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マルフィに起きた大異変
53話 マルフィへのトンネルに到着
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野田周視点
アリシャは順調に山道を進んでいる。
山道なのだがベージュ色のアスファルトみたいな素材で路面が舗装されていて歩きやすい。
少し小高い丘まで来たので、眼下にはコロルの景色が見渡せる。
高い場所だから分かるのだが、高所から観た際に、都市全体がグラデーションになるよう様々な建物の色彩が調整されていた。
そのお陰で、都市全体が美しい抽象画のようである。
俺がそう思っていると、少し遅れてアリシャも景色を観て、その美しさにため息ついている。
アリシャから俺は見えないが、リアクションが似通っているには理由がある。
俺とアリシャの波長が合うため、一心同体に近い状態だからだ。
.......過去に通信を送ったマルファーニとかと全く違う。
波長が合うと、こうも違うものなのか?
もはや通信じゃなくてリンクだろ。
まず大きく違うのは、視界を共有できることだ。
俺の脳裏にはアリシャと同じ視界が共有され、まるでアリシャ視点のVRゴーグルでもつけているかのようだ。
あと、マルファーニの時とかみたいに、行動を影響する際にイメージを用いる必要が無い。
例えば、
俺が左の道に意識を向けると、少し遅れてアリシャが左に向かう。
俺があそこの看板を読もうと思うと、少し遅れてアリシャが読む。
このように、俺の意識は自動的にアリシャに影響するということだ。
道に関しては隣を歩くアガパンサに聴いている。
俺が道を理解すれば、アリシャも遅れて理解するため、アリシャに指示を出す必要が全く無いのは快適そのものである。
ちなみに、アガパンサによると、オスティウムの麓にあるというマルフィへのトンネルはもうすぐらしい。
そういえば、マルフィについたとして、ムスカリ君のいた世界はどう探せばいいのだろう?
自分で考えてみても全く見当がつかない。
《ムスカリ君のいた世界は3万年前の古代である可能性が高いよな。マルフィについたとして、どうやって3万年前の古代の世界へ向えばいいんだろう?転移も使えないらしいし》
《大丈夫です。マルフィは真相界ですのでムスカリ君に元居た世界や村を想像しながら歩いてもらえば、必ず辿り着くと思います》
え?真相界ってそういうものなの?
と驚いた瞬間、俺の内側から真相界に関する知識が湧いてきた。
イドによる知識だろうか。
真相界は精神が主である真実の世界だ。
だから、場所と思いが紐づけられていて、場所に対する思いさえあればそこに向かおうとする限り、必ず辿り着くようになっている。
むしろ、地理など物的距離の方が仮であり、思いと場所との繋がりのほうが真実ということだ。
反対に、仮相界においては思いがあってもたどり着けない事も良くある。
これは思いと場所との繋がりよりも、地理など物的距離の方が真になるよう世界が構築されているからである。
ちなみに、仮相界においても思いと場所との繋がりはあり、仮相界の中であっても思いがあれば目的の場所へとたどり着けることがある、という。
《そうか。ありがとう!それを聴いて安心した。せっかく、アリシャに代わりを頼んだのに、たどり着けないんじゃ申し訳ないからな》
そんな事を話している間に、大きなトンネルが見えてきた。
前方に一面広がる崖に大穴がぽっかり空いていて、長い時間を積み重ねて作られた大自然のトンネルだと言われても納得してしまう様相である。
こんな中に入るのか?まじで?
アリシャも戸惑っているらしく、その戸惑いは俺にも伝わってくる。
《私もマルフィへのトンネルは初めて見ましたが、まさか、このような物とは思いませんでした.....》
俺の考えを察したアガパンサが同様の感想を口にした。
《この中に入るのは少し怖いね......》
ムスカリ君と手を繋いだ母さんが呟く。
このトンネルを観ると分かるが、明らかに、入る事を想定されていない。
歓迎の雰囲気など微塵も存在しない。
大体、案内板の一つも無いし。
マルフィに行く人ってそんなに少ないのか?
一旦、アリシャの前に姿を現して話し合うか。
俺たちは全員、アリシャの前に姿を現した。
「あ、周さん。しっかり導いてくれてありがとう。
心の内側から声が聴こえてきて、安心して先に進めたよ」
アリシャは安心から顔を綻ばせながら言う。
無邪気な性質もあり、見ている人間を和ませる可愛い笑顔だ。
「ああ、どうやらたどり着けたみたいだな。
それにしても.....このトンネルを抜けるとマルフィに着くみたいだが.....どうする?」
「どうするって?もちろん、行きますよ。こういう冒険するのが夢だったから嬉しいの。それに.....ふふふ、頼りになる天使様もついてるし」
なんかすごい頼りにされてるな。まあ、そりゃそうだ。マルフィなど知らないのだから、アリシャからすれば俺は完全に命綱的存在だよな。
あれ?そういえば、俺、マルフィに入れないんじゃなかったっけ?
俺よりよほど頼りになるアガパンサに聴こう。
が、不安をアリシャに覚られてはいかん。
サササっとアガパンサの手を引き、アリシャに背を向け二人でコソコソ話に行く。
「俺ってマルフィに行けないんだよな。どうやってアリシャと通信すればいいんだろうか?」
「うふふふ、大丈夫ですよ。その場合はですね、目を瞑りアリシャさんを思い浮かべれば、すぐに先ほどと同じようにリンクできると思います」
なんだ、それほど心配する必要は無かったのか。
ただ........
「あのトンネル、何か魔物とか出そうなんだが大丈夫かな?」
「マルフィもグランディも魔物はいないはずなので、大丈夫だと思います。あの外観を観れば、確かに心配になるのも分かりますが.....。万が一の事があれば、リンクを通じて周さんの力を使う事が可能です。その力で暗いトンネルを照らすことも可能でしょう。
野生動物ぐらいは出るかもしれませんが、このあたりの真相界の野生動物はどの子達も優しいので大丈夫だと思います」
「そうか。まあ万が一、何かあっても俺の力でアリシャを守れるなら問題ないか」
俺はアリシャの元に帰り、言った。
「マルフィに入れば俺は姿を現すことができなくなるけど、アリシャを通して俺の力を発揮することができる。だから、万が一、何かあっても大丈夫だよ」
「え?私を通して周さんの力を発揮できるんですか!?そ...それは、ちょっと楽しみ。ぐふふふ」
何やらぐふぐふ笑ってる。少しずつ性格が分かってきて面白いな。
まあ、俺同様、あまり深刻にならない性格みたいだし、波長の合う相手がアリシャで良かったと思う。
「では、早速、行きましょー!!ムスカリ君、よろしくね」
足を屈めてムスカリ君の両手を握る。
「よろしくお願いします」
と、恥ずかしそうに言う。
ただ、その顔は嬉しそうだ。
ムスカリ君の目を見ると分かるが、アリシャは子供に好かれる。
無邪気な性格も相まって、子供と意識の壁を作らないのが良いのだろうか。
しかし.........
俺はトンネルに目を向ける。
マルフィに行く事を少しも歓迎していないかのような、このトンネル。
マルフィには何か穏やかでない秘密があるのではないか?
そもそも、真相界のいたる所にマルフィにあった物が現れるという事件が起こっているらしいし、何かがあるに違いない。
俺だけ行けるならそれが一番いいのだけど......まあ、こういう流れになるのも何か意味があるのかな。
俺はそう思いながら、二人の後に続いてトンネルに入ろうとした。
......が、なぜか、強い力で押し戻される!!?
んぐぐぐぐ......
海に潜っても凄まじい浮力が働いて潜れない感じに似ている!
前のアリシャとムスカリ君が、おかしなものを観る顔でこちらを見ている。
何かの力に急激に押し戻され俺はトンネルの外側へと弾き飛ばされ、後方の大岩にドカーン!!という音をあげて激突した。
アリシャの「周さん!大丈夫!?」という声が聴こえる。
ぐわーっ!!入れない。
どうやらこのトンネルからすでにマルフィらしい。
母さんとアガパンサは大岩に激突し、逆さまになっている俺を観て心配しつつ、私は入らなくて良かった.....というような顔を見せている。
「どうやら、俺はその先まではいけないらしい。そこから先は二人旅だ!だが、俺が今後もアリシャを通じてサポートするから安心してくれ!!」
逆さまの状態のまま叫ぶ。
アリシャは、苦笑いをして
「行ってきまーす!」と手を振り、ムスカリ君とトンネルの奥へと入っていった。
二人の姿がトンネルの闇の中へ消えていった。
アリシャは順調に山道を進んでいる。
山道なのだがベージュ色のアスファルトみたいな素材で路面が舗装されていて歩きやすい。
少し小高い丘まで来たので、眼下にはコロルの景色が見渡せる。
高い場所だから分かるのだが、高所から観た際に、都市全体がグラデーションになるよう様々な建物の色彩が調整されていた。
そのお陰で、都市全体が美しい抽象画のようである。
俺がそう思っていると、少し遅れてアリシャも景色を観て、その美しさにため息ついている。
アリシャから俺は見えないが、リアクションが似通っているには理由がある。
俺とアリシャの波長が合うため、一心同体に近い状態だからだ。
.......過去に通信を送ったマルファーニとかと全く違う。
波長が合うと、こうも違うものなのか?
