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「俺は……」
なんで、こんなに……。
らしくもなく、深く深くため息をつく。
考えることは得意じゃない。自分は身体を動かすのが性に合っていて、頭を使うのは――。
(……え?)
今、何を考えた?
「おーい、肉団子作りすぎたんだが、いる……何やってんだ?」
カチャリと小さな音をたてて開かれた扉の向こうから困惑した声が聞こえる。ハッとして顔を上げた由弦は、そこにある姿にピキッと固まった。
「紫呉、固まっていないで入れ。渋滞している」
呆れたような声と共に固まったままの身体がグイグイと押される。そしてようやく弥生と優も姿を現したのだが、由弦の目には深皿を持ったまま固まり続けている紫呉しか映っていなかった。
今、雪也の膝に顔を埋めているのを、見られ、た?
「ち、ちが――ッ!」
違うのだ! 誤解だ! と、別に誰も何も言っていないというのに由弦は叫んだ。勢いよく尻で後退って雪也から距離をとり、違う違うと手を横に振る。その必死な様子に弥生は呆れたように息をつき、優はクスリと笑った。落とされてはかなわないと固まったままの紫呉の手から弥生が深皿を取る。
なんで、こんなに……。
らしくもなく、深く深くため息をつく。
考えることは得意じゃない。自分は身体を動かすのが性に合っていて、頭を使うのは――。
(……え?)
今、何を考えた?
「おーい、肉団子作りすぎたんだが、いる……何やってんだ?」
カチャリと小さな音をたてて開かれた扉の向こうから困惑した声が聞こえる。ハッとして顔を上げた由弦は、そこにある姿にピキッと固まった。
「紫呉、固まっていないで入れ。渋滞している」
呆れたような声と共に固まったままの身体がグイグイと押される。そしてようやく弥生と優も姿を現したのだが、由弦の目には深皿を持ったまま固まり続けている紫呉しか映っていなかった。
今、雪也の膝に顔を埋めているのを、見られ、た?
「ち、ちが――ッ!」
違うのだ! 誤解だ! と、別に誰も何も言っていないというのに由弦は叫んだ。勢いよく尻で後退って雪也から距離をとり、違う違うと手を横に振る。その必死な様子に弥生は呆れたように息をつき、優はクスリと笑った。落とされてはかなわないと固まったままの紫呉の手から弥生が深皿を取る。
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