503 / 984
501
しおりを挟む
「その刀で国を作ると?」
多くの犠牲を出し、血に塗れ、その先に求める国を作るというのか。
「無論。犠牲なくして大事を成すことなどできぬ」
死を恐れないと言えば聞こえは良いかもしれないが、紫呉は僅かに眉間に皺を寄せた。
「お前らがどんな国を願っているのか俺にはわからねぇが、それはどうしても血に塗れなけりゃ成せないものか? 衛府にも領主にも、話のわかる奴はいる。なんなら俺が引き合わせても良い。力じゃなく、言葉で成したらどうだ」
槍を持ち、戦うことだけが唯一の取柄とまでのたまった男の言葉とは思えず、浩二郎は静かに目を細め、いつでも刀が抜けるよう鯉口に指をかける。
「我々の言葉を衛府の者が聞くと? とんだおめでたい頭だ。衛府とて、力で今の世を築いた。ならば我々の力で滅ぼされるのもまた、定めというもの」
「何が何でも力で成すつもりか?」
それがまるで全き悪道であるかの物言いに少し苛立ちながら、浩二郎はフン、と鼻で嗤ってみせた。
「綺麗ごとを。あなたとて力を振るい、成す者ではないか」
「否定はしねぇが、それでも他の道もあるのに何が何でも力を振るおうとは思わねぇよ」
多くの犠牲を出し、血に塗れ、その先に求める国を作るというのか。
「無論。犠牲なくして大事を成すことなどできぬ」
死を恐れないと言えば聞こえは良いかもしれないが、紫呉は僅かに眉間に皺を寄せた。
「お前らがどんな国を願っているのか俺にはわからねぇが、それはどうしても血に塗れなけりゃ成せないものか? 衛府にも領主にも、話のわかる奴はいる。なんなら俺が引き合わせても良い。力じゃなく、言葉で成したらどうだ」
槍を持ち、戦うことだけが唯一の取柄とまでのたまった男の言葉とは思えず、浩二郎は静かに目を細め、いつでも刀が抜けるよう鯉口に指をかける。
「我々の言葉を衛府の者が聞くと? とんだおめでたい頭だ。衛府とて、力で今の世を築いた。ならば我々の力で滅ぼされるのもまた、定めというもの」
「何が何でも力で成すつもりか?」
それがまるで全き悪道であるかの物言いに少し苛立ちながら、浩二郎はフン、と鼻で嗤ってみせた。
「綺麗ごとを。あなたとて力を振るい、成す者ではないか」
「否定はしねぇが、それでも他の道もあるのに何が何でも力を振るおうとは思わねぇよ」
1
あなたにおすすめの小説
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
兄の親友と恋人ごっこしています
さくら乃
BL
兄の親友を好きなことを隠して恋人ごっこをする話。
兄優雅の親友陸郎は兄が好き。そして、僕、温は陸郎が好き。
そのことを隠して「兄の代わりにしていいよ」と持ちかける。
恋人ごっこをしながらどうにか自分のことを本当に好きになって貰えないかと画策する。
表紙は自前の写真を加工して作りました。
目標、それは
mahiro
BL
画面には、大好きな彼が今日も輝いている。それだけで幸せな気分になれるものだ。
今日も今日とて彼が歌っている曲を聴きながら大学に向かえば、友人から彼のライブがあるから一緒に行かないかと誘われ……?
嘘の日の言葉を信じてはいけない
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
嘘の日--それは一年に一度だけユイさんに会える日。ユイさんは毎年僕を選んでくれるけど、毎回首筋を噛んでもらえずに施設に返される。それでも去り際に彼が「来年も選ぶから」と言ってくれるからその言葉を信じてまた一年待ち続ける。待ったところで選ばれる保証はどこにもない。オメガは相手を選べない。アルファに選んでもらうしかない。今年もモニター越しにユイさんの姿を見つけ、選んで欲しい気持ちでアピールをするけれど……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる