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第五章
第三話
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「翔、今朝もあの夢を見たのかい?」
教室に着くなり彼方がそう聞いてくる。
「まぁな」
同じ夢をそう何度も見ることなんて滅多に無いと思うけど、本当に心当たりは無いのかい?」
「だから、なんでそんなに気になるんだよ。最初言ったときとはどうでも良さそうだったのに」
「まぁまぁ、細かいことは気にしない」
ワカチコワカチコじゃねーよ。
「それで、本当に心当たりは無いのかい?」
「ねーよ」
寝たきりの心当たりなんかあってたまるかよ。
「ならなんでそんな夢を見るんだろうね」
「知らねーよ」
「何話してんの?」
このタイミングでコイツが来るんだよ……と、思ったらホームルーム開始のチャイムがなった。助かった……のか?
「それで何話してたわけ?」
「別に。最近見る夢の話をちょっとな」
「どんな夢なのよ」
またこの流れかよ。と思いつつ、俺は葉月にも夢の話をした。
「不思議な夢ね。心当たりも無いんでしょ?」
「ああ」
「まぁ、気にしないことね。夢なんて、ただの精神の投影なんだから」
コイツの口から気にしないなんて言葉が出るなんて……
「あと、テスト終わるまで部活は無いから」
「結局無しになったのか」
「先生に止められちゃってね。だから借金大量に抱え込むのよ」
なんてことを言うんだコイツは。
その時、幸いにも1限開始のチャイムが鳴った。ここで話が切れなかったらどうなっていたことやら……
そして迎えた待ちに待った放課後。
「翔、準備できた?」
そう言って、雫が俺に話しかけてくる。
「あぁ。帰えるか」
「あれっ?彼方君は一緒じゃないの?」
そういえばと雫が聞いてくる。
「言われてみれば……まぁ帰ったんだろう」
「なら行こっか」
「ああ」
まぁアイツもなんかあるんだろう。そういえば葉月もいないけど…まぁ気にすることじゃないか。
「今日は確か物理だろ?」
「何いってんの。今日は生物って、今朝言ってたでしょ」
マジか…聞いてみて正解だった。危うく生物置いて帰るところだった。っても、もう校門だけど。
「俺生物のワーク教室に取りに行ってくるから先帰ってろ」
待たせるわけにはいかないからな。
「いや、待ってるよ。だから急いで」
「了解」
そう言って俺は教室まで小走りで向かった。
依頼でソフトやって以来運動してないせいか、思ったよりキツイな。それに夕方に一人で来るオンボロフロアは少し不気味だな……っていうか、テスト前なのに誰も残って勉強しないのか。それに先生もいない。って先生は会議かもしれないし、そういうこともあるかもな。
なんて思っていると、いつの間にか教室に着いていた。案の定、中には誰もいない。俺は自分の席へと向かった。
「世界史じゃなくて生物は……」
机の中…今度整理するか。
「翔」
突然後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。あまりにも突然過ぎて、思わず肩がビクッと反応してしまった。
「なんだよ……急に驚かすなよ」
そう言いながら俺は振り返った。
「驚かすつもりは無かったけど、驚かせたんだったら、まぁ許してくれ」
そこには彼方が一人で立っていた。
「お前も何か用なのか?」
「実は翔に用があってね。このあと一緒に勉強でもどうかい?」
彼方はそう俺に聞いてくる。
「悪いが、今日も雫とやる予定だ。悪いけど、また今度な」
そう言って、俺はドアを開けようとする。
「翔」
またもや彼方が俺を呼ぶ。
「どうした、まだ何かあるのか?」
俺はドアに伸ばす手を止めて、そう返した。
「今日はどの教科をやるんだい?」
「今日は生物だ。だからこれを取りに来たんだよ」
そう言って俺は生物のワークを見せる。
「とりあえず、雫待たせてるから。じゃあな」
そう言って俺はドアを開け━
ガタッ、ガタッ。音がする。鍵でもかかってんのか?
「開かないよ」
すると彼方がそう告げる。
「何言ってんだよ。鍵なんかかけやがって…」
そう言って俺は鍵を開けようとする。
ん?鍵のレバーが上がっている…鍵はかかってないのか?
「だから言ったじゃないか。開かないって」
「どういうことだ?」
何を言ってるんだ?コイツは。訳がわからん。
「言った通りだよ。そのドアは開かない」
「そのってことは後ろのドアは開くんだろ」
そう言って俺は教室後方のドアを開けようとする。が、こっちも開かなかった。
おいおい、何がどうなってんだ……
「どういうことだ?」
同じ事を再び聞き返していた。
「翔。君は最上さんが好きかい?」
コイツは急に何を言い出すんだ。
「それがどうした」
「だから、好きかどうか、だよ」
「聞いてどうする。あとドアに何をした…」
すると彼方は少し呆れた感じで
「別に僕は何もしてないさ。にしても、答えないんだね」
何もしてないだと?なら何故?何故開かないんだ?
「開かない理由に関しては翔、君に原因があるんじゃないかな?」
「どういうことだ」
俺は短時間で同じ質問を何回したんだ?っていうくらいどういう事かわからん。
「だから、翔に原因があるってことだよ」
「原因……?彼方、お前は何を言っている?」
「なら、翔。もう一回聞くけど、最上さんのことは好きかい?」
「だからなんでそれを……」
「いいから、早く答えて」
彼方はとても真剣な面持ちだった。
「それはもち……」
その時だった。
「待ちなさい!」
俺と彼方しかいない教室に、俺でも、彼方でもない声が鳴り響いた。
教室に着くなり彼方がそう聞いてくる。
「まぁな」
同じ夢をそう何度も見ることなんて滅多に無いと思うけど、本当に心当たりは無いのかい?」
「だから、なんでそんなに気になるんだよ。最初言ったときとはどうでも良さそうだったのに」
「まぁまぁ、細かいことは気にしない」
ワカチコワカチコじゃねーよ。
「それで、本当に心当たりは無いのかい?」
「ねーよ」
寝たきりの心当たりなんかあってたまるかよ。
「ならなんでそんな夢を見るんだろうね」
「知らねーよ」
「何話してんの?」
このタイミングでコイツが来るんだよ……と、思ったらホームルーム開始のチャイムがなった。助かった……のか?
「それで何話してたわけ?」
「別に。最近見る夢の話をちょっとな」
「どんな夢なのよ」
またこの流れかよ。と思いつつ、俺は葉月にも夢の話をした。
「不思議な夢ね。心当たりも無いんでしょ?」
「ああ」
「まぁ、気にしないことね。夢なんて、ただの精神の投影なんだから」
コイツの口から気にしないなんて言葉が出るなんて……
「あと、テスト終わるまで部活は無いから」
「結局無しになったのか」
「先生に止められちゃってね。だから借金大量に抱え込むのよ」
なんてことを言うんだコイツは。
その時、幸いにも1限開始のチャイムが鳴った。ここで話が切れなかったらどうなっていたことやら……
そして迎えた待ちに待った放課後。
「翔、準備できた?」
そう言って、雫が俺に話しかけてくる。
「あぁ。帰えるか」
「あれっ?彼方君は一緒じゃないの?」
そういえばと雫が聞いてくる。
「言われてみれば……まぁ帰ったんだろう」
「なら行こっか」
「ああ」
まぁアイツもなんかあるんだろう。そういえば葉月もいないけど…まぁ気にすることじゃないか。
「今日は確か物理だろ?」
「何いってんの。今日は生物って、今朝言ってたでしょ」
マジか…聞いてみて正解だった。危うく生物置いて帰るところだった。っても、もう校門だけど。
「俺生物のワーク教室に取りに行ってくるから先帰ってろ」
待たせるわけにはいかないからな。
「いや、待ってるよ。だから急いで」
「了解」
そう言って俺は教室まで小走りで向かった。
依頼でソフトやって以来運動してないせいか、思ったよりキツイな。それに夕方に一人で来るオンボロフロアは少し不気味だな……っていうか、テスト前なのに誰も残って勉強しないのか。それに先生もいない。って先生は会議かもしれないし、そういうこともあるかもな。
なんて思っていると、いつの間にか教室に着いていた。案の定、中には誰もいない。俺は自分の席へと向かった。
「世界史じゃなくて生物は……」
机の中…今度整理するか。
「翔」
突然後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。あまりにも突然過ぎて、思わず肩がビクッと反応してしまった。
「なんだよ……急に驚かすなよ」
そう言いながら俺は振り返った。
「驚かすつもりは無かったけど、驚かせたんだったら、まぁ許してくれ」
そこには彼方が一人で立っていた。
「お前も何か用なのか?」
「実は翔に用があってね。このあと一緒に勉強でもどうかい?」
彼方はそう俺に聞いてくる。
「悪いが、今日も雫とやる予定だ。悪いけど、また今度な」
そう言って、俺はドアを開けようとする。
「翔」
またもや彼方が俺を呼ぶ。
「どうした、まだ何かあるのか?」
俺はドアに伸ばす手を止めて、そう返した。
「今日はどの教科をやるんだい?」
「今日は生物だ。だからこれを取りに来たんだよ」
そう言って俺は生物のワークを見せる。
「とりあえず、雫待たせてるから。じゃあな」
そう言って俺はドアを開け━
ガタッ、ガタッ。音がする。鍵でもかかってんのか?
「開かないよ」
すると彼方がそう告げる。
「何言ってんだよ。鍵なんかかけやがって…」
そう言って俺は鍵を開けようとする。
ん?鍵のレバーが上がっている…鍵はかかってないのか?
「だから言ったじゃないか。開かないって」
「どういうことだ?」
何を言ってるんだ?コイツは。訳がわからん。
「言った通りだよ。そのドアは開かない」
「そのってことは後ろのドアは開くんだろ」
そう言って俺は教室後方のドアを開けようとする。が、こっちも開かなかった。
おいおい、何がどうなってんだ……
「どういうことだ?」
同じ事を再び聞き返していた。
「翔。君は最上さんが好きかい?」
コイツは急に何を言い出すんだ。
「それがどうした」
「だから、好きかどうか、だよ」
「聞いてどうする。あとドアに何をした…」
すると彼方は少し呆れた感じで
「別に僕は何もしてないさ。にしても、答えないんだね」
何もしてないだと?なら何故?何故開かないんだ?
「開かない理由に関しては翔、君に原因があるんじゃないかな?」
「どういうことだ」
俺は短時間で同じ質問を何回したんだ?っていうくらいどういう事かわからん。
「だから、翔に原因があるってことだよ」
「原因……?彼方、お前は何を言っている?」
「なら、翔。もう一回聞くけど、最上さんのことは好きかい?」
「だからなんでそれを……」
「いいから、早く答えて」
彼方はとても真剣な面持ちだった。
「それはもち……」
その時だった。
「待ちなさい!」
俺と彼方しかいない教室に、俺でも、彼方でもない声が鳴り響いた。
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