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『見ちまった……』
しおりを挟む「見ちまった……」
「何を見たんだよ」
「うさ耳……」
「は?」
「うさ耳?」
「そういうのは獣人スレか半獣人スレ行けよ」
「いやいやいやいや、ここで呟く意味が解るだろ!」
「……Σ(゜Д゜)ハッ」
「も、もしや」
「薬師マックがとうとう」
「モフケモ戦隊獣人ジャーの仲間入りに!」
「まさか」
「まさかな。アバター変更? してたら俺らにはどれが薬師マックかわからねえ。耳だけ付けたのか?」
「まさかの獣人アバター?」
「違う違う。うさ耳フードだ」
「Σ(゜Д゜)」
「Σ(゜Д゜)」
「Σ(゜Д゜)」
「Σ(゜Д゜)」
「可愛いやつか!どんなんだ!」
「俺が見たのは、トレのギルドに行く途中だったんだけどな。白いうさ耳が付いたローブを羽織って、耳をピコピコさせてた」
「マジか……!」
「なんかな、あんまりにも衝撃で、仲間内誰一人声を出せなかった。ギルドに消えてしばらくの間、目で追っちまった……」
「なんだよ、何でそんな衝撃なんだよ」
「うさ耳ローブって、小さい子専用みたいな感覚あるだろ俺ら。着ろなんて渡されても抵抗感しかねえじゃん。それがさ……なんかやたら似合ってて」
「……あー、なあ」
「なんか、うん……わかる気がするような……」
「もともとそんな身長高いアバターじゃねえだろ、薬師マック。だからじゃねえ?」
「っつうか、身長関係ないかもしれない。チラッと見える顔が、なんかあどけないっていうかなんて言うか」
「成人済みの男だろ」
「見た目、もっとおさな……若々しく見えんだろ。それがうさ耳ローブを着てるだけで余計にかわ……若々しくなってて」
「あー……見てみてえ」
「俺も。ってかそんな薬師マックを見る門番さんを見てみてえ」
「どんな顔するんだろ」
「デレっとするかな」
「サッと隠したりしてな」
「なんていうか、見てみりゃわかる」
「来た来た来た! ノヴェにうさ耳ローブ君来た! 白いやつだろ!あの緑色の模様入ってて、耳がピンと立ってるやつ」
「俺らの目の前歩いてたけど、あの出店料理人のやつ【→食い道楽スレ】の串焼き山ほど買ってた」
「白ウサ薬師マックは食いしん坊キャラか!」
「なんていうか、段々薬師マックのキャラが可愛い系に移行してきた気がする・・・・・・・」
「最初は強くてすげえ薬師、のはずだったのにな」
「うさ耳、食いしん坊、そして、門番さん好き」
「あ……うん」
「中身中坊の場合、婚姻の儀って受けれるのかな?」
「あのな……薬師マック、結構前から活動してるからな。中坊はありえねえよ。これ、歳偽れねえだろ」
「見た目幼いアバター作ったってことは……ショタ好き?」
「だったら門番さん好きにならねえだろ」
「そっか……自分がごついから小さい子になりたかった系?」
「そうかもしれない……」
「もしくは、中身女子」
「もしくは、おっさんとか」
「それはない」
「おっさんはない」
「ないな」
「ないない」
「そだね……くそ、俺もうさマック見てええええ」
「ってかそのうさマックを見たデレ門番さん見てええええ」
「それ見たら、レア魔物出てくるのかな」
「確定だな」
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