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マルフィに起きた大異変
70話 モロゾフの過去~10万年越しの再会~
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モロゾフ視点
信じられない.......
なぜ、彼女がここに?
セビュラ・ケールズ、魔族としての私が愛した相手。
私は悪魔へと転生した瞬間、魔族モロゾフ・ブロンテとしての過去を自覚した。
約10万年前、彼女と私(モロゾフ)は共に魔界で育った。
彼女の父と私の父が共に魔王ギルバストロン様の側近であった事で、学校に通い出す辺りから一緒に遊ぶことが多かった。
彼女は喧嘩っぱやく、私は荒っぽい事が苦手で大人しかった。
子供の頃は、彼女が親分で私が子分のような関係だった。
-----------------------
「やい!モロゾフ、悔しかったら私を倒してみろ!!」
「あ~ん....セビュラを叩くなんて嫌だよ~」
よくそんなやり取りをしていた。
彼女の後をついていく私に対し、彼女は些細な事で喧嘩を吹っかけて、しきりに、私を倒せ!みたいな事を言っていた。
そんな関係が続き、10年が経つ。
私とセビュラは15歳。どちらからアプローチしたか分からないが、いつのまにか私達は恋人関係になっていた。
力関係は変わらず、魔族としての力量も心の面でもセビュラの方が勝っていたと思う。
そんな矢先、セビュラは魔王様の御勤めに同行する事になった。
なんでも、遠くの銀河に属するマルスという星に知的生命体が誕生する事になり、知的生命体創造計画の邪魔をする存在からの警護をギルバストロン様が担当する事になった。
年の若いセビュラがそのような重大な任務に加わるのは、大抜擢と言えるだろう。
魔族として栄誉な事である。
「すごいじゃないか!セビュラならギルバストロン様のお力になれると思うよ」
その計画の一員にセビュラが抜擢されたその日、僕は離れた地に行くセビュラを寂しく思いつつも、お祝いの言葉を伝えた。
が........セビュラは浮かない顔をしていた。
特徴的なつり目が、今日はつり目に見えなかった。
「............また....あたしが行く.........仕方ない.....か」
セビュラが俯き、小声で何かを言っている。
黄金色の前髪に遮られて表情は伺い知る事ができない。
「え?今、なんて言ったの? ごめんね。ちょっと聞こえなかったよ」
「ううん......別に何でもない。お祝いの言葉なんていらないよ!
......で、あんたは私に先を越されて悔しくないのかい?」
「ん、なんで悔しがる必要があるの?.....いた!!痛たたたぁあーーー!!」
瞬時に、背後に転移したセビュラに腰の背骨あたりを拳でグリグリされた。
魔法陣の展開速度が異常に速く、もはや神に近い瞬間移動である。
「どんだけ待たせるのかね。たく.....世話のかかる男だよ」
「???」
そう言いながら、彼女は僕を抱きしめた。
その後、彼女と僕は最後となる一夜を過ごした。
そして、セビュラはギルバストロン様達(僕やセビュラの父を含む)と共に、マルスへと向かう。
その2週間後の事である。
知的生命体創造計画の警護にあたっていた全ての魔族の死亡が伝えられた。
ギルバストロン様、僕の父、セビュラの父、セビュラ.....全員が死亡した。
聴かされた話によると、一人の邪神がマルスに侵入してきて、その邪神に全員がやられてしまったらしい。しかし、奇妙な事に、争った痕跡などは無く、全員が忽然と姿を消してしまったという話だ。
じゃあ、なぜ、邪神が全員を殺害したと分かるのか?
