1 / 1
星あつめ
しおりを挟む
星を追いかけていた。まるで遠い夢のように。
ドキドキ、ワクワク! 君の隣で気分は高揚する。
「向こうが穴場だって!」
君が笑う。
「そっか! じゃあ早く行かないと!」
僕も笑う。
僕たちは虫網を片手に、そしてボウルをもう片手にしながら走り出した。
遠い昔、星はたまに空で瞬くもので、はたまた流れるもので、決して触れる事の出来ない物だったらしい。
けれども今は、僕らの主食だ。正確には、パパとママにとっての主食……らしい。
ある日チキュウが大爆発して、星がわらわらと降ってくるようになったとか。……あれ、逆だったかな。
まぁ、とにかくここは、そのチキュウの名残で、沢山の星が散らばる場所。
たまにその辺から、昔の資料が出て来るらしい。空を見て、星を見て、占いをしたのだろう、というのが、現在の大人の見解だ。
その昔、きっとニンゲンは届かないから欲していたのだろう。僕たちの食べる、星を。
「ほら、早く!」
君は虫網を振って、僕を促す。僕は僕で「うん!」と大きく答えて、ついて行く。
穴場だと言う場所は、本当に穴場で、穴場と言うか洞窟で、おおよそ星があるようには思えなかった。
だが、僕はついて行く。ありえない場所にある。それがまた、楽しい気持ちに変わっていくのを、僕は知っているから。
洞窟の中は真っ暗だったが、僕たちはあらかじめヒカリゴケを毟ってきている。
ほのかに発光する苔の明かりだけを頼りに、ドキドキワクワクと先に進んだ。
入り組んだ道を抜けた先には――
「わぁ!」
光り輝く池があった。
中には、夥しい量の星。星が水の中で、キラキラと輝いているのだ。
本来であれば、星は光っていない。
「これ、本当に星?」
「星にしか見えないだろ? だって、そういう形をしてる」
「そうなんだけど、ピカピカだからさぁ!」
僕が驚いている内に、君はさっさと虫網を水の中に沈めて、星を掬おうとしていた。これじゃあ、虫網じゃなくて、タモだ。
けれど、そんなのは何だっていい。
僕も欲しくて仕方が無くなって、虫網を水の中に沈め、星を掬う。
キラキラと光る星は、僕の手の中でもまだ光っていた。とっても綺麗だ。
嬉しくなって、救った星をボウルに入れて、もう一つ、もう一つと星を掬う。
「楽しいね!」
僕が笑う。
「うん! 嬉しいしね!」
君も笑う。
僕たちは幸せだ。こんなにご飯を手に入れられた。
こんなに美しいご飯……うーん、食べるのがもったいない。
「パパもママも、喜ぶかな?」
「絶対喜ぶよ!」
僕たち、子供は、皆パパとママの為にも星を探す。全てはパパとママに喜んでもらう為に。
「0225、0226、帰還。未確認の鉱物を採取」
「早速検査に入る」
白衣の人間は、シェルターの中で口にした。
硝子越しの部屋には、ロボットが二体。このロボットが、地球の中を探し回り、隕石がぶつかり、世界が崩壊した理由を探している。
もう、百年も前の話らしい。
巨大な隕石が地球に落ちて、それを皮切りにいくつもの隕石が落ちてきて、世界は崩壊した。
生き残った僅かな人間は、どうにか「シェルター」と呼ばれる居住区を作り、自分達が住める環境の場所を増やそうとしていたらしい。生きている人間は少ないが、代わりに百年の月日をかけて、高性能になったロボットが、今は世界を探索している。
今生きている人間に、当時の隕石の騒動を目にした者はいない。
けれども彼らは貪欲に、土地を広げ、生きていこうとしていた。
ロボット達に、荒廃した土地で元気に遊んでもらいながら……。
水に沈んでいた石は、星ではないのかもしれない。けれどもロボット達は、はしゃいで人間に、全てを渡した。
ドキドキ、ワクワク! 君の隣で気分は高揚する。
「向こうが穴場だって!」
君が笑う。
「そっか! じゃあ早く行かないと!」
僕も笑う。
僕たちは虫網を片手に、そしてボウルをもう片手にしながら走り出した。
