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悍ましい一夜
もう戻れない ※
父の口から語られたのは、俄には信じ難い学園の秘密だった。
学園の中で、明確に区別された「一般生」と「特待生」。
特待生は、奨学金や生活費の支給を見返りに、一般生の性欲を処理する仕事を与えられる。金と肉体の売買契約と言ってもいい。どう考えても、世間一般の倫理観からは大きく逸脱していた。
そんな狂った世界だが、同時によくできているシステムだとも思った。
まず、特待生に選ぶ生徒の選定。ただ組み敷きたくなるような美しい男というだけでなく、その背景的にどこかに訴えるような社会的地位もなく、金銭的に困窮している者を選んでいるのが狡猾だった。
ただ体を売って生活する以上に、高度な教育を受けられ、卒業後の学費まで保証してくれる。この時代、どれほど優秀でも金がなければ進学できない者がどれほどいるか。
給付型の奨学金も存在するが、特待生への卒業後に与えられる金額はそれよりも遥かに多かった。
口止めの意味合いも強いのだろう。
賢ければ賢いほど、天秤にかけてしまい、そんな自分に苦悩する。結果として、学園にいることを選ぶことになる。
「学園には、伴侶の習わしがある。学園内での夫婦制度のようなものだ。とはいえ、性欲処理の任から解かれるわけではない。それでも、異様な世界で一人だけ心を許せる人間だ」
そんなのは、まやかしだ。
伴侶?夫婦?馬鹿らしい。
学園で三年間、男としての尊厳を奪われて雌としての快楽に調教された身体は、卒業後に突然解放されて、何事もなかったように生きられるわけじゃない。
持て余した雌の身体を満たすにも、世の中にはリスクが多い。それなら、在学中に優しくしてくれて、擬似的な恋愛関係に陥った相手と添い遂げる方がいい。
優秀な人材であると同時に、美しくて性欲も満たしてくれる存在は、一般生から社会的勝者となった男にとっても、ひどく魅力的だ。
美しく優秀な特待生の、その後の人生まで手に入れたとあっては、支配欲も酷く満たされる。
父と秘書の男の情交を目撃してしまった夜から、どうしようもない渇望に襲われた。こんなことは初めてだった。
そんな自分に混乱した。
混沌とした想いを抱えながら、一般生として咲秀学園に入学した。
新入生として名簿順に並んだ隣の席に座るのは、制服の襟元に桜の刺繍が入った青年だったーーー特待生だ。
父から聞いていた。特待生の制服は特注だと。だからすぐにわかった。
何も知らないフリをして話しかける。知りたいと思った。彼等がどんな人間か、何を思ってこの学園にいるのか。
「よろしく、裕樹」
瀬川が手を出せば、特待生ーーー三ツ橋理玖は、嬉しそうにはにかんで握手を返した。
瞬間、瀬川の心は三ツ橋理玖に掴まれていた。こんなことは、今まで一度としてなかった。こんな、心を大きく揺さぶられるようなことは。
彼は、三ツ橋理玖は、確かに整った顔立ちをしている。細身で色白だが、体格は女のそれとは全然違うものだ。
瀬川の初恋の男のように、完成された色気をもっているわけでもない。きっと何も知らず、この学園に来たのだろう。
新しい環境で、緊張と不安に顔が引き攣っている。だが同時に期待もある。そんなところか。
こうして、瀬川裕樹と三ツ橋理玖は、友人になった。
「理玖」
この場にはそぐわない、酷く優しい声で瀬川は友人の名前を呼んだ。
閉じられていた瞼がゆっくりと開かれて、虚空を見た瞳が、声の主である瀬川の方へと向いた。
その瞳に浮かぶ色はーーー絶望と、失望。短い間だったが友人と思っていた相手に、裏切られたのだ。そして、これからその身を暴かれようとしている。
「……裕樹」
前戯で啼かされたせいか、その声はやや掠れていた。余計に色気を感じさせて、ゾクゾクとした興奮が湧き上がってくるのがわかった。
最初に会った時、理玖には彼のような色気はないと思っていた。それは誤解だった。
暴かれることで、理玖の中に秘められた被虐性と艶やかさが花開いた。学園のスカウトマンというのは、そういった人材をどこから見つけてくるのか。素直に感心する。
だらりと四肢を弛緩させて、絶頂直後の気怠さを身に纏わせる理玖は、あの夜に見た情事の彼をも超えるものがあった。
ほっそりとしかし綺麗に引き締まっている白い足を閉じて、大事なところを必死になって隠そうとしているのが可愛らしい。
栗栖が彼の後ろから両足を掴んで、開かせた。必死に抵抗を試みるが、理玖よりも体格が良く力も強い栗栖に、呆気なく白い足が割り開かれた。
「や、やだ……っ」
「ほーらご開帳、ってな。いい加減諦めろ」
「いや、ゆうき、やめてっ」
「ごめんな、理玖」
足を大きく開かされて、理玖の秘部がさらけ出された。先程達したばかりのせいか、色素沈着のない綺麗なそこは、ローションで濡れてひくついている。
性交こそは経験がないが、道具や指で慣らされていて、本人の拒絶に反して準備は整っていた。
理玖の中退を阻止した成果により、初めての権利を得た瀬川は、外観こそは穏やかな友人の顔をしながら、内心では抑えられないほどの興奮にいた。
初めて男を受け入れる理玖を、最も近いところから見ていられる。どんな顔をして貫かれるのだろう。どんな様子で喘ぐのだろう。栗栖に指でイかされた理玖は、淫らで美しかった。
「ヒッ」
瀬川の完勃ちになったペニスの先を、柔らかくされた後孔に宛がった。ぴとりとゴム越しに宛てられた熱いモノの感触に、理玖が引き攣った声を上げて身を捩った。
「そーら、貫通式本番だ。しっかり見てろよ。記録も撮ってある」
「やだっ、撮らないで!」
「大丈夫、この学園外には流出できないようにプロテクトかかってるから」
そういう問題じゃない。
顔を隠そうとした腕をタオルで縛られて、顎を掴まれて瀬川と目を合わさせられた。瀬川の背後から、端末のレンズがこちらを向いていて、理玖の全てを写していた。
「いやだッ、いやッ、ああッ」
悪夢なら、今すぐ覚めて欲しい。
膜を張った眼から、涙がこぼれ落ちてきて、頬を伝った。それすらとスパイスとなって、男たちを喜ばせるだけだった。
理玖の腰を掴んだ瀬川が、グッと突き出し、ついに切っ先が理玖の未開の孔にめり込んだ。
「――――っ!!」
室内に、声にならない悲鳴が響いた。
学園の中で、明確に区別された「一般生」と「特待生」。
特待生は、奨学金や生活費の支給を見返りに、一般生の性欲を処理する仕事を与えられる。金と肉体の売買契約と言ってもいい。どう考えても、世間一般の倫理観からは大きく逸脱していた。
そんな狂った世界だが、同時によくできているシステムだとも思った。
まず、特待生に選ぶ生徒の選定。ただ組み敷きたくなるような美しい男というだけでなく、その背景的にどこかに訴えるような社会的地位もなく、金銭的に困窮している者を選んでいるのが狡猾だった。
ただ体を売って生活する以上に、高度な教育を受けられ、卒業後の学費まで保証してくれる。この時代、どれほど優秀でも金がなければ進学できない者がどれほどいるか。
給付型の奨学金も存在するが、特待生への卒業後に与えられる金額はそれよりも遥かに多かった。
口止めの意味合いも強いのだろう。
賢ければ賢いほど、天秤にかけてしまい、そんな自分に苦悩する。結果として、学園にいることを選ぶことになる。
「学園には、伴侶の習わしがある。学園内での夫婦制度のようなものだ。とはいえ、性欲処理の任から解かれるわけではない。それでも、異様な世界で一人だけ心を許せる人間だ」
そんなのは、まやかしだ。
伴侶?夫婦?馬鹿らしい。
学園で三年間、男としての尊厳を奪われて雌としての快楽に調教された身体は、卒業後に突然解放されて、何事もなかったように生きられるわけじゃない。
持て余した雌の身体を満たすにも、世の中にはリスクが多い。それなら、在学中に優しくしてくれて、擬似的な恋愛関係に陥った相手と添い遂げる方がいい。
優秀な人材であると同時に、美しくて性欲も満たしてくれる存在は、一般生から社会的勝者となった男にとっても、ひどく魅力的だ。
美しく優秀な特待生の、その後の人生まで手に入れたとあっては、支配欲も酷く満たされる。
父と秘書の男の情交を目撃してしまった夜から、どうしようもない渇望に襲われた。こんなことは初めてだった。
そんな自分に混乱した。
