必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「雪也!」
 湊の場所からは雪也しか見えなかったが、駆け寄ってみるとそこには周も由弦も、そして蒼の姿もあった。
「蒼ッ、雪也ッ、周ッ、由弦ッ、何があったんだッ!」
 大声で叫び、その肩を揺する。だというのに誰一人として目を開かず、身じろぎさえしない。なぜ、と蒼の頬に手を伸ばし触れた瞬間、湊は現実を突きつけられた。
 手のひらにつたわる、その冷たさ。生きる者の温もりが僅かも感じられない、残酷な冷たさがそこにあった。
「……そ……な……」
 違うと言ってほしい。単なるおふざけだと笑ってほしい。驚かせたかっただけの、趣味の悪い冗談だと。
 願って、願って、叫ぶように蒼の肩を揺さぶり、雪也の手を引き、周の胸を叩いて、由弦の耳元で叫んだ。
「蒼ッ、お袋さんが待ってたぞ!」
 泣いていた。蒼は家族が大好きだから、行かないといけないだろう?
「雪也おきろッ! 弥生さまを待ってるんじゃなかったのか!」
 帰ってこられるのをずっと待っていると、そう言ったじゃないか。
「周ッ、雪也に肉を食わせるって意気込んでただろ! 周ッ!」
 弥生が発ってからまたあまり食べなくなった雪也を心配して、ちゃんと肉を食べさせないと、と闘志を燃やしていたじゃないか。
「おい由弦ッ! サクラが帰ってきたぞ! お前はサクラの家族だろ! ずっと一緒だって言ってたじゃないかッ!」
 サクラが寂しがって鳴いているんだぞ。お前が抱きしめてやらなくてどうするんだ。
 叫んで、叫んで、なのに誰一人として瞼を開かない。ただ冷たくそこに眠っているだけだ。
「みんなッッ!!」
 起きて……、起きろよッッ!
 認めないと、縋るように揺さぶろうとした湊の肩を、静かに見守っていた男がポンと叩いた。たったそれだけなのに、こんなにも重い。
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