならない事態と言えた。
ラッシュたちはデーモンが現れたという場所に行く。
デーモン討伐は一度、こなしたこともある依頼だが、あの時はデーモンが一匹だけだった。
それが数匹だ。苦戦が予想されたが、ラッシュたちパーティーメンバーは不可能ではないの思いを抱いていた。実際に現地に赴くとデーモンたちが確かにいた。
「斬り込み隊長はオレが!」
メンバーのゴルドーが前に出る。
赤髪の店主の店で買ったバーニング・モーニングスターを振り回し、鉄球に炎を纏わせるとそれをデーモンにぶつける。
流石に一撃では倒せなかったが、ダメージは与えたようだ。
デーモンは怒り狂い魔法を唱えてくる。
それをパーティーメンバーは散開して回避する。
バーニング・モーニングスターの火炎の鉄球を再度デーモンにぶつける。これでデーモンの一匹は倒れた。
「よし、行くぞ!」
リーダーのラッシュがデーモンクラッシャーを手に前に出る。
これもあの赤髪の店主の店で買ったものだ。魔性の敵に強い効果を発揮する斧である。
デーモンクラッシャーでデーモンの一匹に斬りかかり、直撃を浴びせ、デーモンを倒す。
他のデーモンたちが魔法を唱え、前に出ていたラッシュとゴルドーは魔法を受けるが、
「私が治します!」
アリーシャが赤髪の店主の店で買った癒しの杖でその負傷を治す。
他のパーティーメンバーも遠距離から魔法攻撃を放ちデーモンに対して攻撃を仕掛ける。
前衛はラッシュとゴルドーが張り、デーモンクラッシャーとバーニング・モーニングスターを振るい、デーモンたちに確かなダメージを与えて、倒していく。
デーモン相手とて勝てない相手ではない。その確信をメンバーは強く抱き、デーモンと戦う。
前衛のラッシュとゴルドーはそれぞれの武器でデーモンを倒す。
後衛も援護の魔法や回復の魔法を飛ばし、前衛の二人を援護する。
そうして、激戦の末にデーモンたちは全て倒し終えることができた。
ラッシュもゴルドーも息をつく。
「ふう。なんとか勝つことができたな」
リーダーのラッシュの言葉に一同は頷く。
強敵だったが、なんとか勝つことができた。
魔王が復活したのならこれからこのレベルの依頼も増えることだろう。
それを思えば今回、快勝できたのは今後の自信に繋がることであった。
「オレたちパーティーなら敵じゃないぜ、リーダー」
ゴルドーが強気に言い放つ。確かに。今回の快勝はそう思わせてくれるものがあった。
ゴルドーの言葉に頷きつつ、ラッシュはリーダーの立場から釘を刺すのも忘れない。
「油断大敵だぞ、ゴルドー。今回は勝てたが、次はどうなるかは分からない。気を引き締めていけ」
「ああ、分かっている」
それはゴルドーだけではなくパーティーメンバー全員に向けた言葉だった。
自信を持つことは大事だが、過信は良くない。
魔王の復活で今後、激しさを増すであろう依頼のことを考えると気は常に張っておかねばならなかった。
「とりあえず王都に戻ろう。報酬金を貰わないとな」
そのリーダーの言葉に異論を唱える者はおらず、ラッシュたちパーティーは王都の冒険者ギルドに戻ると報酬金を手に入れた。
デーモン数匹の討伐という難しい依頼だけあって、報酬も大きい。
メンバーは鼻高々だ。そう思っていると冒険者ギルドで一番のパーティーと評判のケイ率いるパーティーと遭遇した。
「ラッシュ殿のパーティーか」
「これはケイ殿」
お互いパーティーを率いる身。苦労も喜びも等しく感じている身であった。
「ほう。デーモン数匹の討伐をこなしたのか。これは俺たちも負けてられないな」
「いえ、なんとか勝てただけです。魔王が復活した今、俺たちが頑張らなくては」
「全くだな」
ケイのパーティーも依頼を受けるのだろう。
ギルド一のパーティーが受ける依頼だ。難しい依頼なのだろう。
そう思いつつ、自分たちの依頼は完遂したラッシュたちは少しの休憩をとるか、と思うのであった。
無論、魔王が復活した以上、そこまで長く休んでもいられないが。今回の大仕事の後では少しの休息は必要だった。
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