混沌とした想いを抱えながら、一般生として咲秀学園に入学した。
新入生として名簿順に並んだ隣の席に座るのは、制服の襟元に桜の刺繍が入った青年だったーーー特待生だ。
父から聞いていた。特待生の制服は特注だと。だからすぐにわかった。
何も知らないフリをして話しかける。知りたいと思った。彼等がどんな人間か、何を思ってこの学園にいるのか。
「よろしく、裕樹」
瀬川が手を出せば、特待生ーーー三ツ橋理玖は、嬉しそうにはにかんで握手を返した。
瞬間、瀬川の心は三ツ橋理玖に掴まれていた。こんなことは、今まで一度としてなかった。こんな、心を大きく揺さぶられるようなことは。
彼は、三ツ橋理玖は、確かに整った顔立ちをしている。細身で色白だが、体格は女のそれとは全然違うものだ。
瀬川の初恋の男のように、完成された色気をもっているわけでもない。きっと何も知らず、この学園に来たのだろう。
新しい環境で、緊張と不安に顔が引き攣っている。だが同時に期待もある。そんなところか。
こうして、瀬川裕樹と三ツ橋理玖は、友人になった。
「理玖」
この場にはそぐわない、酷く優しい声で瀬川は友人の名前を呼んだ。
閉じられていた瞼がゆっくりと開かれて、虚空を見た瞳が、声の主である瀬川の方へと向いた。
その瞳に浮かぶ色はーーー絶望と、失望。短い間だったが友人と思っていた相手に、裏切られたのだ。そして、これからその身を暴かれようとしている。
「……裕樹」
前戯で啼かされたせいか、その声はやや掠れていた。余計に色気を感じさせて、ゾクゾクとした興奮が湧き上がってくるのがわかった。
最初に会った時、理玖には彼のような色気はないと思っていた。それは誤解だった。
暴かれることで、理玖の中に秘められた被虐性と艶やかさが花開いた。学園のスカウトマンというのは、そういった人材をどこから見つけてくるのか。素直に感心する。
だらりと四肢を弛緩させて、絶頂直後の気怠さを身に纏わせる理玖は、あの夜に見た情事の彼をも超えるものがあった。
ほっそりとしかし綺麗に引き締まっている白い足を閉じて、大事なところを必死になって隠そうとしているのが可愛らしい。
栗栖が彼の後ろから両足を掴んで、開かせた。必死に抵抗を試みるが、理玖よりも体格が良く力も強い栗栖に、呆気なく白い足が割り開かれた。
「や、やだ……っ」
「ほーらご開帳、ってな。いい加減諦めろ」
「いや、ゆうき、やめてっ」
「ごめんな、理玖」
足を大きく開かされて、理玖の秘部がさらけ出された。先程達したばかりのせいか、色素沈着のない綺麗なそこは、ローションで濡れてひくついている。
性交こそは経験がないが、道具や指で慣らされていて、本人の拒絶に反して準備は整っていた。
理玖の中退を阻止した成果により、初めての権利を得た瀬川は、外観こそは穏やかな友人の顔をしながら、内心では抑えられないほどの興奮にいた。
初めて男を受け入れる理玖を、最も近いところから見ていられる。どんな顔をして貫かれるのだろう。どんな様子で喘ぐのだろう。栗栖に指でイかされた理玖は、淫らで美しかった。
「ヒッ」
瀬川の完勃ちになったペニスの先を、柔らかくされた後孔に宛がった。ぴとりとゴム越しに宛てられた熱いモノの感触に、理玖が引き攣った声を上げて身を捩った。
「そーら、貫通式本番だ。しっかり見てろよ。記録も撮ってある」
「やだっ、撮らないで!」
「大丈夫、この学園外には流出できないようにプロテクトかかってるから」
そういう問題じゃない。
顔を隠そうとした腕をタオルで縛られて、顎を掴まれて瀬川と目を合わさせられた。瀬川の背後から、端末のレンズがこちらを向いていて、理玖の全てを写していた。
「いやだッ、いやッ、ああッ」
悪夢なら、今すぐ覚めて欲しい。
膜を張った眼から、涙がこぼれ落ちてきて、頬を伝った。それすらとスパイスとなって、男たちを喜ばせるだけだった。
理玖の腰を掴んだ瀬川が、グッと突き出し、ついに切っ先が理玖の未開の孔にめり込んだ。
「――――っ!!」
室内に、声にならない悲鳴が響いた。
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