もはや通信じゃなくてリンクだろ。
まず大きく違うのは、視界を共有できることだ。
俺の脳裏にはアリシャと同じ視界が共有され、まるでアリシャ視点のVRゴーグルでもつけているかのようだ。
あと、マルファーニの時とかみたいに、行動を影響する際にイメージを用いる必要が無い。
例えば、
俺が左の道に意識を向けると、少し遅れてアリシャが左に向かう。
俺があそこの看板を読もうと思うと、少し遅れてアリシャが読む。
このように、俺の意識は自動的にアリシャに影響するということだ。
道に関しては隣を歩くアガパンサに聴いている。
俺が道を理解すれば、アリシャも遅れて理解するため、アリシャに指示を出す必要が全く無いのは快適そのものである。
ちなみに、アガパンサによると、オスティウムの麓にあるというマルフィへのトンネルはもうすぐらしい。
そういえば、マルフィについたとして、ムスカリ君のいた世界はどう探せばいいのだろう?
自分で考えてみても全く見当がつかない。
《ムスカリ君のいた世界は3万年前の古代である可能性が高いよな。マルフィについたとして、どうやって3万年前の古代の世界へ向えばいいんだろう?転移も使えないらしいし》
《大丈夫です。マルフィは真相界ですのでムスカリ君に元居た世界や村を想像しながら歩いてもらえば、必ず辿り着くと思います》
え?真相界ってそういうものなの?
と驚いた瞬間、俺の内側から真相界に関する知識が湧いてきた。
イドによる知識だろうか。
真相界は精神が主である真実の世界だ。
だから、場所と思いが紐づけられていて、場所に対する思いさえあればそこに向かおうとする限り、必ず辿り着くようになっている。
むしろ、地理など物的距離の方が仮であり、思いと場所との繋がりのほうが真実ということだ。
反対に、仮相界においては思いがあってもたどり着けない事も良くある。
これは思いと場所との繋がりよりも、地理など物的距離の方が真になるよう世界が構築されているからである。
ちなみに、仮相界においても思いと場所との繋がりはあり、仮相界の中であっても思いがあれば目的の場所へとたどり着けることがある、という。
《そうか。ありがとう!それを聴いて安心した。せっかく、アリシャに代わりを頼んだのに、たどり着けないんじゃ申し訳ないからな》
そんな事を話している間に、大きなトンネルが見えてきた。
前方に一面広がる崖に大穴がぽっかり空いていて、長い時間を積み重ねて作られた大自然のトンネルだと言われても納得してしまう様相である。
こんな中に入るのか?まじで?
アリシャも戸惑っているらしく、その戸惑いは俺にも伝わってくる。
《私もマルフィへのトンネルは初めて見ましたが、まさか、このような物とは思いませんでした.....》
俺の考えを察したアガパンサが同様の感想を口にした。
《この中に入るのは少し怖いね......》
ムスカリ君と手を繋いだ母さんが呟く。
このトンネルを観ると分かるが、明らかに、入る事を想定されていない。
歓迎の雰囲気など微塵も存在しない。
大体、案内板の一つも無いし。
マルフィに行く人ってそんなに少ないのか?
一旦、アリシャの前に姿を現して話し合うか。
俺たちは全員、アリシャの前に姿を現した。
「あ、周さん。しっかり導いてくれてありがとう。
心の内側から声が聴こえてきて、安心して先に進めたよ」
アリシャは安心から顔を綻ばせながら言う。
無邪気な性質もあり、見ている人間を和ませる可愛い笑顔だ。
「ああ、どうやらたどり着けたみたいだな。
それにしても.....このトンネルを抜けるとマルフィに着くみたいだが.....どうする?」
「どうするって?もちろん、行きますよ。こういう冒険するのが夢だったから嬉しいの。それに.....ふふふ、頼りになる天使様もついてるし」
なんかすごい頼りにされてるな。まあ、そりゃそうだ。マルフィなど知らないのだから、アリシャからすれば俺は完全に命綱的存在だよな。
あれ?そういえば、俺、マルフィに入れないんじゃなかったっけ?
俺よりよほど頼りになるアガパンサに聴こう。
が、不安をアリシャに覚られてはいかん。
サササっとアガパンサの手を引き、アリシャに背を向け二人でコソコソ話に行く。
「俺ってマルフィに行けないんだよな。どうやってアリシャと通信すればいいんだろうか?」
「うふふふ、大丈夫ですよ。その場合はですね、目を瞑りアリシャさんを思い浮かべれば、すぐに先ほどと同じようにリンクできると思います」
なんだ、それほど心配する必要は無かったのか。
ただ........
「あのトンネル、何か魔物とか出そうなんだが大丈夫かな?」
「マルフィもグランディも魔物はいないはずなので、大丈夫だと思います。あの外観を観れば、確かに心配になるのも分かりますが.....。万が一の事があれば、リンクを通じて周さんの力を使う事が可能です。その力で暗いトンネルを照らすことも可能でしょう。
野生動物ぐらいは出るかもしれませんが、このあたりの真相界の野生動物はどの子達も優しいので大丈夫だと思います」
「そうか。まあ万が一、何かあっても俺の力でアリシャを守れるなら問題ないか」
俺はアリシャの元に帰り、言った。
「マルフィに入れば俺は姿を現すことができなくなるけど、アリシャを通して俺の力を発揮することができる。だから、万が一、何かあっても大丈夫だよ」
「え?私を通して周さんの力を発揮できるんですか!?そ...それは、ちょっと楽しみ。ぐふふふ」
何やらぐふぐふ笑ってる。少しずつ性格が分かってきて面白いな。
まあ、俺同様、あまり深刻にならない性格みたいだし、波長の合う相手がアリシャで良かったと思う。
「では、早速、行きましょー!!ムスカリ君、よろしくね」
足を屈めてムスカリ君の両手を握る。
「よろしくお願いします」
と、恥ずかしそうに言う。
ただ、その顔は嬉しそうだ。
ムスカリ君の目を見ると分かるが、アリシャは子供に好かれる。
無邪気な性格も相まって、子供と意識の壁を作らないのが良いのだろうか。
しかし.........
俺はトンネルに目を向ける。
マルフィに行く事を少しも歓迎していないかのような、このトンネル。
マルフィには何か穏やかでない秘密があるのではないか?
そもそも、真相界のいたる所にマルフィにあった物が現れるという事件が起こっているらしいし、何かがあるに違いない。
俺だけ行けるならそれが一番いいのだけど......まあ、こういう流れになるのも何か意味があるのかな。
俺はそう思いながら、二人の後に続いてトンネルに入ろうとした。
......が、なぜか、強い力で押し戻される!!?
んぐぐぐぐ......
海に潜っても凄まじい浮力が働いて潜れない感じに似ている!
前のアリシャとムスカリ君が、おかしなものを観る顔でこちらを見ている。
何かの力に急激に押し戻され俺はトンネルの外側へと弾き飛ばされ、後方の大岩にドカーン!!という音をあげて激突した。
アリシャの「周さん!大丈夫!?」という声が聴こえる。
ぐわーっ!!入れない。
どうやらこのトンネルからすでにマルフィらしい。
母さんとアガパンサは大岩に激突し、逆さまになっている俺を観て心配しつつ、私は入らなくて良かった.....というような顔を見せている。
「どうやら、俺はその先まではいけないらしい。そこから先は二人旅だ!だが、俺が今後もアリシャを通じてサポートするから安心してくれ!!」
逆さまの状態のまま叫ぶ。
アリシャは、苦笑いをして
「行ってきまーす!」と手を振り、ムスカリ君とトンネルの奥へと入っていった。
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