必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「…………皆、外へ。春風さんと少し、話しをさせてください」
 静宮には叶えられなかった、茂秋の最期を知る弥生と話しを。その願いにお付きの者達は少し躊躇った後、ゆっくりと頭を垂れて部屋の外に控えた。パタリと、襖が閉められる。
「……春風さん、お帰りになるまでずっと信じずにいましたが、どうやら私は、寄る辺を亡くしてしもうたようです」
 この冷たく広い、広い城で、幼子を抱え、独りに……。
「姫宮様を、決して独りになどいたしません。私では役不足でございましょうが、それでも、弥生はずっと、姫宮様の味方でございます」
 淀みなく言う弥生に、クシャリと静宮は泣き笑う。
「そう言うてくださるのは嬉しいことですが、前に上さんから聞いております。もしも上さんが亡くなられ、将軍位が芳次殿の手に渡るようやったら、その時は春風さんを衛府から遠ざけるよう命じると。鶴頼はまだ産まれたばかりで、当然将軍の重責は負えませぬ。ならば、やはり私は独りになりましょうや」
 まして尊皇が叫ばれる今、帝の妹たる静宮に衛府で息をつける場所はない。絶対的な庇護者である茂秋を失い、弥生までもが衛府を去る。確かに、静宮は産まれたばかりの鶴頼を抱え、独りぼっちになってしまうだろう。それでも――。
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