17 / 110
誓約
年が明け、レオネは王都サルヴィへ入った。
父ランベルトと共に臨んだ国王への伯爵位継承の報告は実にあっさりしたものだった。
正装し王の前に出て報告するだけ。通された謁見の間も普通の応接間のように見えた。
ファンファーレが鳴り響き紙吹雪が舞う……とまでは思ってなかったが、もう少し豪華な儀式なのかと期待していた。むしろホテルの方が豪華で、家族水入らずで最後の夜を楽しんだ。
翌日、父と母、そして兄に見送られホテルの車でバラルディ家へと向かった。付き添いとしてオネストが同行した。
「付き添いが私だけなんて、あんまりな扱いではございませんか」
オネストは車の中でくどくどと愚痴った。
「ジーナ様が嫁いでこられた時はそれはそれは大人数でいらっしゃって……」
「オネスト。これはそういう結婚とは違うのだよ」
「ですが、貴族を一人迎えると言うのはそう気軽なものではございません」
「でも母さまの支度金より遙かに高いよ」
「金額の問題ではございません!」
オネストは昔から口うるさい執事だった。子供の頃から兄弟でよく長時間にわたり説教された。このくどくどした話も今日までだと思うとなんだか聞いているのが苦ではなくなってくる。
オネストの愚痴を聞いているうちに車は大きな鉄製の門をくぐった。大富豪バラルディ家本邸に入ったのだ。
門から母屋の玄関まで延々と続く長いレンガの道が続き、その左右には庭が広がっていた。冬季である現在は木々がひっそりと春を待っているようだが、春から夏にかけて美しく花が咲き乱れる様子が想像できレオネの期待は高まる。
やがて車窓から巨大な石造りの建物が見えた。レオネの生家と比べるとかなり新しいが、建物自体の大きさは同じくらいか、それより少し小さいかもしれない。だが王都の地価を考えるとこの規模は実に恐ろしい。
玄関前の広いロータリーで車は停まり、オネストに促され車を降りる。停車した車のすぐそばにはジルベルタとバラルディ家の執事らしき人物が立っていた。
「レオネ様、お待ちしておりましたわ」
ジルベルタは満面の笑顔で手を広げレオネを迎えた。
「ジルベルタ様。お久しぶりでございます」
レオネがジルベルタに挨拶をすると、執事らしき老紳士が一歩前に歩み出た。
「レオネ様。ようこそおいでくださいました。私、この家で執事をしておりますドナートと申します」
執事のドナートは優しげな笑顔で優雅にお辞儀をした。グレイヘアが七三に整えられ、スレンダーな体型に背筋がピンと伸びた品のある執事だ。
「よろしくお願いします」
(うちのオネストより優しそうだな)
そう思い、オネストを振り返りレオネはギョッとした。オネストが目から大粒の涙を流していたからだ。
「オネスト! お前が泣いてるのを初めて見たぞ」
レオネは笑いながらオネストに寄り、そっと抱きしめた。オネストは今年で齢六十。見上げるほど大きく感じていたオネストはとても小さかった。
「申し訳……ございませ……」
声を詰まらせるオネストにレオネもつられそうになる。
「オネスト、私はちょくちょくロトロに戻ることになるんだぞ。ロッカ領の事もあるし。そんなに泣くな」
「そうでございますね……」
オネストの背中をポンポンと叩き、レオネは離れた。
「オネスト、付き添いありがとう」
そう言ってジルベルタとドナートと共に屋敷へ入る。オネストは頭を下げそれを見送ってくれた。屋敷へ入り玄関扉が閉められるとドナートがひっそりと微笑んだ。
「執事と良い関係を作っていらっしゃいますね。私も見習いませんと」
レオネは照れながらも家族を褒められ嬉しくなった。
「ささ、レオネ様、こちらへいらして」
ジルベルタに促され玄関ホール横の談話室に入り、指示されるがままソファに腰を下ろす。テーブルに一枚の紙と羽ペンが置かれていた。
結婚誓約書だった。
一息つく暇もなく差し出されたそれにレオネは内心驚いた。
「では、こちらにご署名をお願いいたしますわ」
ジルベルタがニコニコ笑顔を向けてくる。今更断る気もないしそのつもりで来たのだから当然サインするのだが、ジルベルタの勢いに少々戸惑う。