目撃者が一人だけ居たからだ。
ギルバストロン様を警護担当に任命した本人、また、知的生命体創造計画の総責任者であるディストル・ブロア様が目撃したからだ。
邪神が、最後の生き残りであったセビュラを”吸収”している所を、ブロア様が発見し、追いつめたが、最後には逃げられてしまったという。
この”吸収”という表現が何を意味するものなのか、今も全く分からない。
ブロア様にはそう見えた、という他に無い。
ディストル・ブロア様は計画の総責任者であると同時に、破壊神でもある。
邪神も流石にブロア様までを殺害する事は出来なかったようだ。
邪神の襲撃があっても、マルスの知的生命体創造計画は頓挫せず、セビュラの一件があってから3万年ほど経過した後、マルスに知的生命体が誕生した。
それと同時期に、マルスに近い惑星「アース」に属する、マルフィという世界で邪神が暴れ回り、そこでもブロア様が闘い消滅させたという事件も起こったという。
それはともかく、父とセビュラの両方を亡くした僕は......絶望した。
やり場の無い怒りが内側から胸を突き破るのではないか。
そう思えるような心境が続いたが.....最終的には自分の無力さをただ呪った。
セビュラを助けられる立場でなかった自分が、なぜ、自分の無力さを呪うのかは分からない。
ただ........僕がもっと強い存在になっていれば、セビュラは死なずに済んだのではないかという思いが湧いてくる。この考えには何の根拠もないのだが。
魔族は15歳を過ぎれば様々な異世界を旅する義務がある。
なぜ、そんな義務があるのか知らないが、セビュラを殺した邪神を探し、抹殺する事だけを考えていた僕には都合がいい。
僕は争いに溢れた世界を選び、旅をし続けた。
自分を強くするためである。
とある世界では《戦神》と評され、とある世界では《救世主》と崇められ、別の世界では《冥王》と恐れられた。
争い事が発生したと聴けば飛んでいき、闘いに明け暮れた結果である。
どの評価も僕にとっては意味の無いものだが。
実際の冥王の力を知っている僕からすれば、僕を冥王と評した人間達の浅はかさを鼻で笑うしかなかった。
セビュラのいない世界に未練はない。
だから、いつ死んでも良いと思っていたが、そう思っていると案外死ねないものだ。
闘いで窮地に陥っても、なぜか生き延びてしまう。
自らを鍛え上げるために、7万年ほど闘いに明け暮れたが、その過程で変わったのは容姿であった。
いつしか青い目になり、黒髪にウェーブといった髪型になっていた。
”悪魔的外見”である。
元の僕は銀髪であったが、闘いで何度か生死の境を彷徨っている内に黒髪になっていたらしい。
魔族と悪魔には大きな隔たりがある。
魔族は、自由意志に基づいて生きる存在の事である。
(他は知らないが、魔族は、自身の事をそう定義している)
悪魔は、自由意志により悪行を重ねた存在の事である。
父とかいう創造主に統制される天使などとは違い、魔族を統制するものはいない。
つまるところ、僕は悪行を重ねたことにより悪魔となったらしい。
まあ、僕にとってはどうでもいいことだが。
が.........ある日、真相界アーベントイアのケラビュ地域において最強とされる勇者ミウラ・マサツネと闘った時の事である。
相手が魔王でも勇者でもどちらでも良かった。ケラビュ地域の魔王を倒した事で、最強と評されていたのがミウラ・マサツネだっただけのこと。
僕が闇魔法である次元圧殺でミウラ・マサツネの右腕と右足を潰した時の事である。うつ伏せに倒れ込むミウラを、冷ややかに見下ろす私に、突如、膨大な記憶が飛び込んできた。
天使ストラウスとしての記憶である。
信じがたい事に、その記憶の中には荒川恵美という、セビュラに瓜二つの女性が存在していた。
ただ......重大な情報はそれだけではなく
・ストラウスが人類の成長管理の仕事の中で、アースの賢者である人物から”悪魔側の創造主”という概念を知ったこと
・天使の世界観・価値観
・天使側の創造主が天使を操り、一身に信仰を集めようとしていること
・創造主への疑念により魔族化してきたストラウスが、同志と共に、マルフィに街と宮殿を築いていたこと
・小悪魔を使役し人間の魂をマルフィに繋ぎとめ、保護していること
様々な情報が一気に押し寄せ......次の瞬間、自分のしたことが恐ろしくなってしまった。
たまらず、私は、目の前で倒れている勇者に治癒魔法を施す。一気に勇者の右腕と右足が復元した。
以前の自分にそんな魔法は使えないが、ストラウスであった頃には使用していたらしい。
そして、私は荒川恵美という女性を一目見たいと、アースに向かう事を決めた。
正直、ストラウスとしての記憶や、荒川恵美という存在がいなければアースなどという辺境の惑星に関心など持たなかっただろう。
アースに詳しいストラウスとしての記憶があるため、アースへ転移することができそうだ。
(天使であるストラウスはアースに直接は行けないようだったが、悪魔である自分には可能なようであった)
一言、倒れ込んだままの勇者に「すまない.....」と詫びの言葉を告げ、アースへ転移した。
そして、セビュラと瓜二つの彼女を眺める日々が始まる。
セビュラとは違うが、神経質で怒りっぽい性格にセビュラを感じさせるものがある。
日に日に彼女に惹かれていった。おそらく、彼女の中の”セビュラ”に惹かれているのだろうが.....
その末に、ファントムウイルスによる彼女の死期を悟った私は、これは好機と彼女の部屋に向かった。
奇妙な事に、なぜか彼女は私を視認できたらしく、部屋に突如現れた私に対し派手に驚いていた。
私を視認できたのは、ファントムウイルスという謎の感染症によるものだろうか。
その後、彼女を安楽死させ.....真相界パーゲトルに連れていき、ユリアナとして覚醒させた。
が....覚醒した彼女は、セビュラとは違う外見になっていた。
ボブカットは同様なのだが、セビュラのもっとも強い特徴であるつり目が消失した。
半月型の大きめな眼に変わっている。
覚醒させればセビュラに会えるのではないかと期待していた私は、心の底で酷く落胆していた。
しかし....新しくできた生きる目的である、天使側の創造主の企みを打ち砕くために協力してもらうために二人に色々と打ちあける。
そして、
今、目の前にはセビュラと瓜二つどころか、同じ顔の女性がいる。
エルトロンと出会うはずだったのだが。
どうして.....彼女が、ここに。
10万年越しの再会に、私は柄にも無く眼に涙が浮かぶ。
もう流せる涙などないと思っていたのだが。
信じられない.......
なぜ、彼女がここに?
セビュラ・ケールズ、魔族としての私が愛した相手。
私は悪魔へと転生した瞬間、魔族モロゾフ・ブロンテとしての過去を自覚した。
約10万年前、彼女と私(モロゾフ)は共に魔界で育った。
彼女の父と私の父が共に魔王ギルバストロン様の側近であった事で、学校に通い出す辺りから一緒に遊ぶことが多かった。
彼女は喧嘩っぱやく、私は荒っぽい事が苦手で大人しかった。
子供の頃は、彼女が親分で私が子分のような関係だった。
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「やい!モロゾフ、悔しかったら私を倒してみろ!!」
「あ~ん....セビュラを叩くなんて嫌だよ~」
よくそんなやり取りをしていた。
彼女の後をついていく私に対し、彼女は些細な事で喧嘩を吹っかけて、しきりに、私を倒せ!みたいな事を言っていた。
そんな関係が続き、10年が経つ。
私とセビュラは15歳。どちらからアプローチしたか分からないが、いつのまにか私達は恋人関係になっていた。
力関係は変わらず、魔族としての力量も心の面でもセビュラの方が勝っていたと思う。
そんな矢先、セビュラは魔王様の御勤めに同行する事になった。
なんでも、遠くの銀河に属するマルスという星に知的生命体が誕生する事になり、知的生命体創造計画の邪魔をする存在からの警護をギルバストロン様が担当する事になった。
年の若いセビュラがそのような重大な任務に加わるのは、大抜擢と言えるだろう。
魔族として栄誉な事である。
「すごいじゃないか!セビュラならギルバストロン様のお力になれると思うよ」
その計画の一員にセビュラが抜擢されたその日、僕は離れた地に行くセビュラを寂しく思いつつも、お祝いの言葉を伝えた。
が........セビュラは浮かない顔をしていた。
特徴的なつり目が、今日はつり目に見えなかった。
「............また....あたしが行く.........仕方ない.....か」
セビュラが俯き、小声で何かを言っている。
黄金色の前髪に遮られて表情は伺い知る事ができない。
「え?今、なんて言ったの? ごめんね。ちょっと聞こえなかったよ」
「ううん......別に何でもない。お祝いの言葉なんていらないよ!
......で、あんたは私に先を越されて悔しくないのかい?」
「ん、なんで悔しがる必要があるの?.....いた!!痛たたたぁあーーー!!」
瞬時に、背後に転移したセビュラに腰の背骨あたりを拳でグリグリされた。
魔法陣の展開速度が異常に速く、もはや神に近い瞬間移動である。
「どんだけ待たせるのかね。たく.....世話のかかる男だよ」
「???」
そう言いながら、彼女は僕を抱きしめた。
その後、彼女と僕は最後となる一夜を過ごした。
そして、セビュラはギルバストロン様達(僕やセビュラの父を含む)と共に、マルスへと向かう。
その2週間後の事である。
知的生命体創造計画の警護にあたっていた全ての魔族の死亡が伝えられた。
ギルバストロン様、僕の父、セビュラの父、セビュラ.....全員が死亡した。
聴かされた話によると、一人の邪神がマルスに侵入してきて、その邪神に全員がやられてしまったらしい。しかし、奇妙な事に、争った痕跡などは無く、全員が忽然と姿を消してしまったという話だ。
じゃあ、なぜ、邪神が全員を殺害したと分かるのか?
目撃者が一人だけ居たからだ。
ギルバストロン様を警護担当に任命した本人、また、知的生命体創造計画の総責任者であるディストル・ブロア様が目撃したからだ。
邪神が、最後の生き残りであったセビュラを”吸収”している所を、ブロア様が発見し、追いつめたが、最後には逃げられてしまったという。
この”吸収”という表現が何を意味するものなのか、今も全く分からない。
ブロア様にはそう見えた、という他に無い。
ディストル・ブロア様は計画の総責任者であると同時に、破壊神でもある。
邪神も流石にブロア様までを殺害する事は出来なかったようだ。
邪神の襲撃があっても、マルスの知的生命体創造計画は頓挫せず、セビュラの一件があってから3万年ほど経過した後、マルスに知的生命体が誕生した。
それと同時期に、マルスに近い惑星「アース」に属する、マルフィという世界で邪神が暴れ回り、そこでもブロア様が闘い消滅させたという事件も起こったという。
それはともかく、父とセビュラの両方を亡くした僕は......絶望した。
やり場の無い怒りが内側から胸を突き破るのではないか。
そう思えるような心境が続いたが.....最終的には自分の無力さをただ呪った。
セビュラを助けられる立場でなかった自分が、なぜ、自分の無力さを呪うのかは分からない。
ただ........僕がもっと強い存在になっていれば、セビュラは死なずに済んだのではないかという思いが湧いてくる。この考えには何の根拠もないのだが。
魔族は15歳を過ぎれば様々な異世界を旅する義務がある。
なぜ、そんな義務があるのか知らないが、セビュラを殺した邪神を探し、抹殺する事だけを考えていた僕には都合がいい。
僕は争いに溢れた世界を選び、旅をし続けた。
自分を強くするためである。
とある世界では《戦神》と評され、とある世界では《救世主》と崇められ、別の世界では《冥王》と恐れられた。
争い事が発生したと聴けば飛んでいき、闘いに明け暮れた結果である。
どの評価も僕にとっては意味の無いものだが。
実際の冥王の力を知っている僕からすれば、僕を冥王と評した人間達の浅はかさを鼻で笑うしかなかった。
セビュラのいない世界に未練はない。
だから、いつ死んでも良いと思っていたが、そう思っていると案外死ねないものだ。
闘いで窮地に陥っても、なぜか生き延びてしまう。
自らを鍛え上げるために、7万年ほど闘いに明け暮れたが、その過程で変わったのは容姿であった。
いつしか青い目になり、黒髪にウェーブといった髪型になっていた。
”悪魔的外見”である。
元の僕は銀髪であったが、闘いで何度か生死の境を彷徨っている内に黒髪になっていたらしい。
魔族と悪魔には大きな隔たりがある。
魔族は、自由意志に基づいて生きる存在の事である。
(他は知らないが、魔族は、自身の事をそう定義している)
悪魔は、自由意志により悪行を重ねた存在の事である。
父とかいう創造主に統制される天使などとは違い、魔族を統制するものはいない。
つまるところ、僕は悪行を重ねたことにより悪魔となったらしい。
まあ、僕にとってはどうでもいいことだが。
が.........ある日、真相界アーベントイアのケラビュ地域において最強とされる勇者ミウラ・マサツネと闘った時の事である。
相手が魔王でも勇者でもどちらでも良かった。ケラビュ地域の魔王を倒した事で、最強と評されていたのがミウラ・マサツネだっただけのこと。
僕が闇魔法である次元圧殺でミウラ・マサツネの右腕と右足を潰した時の事である。うつ伏せに倒れ込むミウラを、冷ややかに見下ろす私に、突如、膨大な記憶が飛び込んできた。
天使ストラウスとしての記憶である。
信じがたい事に、その記憶の中には荒川恵美という、セビュラに瓜二つの女性が存在していた。
ただ......重大な情報はそれだけではなく
・ストラウスが人類の成長管理の仕事の中で、アースの賢者である人物から”悪魔側の創造主”という概念を知ったこと
・天使の世界観・価値観
・天使側の創造主が天使を操り、一身に信仰を集めようとしていること
・創造主への疑念により魔族化してきたストラウスが、同志と共に、マルフィに街と宮殿を築いていたこと
・小悪魔を使役し人間の魂をマルフィに繋ぎとめ、保護していること
様々な情報が一気に押し寄せ......次の瞬間、自分のしたことが恐ろしくなってしまった。
たまらず、私は、目の前で倒れている勇者に治癒魔法を施す。一気に勇者の右腕と右足が復元した。
以前の自分にそんな魔法は使えないが、ストラウスであった頃には使用していたらしい。
そして、私は荒川恵美という女性を一目見たいと、アースに向かう事を決めた。
正直、ストラウスとしての記憶や、荒川恵美という存在がいなければアースなどという辺境の惑星に関心など持たなかっただろう。
アースに詳しいストラウスとしての記憶があるため、アースへ転移することができそうだ。
(天使であるストラウスはアースに直接は行けないようだったが、悪魔である自分には可能なようであった)
一言、倒れ込んだままの勇者に「すまない.....」と詫びの言葉を告げ、アースへ転移した。
そして、セビュラと瓜二つの彼女を眺める日々が始まる。
セビュラとは違うが、神経質で怒りっぽい性格にセビュラを感じさせるものがある。
日に日に彼女に惹かれていった。おそらく、彼女の中の”セビュラ”に惹かれているのだろうが.....
その末に、ファントムウイルスによる彼女の死期を悟った私は、これは好機と彼女の部屋に向かった。
奇妙な事に、なぜか彼女は私を視認できたらしく、部屋に突如現れた私に対し派手に驚いていた。
私を視認できたのは、ファントムウイルスという謎の感染症によるものだろうか。
その後、彼女を安楽死させ.....真相界パーゲトルに連れていき、ユリアナとして覚醒させた。
が....覚醒した彼女は、セビュラとは違う外見になっていた。
ボブカットは同様なのだが、セビュラのもっとも強い特徴であるつり目が消失した。
半月型の大きめな眼に変わっている。
覚醒させればセビュラに会えるのではないかと期待していた私は、心の底で酷く落胆していた。
しかし....新しくできた生きる目的である、天使側の創造主の企みを打ち砕くために協力してもらうために二人に色々と打ちあける。
そして、
今、目の前にはセビュラと瓜二つどころか、同じ顔の女性がいる。
エルトロンと出会うはずだったのだが。
どうして.....彼女が、ここに。
10万年越しの再会に、私は柄にも無く眼に涙が浮かぶ。
もう流せる涙などないと思っていたのだが。
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