必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 あの日、弥生は峰藤が敵になるかもしれないと思い、そのようなことを告げたのだろう。事実、あの言葉が無ければ杜環は峰藤領主の考えに否とは言わず、結果衛府の終焉に手をかしていた。光明を止めるどころか、同じように峰藤でも挙兵していたかもしれない。
 だが、杜環も当主も留まった。彼らにも確かに大切な者がいたから。
 同じように、戦の芽となりそうな領主や補佐官らに春風家は会っていたのだろう。そうでなければとっくに城下町は火の海となり、近臣らの屍で大地は真っ赤に染まっていただろう。いかに帝の勅書を携えていようと、弥生があの場にたどり着くことさえできなかったに違いない。
 打てるかぎりの手を、春風家は打っていたように杜環は思う。それでも時代は動き、誰もにそれを止めることはできなかった。どれほど無念であろうと、杜環は春風の二人を思って胸を痛めていたが、紫呉を弥生の元へ送り届けた時に、彼の瞳を見た瞬間に思い出した。弥生は杜環に大切な者達がいると話したあの日からこうなることは覚悟していたのだと。もはや出来ることなど被害を最小限に抑え、一人でも多くの命を救うことしかないのだと。時は、流れるのだと。
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