誓約書には既にジェラルドの署名がされていた。初めて見るジェラルドの筆跡。とても達筆で意外と繊細な筆運びだった。
緊張しつつ羽ペンをとる。
(こんな紙切れ一枚でジェラルドの妻になるのか……)
そう思いつつレオネは妻の欄にペンを走らせた。
――レオネ・ロレンツ・ブランディーニ
ブランディーニと書くのはこれが最後なのだろうか。うっすらとした寂しさを感じた。この事務的な処理自体が寂しいからかもしれない。
「はい、ありがとうございます」
ペンを置くと同時にジルベルタが書類を取り上げた。
「では、私はこれを提出して参りますわ。レオネさん、今後ともどうぞよろしくね」
ジルベルタは上機嫌で靴をカツカツと鳴らし、屋敷から出て行った。レオネは呆気にとられながらそれをただ見送るしかなかった。
「忙しなくて申し訳ございません。ジルベルタ様は一直線な方でございまして……」
ドナートが苦笑いでフォローしてくる。
「あ、いえ……大丈夫ですよ」
レオネも戸惑いがあるが、貴族がのんびりしすぎているのだろう。もっと自分もシャキシャキと動かなくてはと、レオネは胸の奥でひっそりと決意した。
「さて、お部屋にご案内する前に、当家に使える者達を紹介させていただきますね。どうぞこちらに」
そう言うドナートについて再び玄関ホールに戻るとそこには四人の使用人が立っていた。
「こちらから、メイド長のマルタ」
「レオネ様、何でもお申し付けください」
マルタと呼ばれた女性は五十代くらいのふくよかなメイドだった。気さくそうなご婦人だ。
「次がメイドのソニア」
「よ、よろしくお願いいたします!」
ソニアは年若い娘でレオネを見て顔を真っ赤に染め大きな声で挨拶をした。
「次が庭師のニコラ」
ニコラは黙って頭を下げた。白髪頭の寡黙な老人だった。
「次が庭師見習いのジャン」
「じ、ジャンです……」
ジャンは二十代位の小男だった。短く刈り上げられた髪で、もじもじと目をそらしながらお辞儀をした。
「そして、私ドナートを含めて以上五名がこの屋敷に常勤している者です。どうぞよろしくお願いいたします」
五人が揃いレオネにお辞儀をした。
レオネも自己紹介する。
「レオネ・ロレンツ・ブランディーニです」
と言って気づいた。
「あ、たった今誓約書にサインしたので、もうバラルディですね」
レオネが照れ笑いをすると皆微笑んでくれた。
「これからお世話になります。バラルディ家や商家での決まりなど、失敗しそうになっていたら教えていただけると嬉しいです。よろしく」
レオネが挨拶すると五人がパラパラと拍手してくれた。心が少し温かくなった気がした。
使用人への紹介の後、ドナートが軽く屋敷の中を説明しながらレオネを部屋に案内してくれた。
「使用人が少なくて驚かれましたよね」
廊下を歩きながらドナートが言う。レオネは曖昧に笑った。
「運転手が必要な時は商会から来ます。晩餐会などを開く時だけコックや給仕の者も呼びますが、普段の食事は主にマルタが作ります。彼女はなかなか料理上手ですよ」
コックや運転手も常勤では無いのは驚きだ。ブランディーニ家では常時十五名くらいが働いていたように思う。
「これまではジェラルド様一人しかおられませんでしたし、そのジェラルド様ですら出張で家に居ないことが多いので、この建物の維持管理が私達の主な仕事になっておりました。ジェラルド様も出張で慣れていらっしゃるのでご自分のことはご自分でやってしまわれて……。前の奥様やロランド様がいらっしゃった時はこの倍はいたのですが『私一人に無駄だ』と切ってしまわれまして」
なんだかジェラルドらしいとレオネは思った。
「私も自分のことは自分でやれるようにしなくては」
レオネがそう言うとドナートは首を横に振った。
「いえいえ! ぜひ私達にレオネ様のお世話をさせてください。レオネ様にお越しいただき、この屋敷にも活気が出そうで皆張り切っております」
ドナートは本当に嬉しそうに言ってくれた。
やがてある部屋の前に来て、ドナートが扉を開けた。
「こちらゲストルームなのですが、しばらくこちらをお使いください。ジェラルド様が戻られましたら、どこをレオネ様のお部屋にするか相談いたしますので」