遠い昔、星はたまに空で瞬くもので、はたまた流れるもので、決して触れる事の出来ない物だったらしい。
けれども今は、僕らの主食だ。正確には、パパとママにとっての主食……らしい。
ある日チキュウが大爆発して、星がわらわらと降ってくるようになったとか。……あれ、逆だったかな。
まぁ、とにかくここは、そのチキュウの名残で、沢山の星が散らばる場所。
たまにその辺から、昔の資料が出て来るらしい。空を見て、星を見て、占いをしたのだろう、というのが、現在の大人の見解だ。
その昔、きっとニンゲンは届かないから欲していたのだろう。僕たちの食べる、星を。
「ほら、早く!」
君は虫網を振って、僕を促す。僕は僕で「うん!」と大きく答えて、ついて行く。
穴場だと言う場所は、本当に穴場で、穴場と言うか洞窟で、おおよそ星があるようには思えなかった。
だが、僕はついて行く。ありえない場所にある。それがまた、楽しい気持ちに変わっていくのを、僕は知っているから。
洞窟の中は真っ暗だったが、僕たちはあらかじめヒカリゴケを毟ってきている。
ほのかに発光する苔の明かりだけを頼りに、ドキドキワクワクと先に進んだ。
入り組んだ道を抜けた先には――
「わぁ!」
光り輝く池があった。
中には、夥しい量の星。星が水の中で、キラキラと輝いているのだ。
本来であれば、星は光っていない。
「これ、本当に星?」
「星にしか見えないだろ? だって、そういう形をしてる」
「そうなんだけど、ピカピカだからさぁ!」
僕が驚いている内に、君はさっさと虫網を水の中に沈めて、星を掬おうとしていた。これじゃあ、虫網じゃなくて、タモだ。
けれど、そんなのは何だっていい。
僕も欲しくて仕方が無くなって、虫網を水の中に沈め、星を掬う。
キラキラと光る星は、僕の手の中でもまだ光っていた。とっても綺麗だ。
嬉しくなって、救った星をボウルに入れて、もう一つ、もう一つと星を掬う。
「楽しいね!」
僕が笑う。
「うん! 嬉しいしね!」
君も笑う。
僕たちは幸せだ。こんなにご飯を手に入れられた。
こんなに美しいご飯……うーん、食べるのがもったいない。
「パパもママも、喜ぶかな?」
「絶対喜ぶよ!」
僕たち、子供は、皆パパとママの為にも星を探す。全てはパパとママに喜んでもらう為に。
「0225、0226、帰還。未確認の鉱物を採取」
「早速検査に入る」
白衣の人間は、シェルターの中で口にした。
硝子越しの部屋には、ロボットが二体。このロボットが、地球の中を探し回り、隕石がぶつかり、世界が崩壊した理由を探している。
もう、百年も前の話らしい。
巨大な隕石が地球に落ちて、それを皮切りにいくつもの隕石が落ちてきて、世界は崩壊した。
生き残った僅かな人間は、どうにか「シェルター」と呼ばれる居住区を作り、自分達が住める環境の場所を増やそうとしていたらしい。生きている人間は少ないが、代わりに百年の月日をかけて、高性能になったロボットが、今は世界を探索している。
今生きている人間に、当時の隕石の騒動を目にした者はいない。
けれども彼らは貪欲に、土地を広げ、生きていこうとしていた。
ロボット達に、荒廃した土地で元気に遊んでもらいながら……。
水に沈んでいた石は、星ではないのかもしれない。けれどもロボット達は、はしゃいで人間に、全てを渡した。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
卒業パーティーのその後は
あんど もあ
ファンタジー
乙女ゲームの世界で、ヒロインのサンディに転生してくる人たちをいじめて幸せなエンディングへと導いてきた悪役令嬢のアルテミス。 だが、今回転生してきたサンディには匙を投げた。わがままで身勝手で享楽的、そんな人に私にいじめられる資格は無い。
そんなアルテミスだが、卒業パーティで断罪シーンがやってきて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる