神水使いですが、錬金術師として成り上がりたい

黒いきつね

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お風呂で満喫?①

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 ここは、本宅離れに建つ、自宅兼錬金工房屋敷の1階の隅に造られた、銭湯のように大きなお風呂場。

 私の家系は、結構名の知られた錬金財閥一家だから、こんなお風呂場のような水回りの場所でも、錬金科学を用いて作成された、魔導機器が置かれてるんだ。

 このお風呂場ではお風呂専用魔導機器『おふくろさん』が、毎日勝手に掃除して、私が用意した神水を勝手に温めてくれるし、浴槽よくそうに湯を満たしてくれるから、いつも、超らくらくチン。

 そんな、超便利な魔導機器おふくろさんがあるから、私は神水を用意する意外、全く関知しないんだ。

 その神水を創造する力は、多分この世界では、前世が神様だった私だけが、唯一自由に行使する権限を与えられた神の御技ゴッドスキル──。

 この神の御技ゴッドスキルは、超凄い力を秘めてる分、取り扱いは超危険。

 この神水を出すのも訓練の一環なんだけど、まあ、今はその事について考察する時間じゃないし、実際問題として、今はそれどころじゃないから、その説明は後回し。

 おいおい気が向いたら、その都度説明するから、それで勘弁してっCHU♡!!

 そうそう、ラス姉さんに言われた世界地図が描かれたお布団一式は、しっかり始末しといたよ。

 敷地内にある、私専用研究所に全部届けて置いたから、あとはそこに駐在している研究員達によって、時間をかけて成分分析されて、いずれ媚薬びやく香水などの商品として、売り出す予定らしいよ。

 先は長そうな長期計画だけど、大勢の商人の支援者スポンサーがついてるらしいから、問題ないみたい。

 そういうわけで私の淫乱娘いんらんむすめの噂は、この広大な敷地で働く錬金術師達と研究員全員に知れ渡り、その情報は包み隠さず、とどこおりなく伝達されているのデース。

 そんな従業員等の好奇心の的となっている私は、ラス姉さんの言われた通りに、我が家の超広々とした風呂場に向かい、体を綺麗に洗っている。

 シャ───..キュッ....シャ───..キュッ.

 女神の秘所水を直に浴びてしまったから、中々落ないよ。

「エロエロ成分が染み付いたみたい」
「いつか、見てなさい」

 さすが、腐っても女神ね。これは、あの計画を本格的に再開して、貴女神かのじょはずかしめてやるっきゃないね。

 見てろー、エロエロ女神ー、私は諦めない女の子なのよ。

 目ん玉ひん剥いて、しっかり見せてあげるわ。

 ゴシゴシ...ゴシゴシ..ゴシゴシ...ゴシゴシ..

 私は念入りに魔導石鹸を使い、体をゴシゴシ洗ってエロエロ女神がしでかした、エロエロ攻撃の残骸ざんがいをなんとか綺麗に落とそうと、必死になって何度も体を清めるようにしっかり洗っていく。

 でも、全然落ちてる気がしない。

 シャ───..キュッ....シャ───..キュッ.

 ゴシゴシ...ゴシゴシ..ゴシゴシ...ゴシゴシ..

 私は修験者のように、黙々と汚れを洗い清め、エロエロ成分を少しでも落とそうと、必死になりながら身体の隅々まで念入りに洗っているけど、超頑固なエロエロ成分は、本当にしつこいよどれだ。

 どんだけこすっても、エロエロ臭気が全く落ちてる気がしない。

「まあ、今日は、学校遅れてもいいから、しっかり落とそう」
「なんなら、日頃の疲れを取るために学校休もうかな?」

 シャ───..ゴシゴシ..シャ───..キュッ.

「あー気持ちいい、さっきの戦いが嘘みたいね」

 次に、髪がきめ細かくなる魔導シャンプーを使い、私の自慢の柔らかい青髪を、特にしっかりと念入りに洗っていく。

 特に念入りに洗った髪を洗い落とすため、魔導シャワーを頭の頭上にかざし、両目をしっかりつむりながら、、シャワーの暖かいお湯を頭から浴びせ、魔導シャンプーの泡と汚れを綺麗に洗い落としていく。

 シャ───..ゴシゴシ..シャ───..キュッ.

 チャプ...∴...チャプ....チャプ...∴.チャプ....

 シャ───..ゴシゴシ..シャ───...シャ───...

「──そうですー気持ちいいですー」
「本当にこのお風呂、気持ちいいですー」

 チャプ...∴...チャプ....チャプ...∴.チャプ....

 ──あれっ身近で聞いたことある、ハスキーな声が、すぐ近くで聞こえたような.....

 ──空耳かな....やっぱり、あの夢世界にいくと、何故か疲れが溜まるようだね。

 収穫、収穫。今度は、どういう工程で疲れが溜まるのか、じっくり考える時間をつくろう。

 ──んーん、あれー、さっきの声、耳鳴りだよね?

 目をあけて確かめたいけど、頭洗ってる真最中だし、今目を開けると魔導シャンプーが目に侵入して激痛が走るから、目を開けて確かめるのは嫌よ。

 まぁ、今お風呂に入る時間帯じゃないし、それにここは私のお家なんだし、誰も居る筈ないじゃない。ねー。

 シャ───..ゴシゴシ..シャ───...シャ───...
 チャプ...∴...チャプ....チャプ...∴.チャプ....

「さすが、お師匠様ですー」

 ──また、空耳かな.....このお風呂場には私だけ居る筈なのに.....

 なんか、あの子の声が聞こえた気がしたけど、そんなわけないよ。

 絶対無い無い。あるわきゃないよ。

 もう、絶対に、今後一切私の家の敷居しきいまたがせないように、あの子の為だけに、魔導防犯機器大量設置してやったもん。

 あの子が無断で侵入したら、センサーが一斉になりだすようにしたもん。

 私が了解した訳もないのに、勝手に弟子入り宣言して、押しかけて尚且なおかつ、深夜に襲いかかってくる変態さんは、絶対に我が家には許可なく入れなくしたもんね。

 無理無理、忍者でもない限り、絶対侵入出来ないよ。

 サラ、貴女はいい奴だけど変態だから、一緒には居られないから。

 ごめんね。グッパイ、変態さん。

 性格と性癖せいへきをしっかり浄化して生まれ変わってら、親友になってもいいけど、今世ではもう必要以上に近寄らないでね。

 サラ、貴女あなたは弟子でも、友達や親友でもないただの顔見知りよ。

 よし、今度こう言えば、きっと彼女もわかってくれるはず。

 私は自慢の青髪を、特に念入りに、何度も魔導シャンプーを使ってゴシゴシと洗っていく。

 シャ───..シャ───..シャ───...ゴシゴシ.
 チャプ...∴...チャプ....チャプ...∴.チャプ....

「お師匠様ー焦らしすぎですー」
「お師匠様と早く一緒にお風呂はいりたいですー」

 ──何故かまた、あの変態の空耳が、近くで聞こえたような....。

 女神の媚薬水の追加効果かなー。あーいやらしい。

 水の女神なら、お水と一緒に高い滝からバイバイして落っこちて、行方不明になってくれないかな。

 そんで、海で土左衛門と一緒に、釣りでもしてればいいのよ。

 どうしてもむかつきが収まらず、どうでもいい空耳などほっといて、なんとかこの落ちにくいエロ成分を落とそうと必死になっている私。

 チャプ...∴...チャプ....チャプ...∴.チャプ....

「このお風呂のお水、今まで飲んだこと無い美味しさですー」

 必死になっていた私だったけど、さすがに気づいてしまう。

 この風呂場にもう1人よく知っている超危険人物が紛れ込んでいると……

 シャ───..シャ───..シャ───..シャ───....キュッ.

 頭についていた魔導シャンプーの泡を、全て綺麗に洗い落とすと、私の後ろにある浴槽を見るために体ごとグルリと振り返った。

 振り向いた先には、耳下がすっぽり隠れるぐらいの桃色ショートカットの髪の上に、畳んだ白タオルをちょこんと頭の上に載せた、私の友達サラミリア通称サラが、お風呂に入ってまったりと寛いでいた。

 彼女の顔立ちは、輪郭から目鼻立ちやら全てを結集して、簡単にサラをわかりやすく表す、とっても短い言葉があるんだ。

 私は彼女を心の中でこう呼んでいるわ。

 ──ベスト オブ ロリータ。

 略して『ベロリ』のサラ──。

 この『ベロリ』って言うたった3文字の名称が、1番サラを表現してる二つ名だと私は思うわ。

 意味は大体わかると思うけど、完璧なロリを装って近づいたら、ベロリと一口でなんでも食べちゃう悪食悪魔あくじきあくまの女の子を表現した二つ名よ。

 サラは子供を装った両刀使いの鬼畜な大悪魔。

 サラのベロリと食べたい獲物候補には、どうやら入りたくもないけど、私もその1人に含まれているみたい。

 この子も、私と同じく、ぺったんこの系譜を受け継ぐべくして、生まれた真のぺったんこ。

 まさしく真の心の同志なんだけど「お互いに、食べ合える程の、心の同志か」と問われたら「勿論、そうじゃ無いよ」と答えちゃう。

 だから、絶対止めてよね。

 ホントお願い、すぐ消えて。

 私の貞操ていそうの危機がこんな序盤じょばんから訪れちゃう。

 ──思っても、みなかったんですけど....。

 いつの間に貴女あなた、お風呂に忍び込んでいるのよ。

 ──全く訳が、全然わからないんですけど....。

 どうやって我が家の警備システムを、完全無効化して忍び込んだのよ。

 ──本当に、超怖いんですけど....。

 取り敢えず分厚い猫かぶりモードON。

 ──ぽちっとな。..カチリ....。

「サラ、ラス姉さんに先に学校に行くように、言われたはずですよ」
「どうして私と一緒に、この場でお風呂に入っているのですか」
「ちゃんとわたしが分かるように、説明してください」

 何故この場にいるのか訳が分からず、私は内心を隠しながらサラを微妙に責め立てているように質問をしてみて、彼女の答えをうながしてみた。

 このサラは、私の自称弟子で、私が承認しても認めてもいないのに、勝手に一番弟子宣言をしちゃって、何かあるたびに私を追いかけてくる、小判鮫みたいな子なのよ。

 でもそんなサラは、我が家が深く関わる、『平民錬金術師協会』の協会員の資格を猛勉強の末、この前見事合格を勝ち取るほどの、超努力家の新米錬金術師でもあるんだ。

私の長年の調査結果によると、本当にかなり色々と危険で、できれば近づきたくない女の子。

 彼女の両親の父オロジンク、通称オロ叔父ちゃんは私のお父さんの弟さんで、母ミシャーエル叔母ちゃんと合わせて2人は平民錬金術師協会の正協会員なんだよ。

 わかりやすく、完結に説明すると、サラに両親の2人は平錬協会の上級役員でお偉いさん。

 彼女の実家も、我が家の敷地内の私の住んでる、離れの家の近くに立派な豪邸を建てていて、ご近所付き合いも気楽にしてて、オロおじちゃんとミシャ叔母ちゃんからは、いつもいろいろお世話になってて、頭が全然あがらないよ。

 だけど、2人の娘のサラには、私の家の鍵を、絶対に渡さないもん。

 絶対10歳には、間違ってもしてはいけない危ない火遊びをさせようと、譜とした時に見せる彼女本来の野獣の目線で、私をいつも補足してくるから、そんな危ない魔物のような捕食者に、大事な自宅の鍵を渡す訳なんて、あるわけないじゃん。

 オロ叔父ちゃんにも、サラには私の家に金輪際一歩も入らないように、釘を何本もオロ叔父ちゃんの手に突き刺すように、しつこくお願いしてるもん。

 絶対渡さない。渡してなるものか。

 私はサラとは、違う道をゆくから。

 私は我が道を、突き進んでゆくんだもん。

 そんな私の硬い決意を、簡単に飴細工を噛み砕くかのように、ベロリと打ち破ってきたサラ。

 そんなサラは、お顔を少し傾け下唇を突き出すようにし、赤い瞳を少しうるませうるうるした目で私を見つめ、考えてますよ的な、ロリ振りをしている。

 そして私に、ちゃんとしっかり見つめられたことに満足したのか、お顔を赤らめて、超ハスキーな声でゆっくりと、しゃべりだした。

「だってーサラはー」
「お父さんからアヴィちゃんの今日の護衛役を頼まれたんですー」

 オロ叔父ちゃ────ん。

 なんで私を襲おうとしてる襲撃者を護衛役に選ぶのよー。

 この私の心の叫びは、お風呂場全体に広がっていくように、私には感じられたけど、見えないし音もしないから、超便利なお風呂専用魔導機器『おふくろさん』も、全く反応を示さない。

 そのおふくろさんは風呂場の隅の方で、私達に勧める冷たくて美味しいジュースを、用意するよう作業をこなしていたけど、これっぽっちも、気づく様子が見られなかった。
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