通されたゲストルームは南向きで陽当たりの良い部屋だった。書斎兼応接間になっている部屋の奥にベッドルームがあり、さらにその奥には部屋付きのバスルームまである。古い建物に住んでいたレオネは部屋にバスルームがあることに驚いた。
「素敵なお部屋ですね」
「気に入って頂けて良かったです。レオネ様のお部屋が決まりましたら、壁紙やカーテンなどレオネ様用に調えますので、レオネ様の好みのお部屋にいたしましょうね」
ドナートがまるで子供に言うように、ニコニコと優しく話してくれる。
「そんな、私はあるもので十分ですよ」
ジェラルドは倹約家だ。無駄な浪費をしてカネのかかるヤツだと思われたくはない。そもそも『レオネ様用に』と言うことは、ドナートはやはりジェラルドと寝室は別だと考えているのだろう。
(ジェラルド、『寝室は一緒に』って言ってくれるかな)
レオネははしたないと思いつつも期待に胸を膨らませていた。
父ランベルトと共に臨んだ国王への伯爵位継承の報告は実にあっさりしたものだった。
正装し王の前に出て報告するだけ。通された謁見の間も普通の応接間のように見えた。
ファンファーレが鳴り響き紙吹雪が舞う……とまでは思ってなかったが、もう少し豪華な儀式なのかと期待していた。むしろホテルの方が豪華で、家族水入らずで最後の夜を楽しんだ。
翌日、父と母、そして兄に見送られホテルの車でバラルディ家へと向かった。付き添いとしてオネストが同行した。
「付き添いが私だけなんて、あんまりな扱いではございませんか」
オネストは車の中でくどくどと愚痴った。
「ジーナ様が嫁いでこられた時はそれはそれは大人数でいらっしゃって……」
「オネスト。これはそういう結婚とは違うのだよ」
「ですが、貴族を一人迎えると言うのはそう気軽なものではございません」
「でも母さまの支度金より遙かに高いよ」
「金額の問題ではございません!」
オネストは昔から口うるさい執事だった。子供の頃から兄弟でよく長時間にわたり説教された。このくどくどした話も今日までだと思うとなんだか聞いているのが苦ではなくなってくる。
オネストの愚痴を聞いているうちに車は大きな鉄製の門をくぐった。大富豪バラルディ家本邸に入ったのだ。
門から母屋の玄関まで延々と続く長いレンガの道が続き、その左右には庭が広がっていた。冬季である現在は木々がひっそりと春を待っているようだが、春から夏にかけて美しく花が咲き乱れる様子が想像できレオネの期待は高まる。
やがて車窓から巨大な石造りの建物が見えた。レオネの生家と比べるとかなり新しいが、建物自体の大きさは同じくらいか、それより少し小さいかもしれない。だが王都の地価を考えるとこの規模は実に恐ろしい。
玄関前の広いロータリーで車は停まり、オネストに促され車を降りる。停車した車のすぐそばにはジルベルタとバラルディ家の執事らしき人物が立っていた。
「レオネ様、お待ちしておりましたわ」
ジルベルタは満面の笑顔で手を広げレオネを迎えた。
「ジルベルタ様。お久しぶりでございます」
レオネがジルベルタに挨拶をすると、執事らしき老紳士が一歩前に歩み出た。
「レオネ様。ようこそおいでくださいました。私、この家で執事をしておりますドナートと申します」
執事のドナートは優しげな笑顔で優雅にお辞儀をした。グレイヘアが七三に整えられ、スレンダーな体型に背筋がピンと伸びた品のある執事だ。
「よろしくお願いします」
(うちのオネストより優しそうだな)
そう思い、オネストを振り返りレオネはギョッとした。オネストが目から大粒の涙を流していたからだ。
「オネスト! お前が泣いてるのを初めて見たぞ」
レオネは笑いながらオネストに寄り、そっと抱きしめた。オネストは今年で齢六十。見上げるほど大きく感じていたオネストはとても小さかった。
「申し訳……ございませ……」
声を詰まらせるオネストにレオネもつられそうになる。
「オネスト、私はちょくちょくロトロに戻ることになるんだぞ。ロッカ領の事もあるし。そんなに泣くな」
「そうでございますね……」
オネストの背中をポンポンと叩き、レオネは離れた。
「オネスト、付き添いありがとう」
