必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 近臣たちの多くは決して良い為政者ではない。栄華を極め、享楽にふけり、富と権力を手放すことに何よりも怯える者達だ。自らを守るため、あるいは自らの私情で権力を振りかざす者もいる。だが、彼らが政から消えたとて、今のままでは同じことが繰り返されるだろう。ただ人が変わるだけに終わる。
 例え正当なる意見があろうと、大いなる志があろうと、それを成すために多くの命を奪うことを良しとした時点で、悪人であれば法を介さず私刑に処したところで問題ないと刀を握った時点で、彼らは決して正義にはなりえない。
「犠牲無しに改革はできぬ……とはいえ、余とてそなたらの家族や配下の者たちまでその犠牲になれとは思わぬ。確かに、そなたらの言う通りだ。多くの権力者はほんの僅かでも衛府に関わった者を守ってはくれぬかもしれん。何もかも奪われ苦しみにのたうち回ろうと、ただ眺めて手のひとつも差し伸べてはくれぬかもしれん。だが、だからこそ春風の名を使ってでも領主らをこの場に呼んだのだ」
 これは一種の賭けでしかないが。そんなことを胸の内で呟きながら、芳次はただ静かに聞いていた領主の方へ視線を向けた。彼らは一様に無の表情を浮かべており、その内心をうかがい知ることはできない。見方によっては近臣たちの当たり前とも保身が過ぎるともとれる先程の言葉に、彼らは何を思っただろうか。
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