悠久思想同盟

二ノ宮明季

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 夢でも見ているのかもしれない。世界は薄いフィルターがかかっているように見えて、私は、事故に遭った交差点に立っていた。
「もも、も、百瀬さんと一緒に帰れるの、う、嬉しい」
 私の隣には岸がいて、嬉しそうに顔をほころばせている。
「私も、岸と一緒に帰れて、ちょっとわくわくしてる」
「ほ、本当? 照れちゃう、けど、でも、う、嬉しいな」
 岸は笑顔で、私も笑顔。
「日高、飛び込めよ!」
「飛ーび込め!」
 男子生徒が三人、私の隣で騒ぐ。いや、騒いだのは二人で、江藤と川島だ。
「俺のせいで、ドライバーに迷惑かけられないじゃん」
 真ん中の男子生徒――日高が、困った顔で言う。
「なんだよ、日高のくせに。面白くねぇな」
「なー」
 江藤と川島はそう言うと、真ん中にいた男子生徒――日高を置いて、いなくなってしまった。随分あっさりした展開で、本来ならありえない筈だが、何故か気にならない。
 ……信号が、青に変わる。私と岸は一緒に歩きだし、その隣で、日高も動いた。
 交差点を渡り終えると、岸は「わ、わたし、こっちなの!」と言い、私の家とは反対方向を指差す。私は、自分の家は反対だとはっきり告げると、彼女は「また、学校で!」と手を振って、駆けて行った。
 私の見る範囲で、だが、フィルターの世界から岸がいなくなって、私と日高だけがそこに残る。
「百瀬、また会おう。俺、百瀬とは友達になりたい」
 そんな中で彼は言う。私の答えは決まっていた。
「私だって、あんたと友達になりたい。勿論、依存関係と殺し合いはパスで」
「よかった、同意見で」
 互いに笑う。
「それじゃあ、またね」
「うん。次に会った時には、友達って事で」
 フィルターは濃くなって、終わりが近い事が理解できた。それでも、なんだか満足だし、暖かい。
次に会う時は――友達。楽しみだ。
 桜が、舞う。白い世界で、薄紅色が浮いて踊る。
 これが、最後の平行世界なのかもしれない。
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