そう言ってジルベルタとドナートと共に屋敷へ入る。オネストは頭を下げそれを見送ってくれた。屋敷へ入り玄関扉が閉められるとドナートがひっそりと微笑んだ。
「執事と良い関係を作っていらっしゃいますね。私も見習いませんと」
レオネは照れながらも家族を褒められ嬉しくなった。
「ささ、レオネ様、こちらへいらして」
ジルベルタに促され玄関ホール横の談話室に入り、指示されるがままソファに腰を下ろす。テーブルに一枚の紙と羽ペンが置かれていた。
結婚誓約書だった。
一息つく暇もなく差し出されたそれにレオネは内心驚いた。
「では、こちらにご署名をお願いいたしますわ」
ジルベルタがニコニコ笑顔を向けてくる。今更断る気もないしそのつもりで来たのだから当然サインするのだが、ジルベルタの勢いに少々戸惑う。
誓約書には既にジェラルドの署名がされていた。初めて見るジェラルドの筆跡。とても達筆で意外と繊細な筆運びだった。
緊張しつつ羽ペンをとる。
(こんな紙切れ一枚でジェラルドの妻になるのか……)
そう思いつつレオネは妻の欄にペンを走らせた。
――レオネ・ロレンツ・ブランディーニ
ブランディーニと書くのはこれが最後なのだろうか。うっすらとした寂しさを感じた。この事務的な処理自体が寂しいからかもしれない。
「はい、ありがとうございます」
ペンを置くと同時にジルベルタが書類を取り上げた。
「では、私はこれを提出して参りますわ。レオネさん、今後ともどうぞよろしくね」
ジルベルタは上機嫌で靴をカツカツと鳴らし、屋敷から出て行った。レオネは呆気にとられながらそれをただ見送るしかなかった。
「忙しなくて申し訳ございません。ジルベルタ様は一直線な方でございまして……」
ドナートが苦笑いでフォローしてくる。
「あ、いえ……大丈夫ですよ」
レオネも戸惑いがあるが、貴族がのんびりしすぎているのだろう。もっと自分もシャキシャキと動かなくてはと、レオネは胸の奥でひっそりと決意した。
「さて、お部屋にご案内する前に、当家に使える者達を紹介させていただきますね。どうぞこちらに」
そう言うドナートについて再び玄関ホールに戻るとそこには四人の使用人が立っていた。
「こちらから、メイド長のマルタ」
「レオネ様、何でもお申し付けください」
マルタと呼ばれた女性は五十代くらいのふくよかなメイドだった。気さくそうなご婦人だ。
「次がメイドのソニア」
「よ、よろしくお願いいたします!」
ソニアは年若い娘でレオネを見て顔を真っ赤に染め大きな声で挨拶をした。
「次が庭師のニコラ」
ニコラは黙って頭を下げた。白髪頭の寡黙な老人だった。
「次が庭師見習いのジャン」
「じ、ジャンです……」
ジャンは二十代位の小男だった。短く刈り上げられた髪で、もじもじと目をそらしながらお辞儀をした。
「そして、私ドナートを含めて以上五名がこの屋敷に常勤している者です。どうぞよろしくお願いいたします」
五人が揃いレオネにお辞儀をした。
レオネも自己紹介する。
「レオネ・ロレンツ・ブランディーニです」
と言って気づいた。
「あ、たった今誓約書にサインしたので、もうバラルディですね」
レオネが照れ笑いをすると皆微笑んでくれた。
「これからお世話になります。バラルディ家や商家での決まりなど、失敗しそうになっていたら教えていただけると嬉しいです。よろしく」
レオネが挨拶すると五人がパラパラと拍手してくれた。心が少し温かくなった気がした。
使用人への紹介の後、ドナートが軽く屋敷の中を説明しながらレオネを部屋に案内してくれた。
「使用人が少なくて驚かれましたよね」
廊下を歩きながらドナートが言う。レオネは曖昧に笑った。
「運転手が必要な時は商会から来ます。晩餐会などを開く時だけコックや給仕の者も呼びますが、普段の食事は主にマルタが作ります。彼女はなかなか料理上手ですよ」
コックや運転手も常勤では無いのは驚きだ。ブランディーニ家では常時十五名くらいが働いていたように思う。
