ボクと俺のスクールライフ

チロル

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ボクと俺の初お家/かずの日常3

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『熱が出たので今日は学校休みます。申し訳ございません』

明日は久しぶりに一緒に登校か~。なんて考えてたのに……
行事続きで疲れが溜まっていたのか38.2度の熱が出るというね。

「ほ、ほんとについてない……」

かずからの『どんまい』って言う同情のメッセージが届いていたのだがあまりの辛さにメールを見ることさえできず……
熱自体は昼過ぎには37.6度まで落ちていたのだが何か食べようと思ったのだが簡単に食べれそうなものがない。仕方なく買い出しに出かけようと思い着替え始めたとき__

ピンポーン

「はい?」
「あ、橘くん?ボクだけどちょっといいかな?」
「は、はい。どうぞ」
「お邪魔します」

なんと彼女が今俺の家に…まさかこんな日が来るとは……
「食欲はある?
「あ、はい。食欲はあります」
「台所借りてもいいかな?」
「構いませんが…」
「今から作るから向こうで寝て待っててね。
「あ、ありがとうございます。」

て、手作り料理!?うちの彼女さんスペック高すぎませんかね!?

「できたよ。あーんしてあげようか?」
「!?そ、そ、そんな」
「嫌……?」
「喜んで!」
「はい。あーん」
「美味しいです」
「……」
「大丈夫ですか?顔真っ赤ですよ。まさか…俺の熱がうつった!?」
「て、照れてるだけだから……言わせないでよ……」

はい可愛い。なんというかほんと可愛いですねうちの彼女さん。美人で性格も良くて料理ができる女(ヒト)ここにいましたよ。

「美味しかったです。ごちそうさまでした」
「じゃあ洗い物してくるね」

完食。親以外の手料理なんて初めてだが今までで一番美味しいお粥でした。残念ながらあーんはあれ以降してもらえなかったが。

「じゃあボクは帰るね。体気をつけてね」
「あ、ありがとうございます。道中お気をつけて!」
「ふふっ。じゃあね」

俺はこんなに幸せでいいのだろうか?熱を出せば可愛くて優しくて勉強ができて運動もできてさらに料理もできる彼女さんが看病に来てくれる……前世の俺はよっぽど徳を積んだのだろう。よくやった!前世の俺。

風邪ひいて 天使(彼女)の凄さを 再確認
               橘 照史

先生はただの熱や言うてたけどあいつの両親仕事行くのめっちゃ早いのに帰ってくるのはそんなに早くないからなぁ。しゃーないから親友の俺が看病しに行ったろ。
「おーい。三島くん」
「ん?あぁ山名さんか。なんやー?」
「千紗見なかったかい?部活休みらしいから一緒に帰ろうと思ったけど。橘くんともう帰っちゃったかな?」
「いや今日かず休みやねんな。なんか用事とちゃう?」
「そうか。なら三島くん途中まで一緒に帰らない?ゲームで聞きたいことあるし」
「俺はかまへんけど山名さんはいいんか?変に噂とか立てられたら困るんちゃう?」
「別に噂とかは気にしないからね。そんなこと言ってくる雑魚キャラは無視すればいいのよ」
「雑魚キャラて……まぁそうやな。友達と帰るだけやから問題ないか」

「ここなんだけど……」
「そこはこれでこうすれば…」
「どうしたの?」
「ごめんやけど今日あきの看病行くからこっちやわ。すまんなぁ」
「大丈夫大丈夫。気にせず行ってあげてよ。あ、でも行けそうだったら夜手伝ってよ」
「了解や。ほなまた夜」

(あ!もしかして千紗が早く帰ったのって……まぁ私が気にしてもどうしようもないわね)
「さぁ帰ってゲームゲーム」

「よし。これでいいや。今行くからなぁあき」

「……」

ん?女の人!?インターホンお、さへんのかい!なんや何でそんなにためらっとるんや。今更やけどあの人桜井さんに似てるなぁてか本人さんやな。あぁ、また押せへん。もどかしいな。

ガチャ

ってあきが先に出てくんのかい!いやしかしあの桜井さんがおどおどしとるのおもろいな。
………となると俺はお邪魔やな。
なんか素直に喜べへん自分がおるんやが……
しゃーない。今度ラーメンでも奢らせるか。


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