必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「お前が思い出したなら、もう良いだろう? お前が納得するまで何度だって言ってやる」
 さっきもどさくさに紛れて言ったが、伝わっているか怪しい。だがもうこの勘違いを放っておくことはできない。
「今も昔も、俺が好きなのはお前だよ、由弦。あの日連れてきた義務じゃねぇ。昔のお前だからでもねぇ。俺が好きなのはあの時のお前であり、今を生きるお前だ」
 その魂を愛した。例え世界が変わろうと、環境が変わろうと、生まれや身分や立ち位置さえも変わったとしても、決して変わることのないモノ。
「受け入れたくねぇなら、それでも良い。過去がそうであったからって、絶対に元にもどらねぇといけねぇわけじゃないからな。でも、この感情を否定してくれるな。お前に信じるどころか勘違いされるのは、もうごめんだ。だってそれは拒否されるよりもよっぽど不幸なことだろ?」
 受け入れたくないなら受け入れなくても良い。拒絶したいならそれでも構わない。けれどこの気持ちを勝手に変えないでくれ。それだけで良いから。その言葉を腕の中で聞いていた由弦はハッと目を見開いた。
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