「これまではジェラルド様一人しかおられませんでしたし、そのジェラルド様ですら出張で家に居ないことが多いので、この建物の維持管理が私達の主な仕事になっておりました。ジェラルド様も出張で慣れていらっしゃるのでご自分のことはご自分でやってしまわれて……。前の奥様やロランド様がいらっしゃった時はこの倍はいたのですが『私一人に無駄だ』と切ってしまわれまして」
なんだかジェラルドらしいとレオネは思った。
「私も自分のことは自分でやれるようにしなくては」
レオネがそう言うとドナートは首を横に振った。
「いえいえ! ぜひ私達にレオネ様のお世話をさせてください。レオネ様にお越しいただき、この屋敷にも活気が出そうで皆張り切っております」
ドナートは本当に嬉しそうに言ってくれた。
やがてある部屋の前に来て、ドナートが扉を開けた。
「こちらゲストルームなのですが、しばらくこちらをお使いください。ジェラルド様が戻られましたら、どこをレオネ様のお部屋にするか相談いたしますので」
通されたゲストルームは南向きで陽当たりの良い部屋だった。書斎兼応接間になっている部屋の奥にベッドルームがあり、さらにその奥には部屋付きのバスルームまである。古い建物に住んでいたレオネは部屋にバスルームがあることに驚いた。
「素敵なお部屋ですね」
「気に入って頂けて良かったです。レオネ様のお部屋が決まりましたら、壁紙やカーテンなどレオネ様用に調えますので、レオネ様の好みのお部屋にいたしましょうね」
ドナートがまるで子供に言うように、ニコニコと優しく話してくれる。
「そんな、私はあるもので十分ですよ」
ジェラルドは倹約家だ。無駄な浪費をしてカネのかかるヤツだと思われたくはない。そもそも『レオネ様用に』と言うことは、ドナートはやはりジェラルドと寝室は別だと考えているのだろう。
(ジェラルド、『寝室は一緒に』って言ってくれるかな)
レオネははしたないと思いつつも期待に胸を膨らませていた。
あなたにおすすめの小説
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
愛され方を教えて
あちゃーた
BL
主人公リハルトは自分を愛さなかった元婚約と家族のために無惨に死んだ…はずだった。
次に目が覚めた時、リハルトは過去に戻っていた。
そこは過去のはずなのにどこかおかしくて…
別れたはずの元彼に口説かれています
水無月にいち
BL
高三の佐倉天は一歳下の松橋和馬に一目惚れをして告白をする。お世話をするという条件の元、付き合えることになった。
なにかと世話を焼いていたが、和馬と距離が縮まらないことに焦っている。
キスを強請った以降和馬とギクシャクしてしまい、別れを告げる。
だが別れたのに和馬は何度も会いに来てーー?
「やっぱりアレがだめだった?」
アレってなに?
別れてから始まる二人の物語。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
【完結】選ばれない僕の生きる道
谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。
選ばれない僕が幸せを選ぶ話。
※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです
※設定は独自のものです
※Rシーンを追加した加筆修正版をムーンライトノベルズに掲載しています。
僕たちの世界は、こんなにも眩しかったんだね
舞々
BL
「お前以外にも番がいるんだ」
Ωである花村蒼汰(はなむらそうた)は、よりにもよって二十歳の誕生日に恋人からそう告げられる。一人になることに強い不安を感じたものの、「αのたった一人の番」になりたいと願う蒼汰は、恋人との別れを決意した。
恋人を失った悲しみから、蒼汰はカーテンを閉め切り、自分の殻へと引き籠ってしまう。そんな彼の前に、ある日突然イケメンのαが押しかけてきた。彼の名前は神木怜音(かみきれお)。
蒼汰と怜音は幼い頃に「お互いが二十歳の誕生日を迎えたら番になろう」と約束をしていたのだった。
そんな怜音に溺愛され、少しずつ失恋から立ち直っていく蒼汰。いつからか、優しくて頼りになる怜音に惹かれていくが、引きこもり生活からはなかなか抜け出せないでいて…。