虚構の檻 〜芳香と咆哮の宴~

石瀬妃嘉里

文字の大きさ
10 / 29
2017.5.3.Wed

処刑と襲撃① 【 二日目 夜 】

しおりを挟む



「クソッ! あいつら、本当にこの状態で放置しやがって……!」

 ギシギシと、椅子が軋む音が、物音一つしない丸太小屋の中に響く。畜生、ぎっちりと縛りやがって。明宣の奴、馬鹿力が過ぎるんだよ。
 そうして、何度か脱出しようと藻掻いてみるが、自身を拘束する縄はびくともしない。せめて刃物か、あるいはガラス瓶でもあれば、と思うが、生憎、付近にあるのは、木造のベッドとテーブルくらいしかない。
 強いて言うなら、目線の先、数メートル右側に窓ガラスがあるが、……どのみち、この状態では、割る事もままならないだろう。
 暴れる事にも疲れ、仕方無く椅子に身体を預けながら、俺こと、塙美津瑠は現状を恨む。思い出されるのは、数時間前の事だ。



「俺は人狼なんかじゃねぇ! 信じてくれよ……!」

 最初の“人狼裁判”で最多票を得て、人狼だと断定されてしまった俺は、明宣と将泰、そして相田先生に押さえ込まれながらここ、丸太小屋へと連行された。
 久し振りに来たそこは、夜である事も相まって、何かが潜んでいそうに思える程の不気味さを醸し出していた。
 小屋に近付くにつれ、危機感を募らせた俺は、何とか三人から逃れようと暴れ出す。
 冗談じゃねぇ。こんな不気味な小屋に置き去りにされたくない。それにここは、“処刑予定者の隔離場所”なんだろう? なら、処刑を行うとしたら、ここでやるって事になるんじゃねぇのか? もしそうなら、……ここに閉じ込められる事そのものが、死を意味しているという事になるんじゃねぇのか!
 おそらく、これから起こるだろう最悪の未来が頭を過ぎり、ひたすら抵抗していると、不意に近付いて来た将泰が、ぼそりと俺の耳に何かを囁く。

「良い加減諦めろ美津瑠。 死ぬ事が怖いのか? ……そういうの止めろよ。萎えるだろ」
「将泰、お前……!?」
「お前自身が言った事だろう。あれは当然、自分が“こう”なるだろう事も覚悟した上での言葉だよな?」

 言いつつ将泰は、俺の手首を握り、ギリギリと力を込める。あまりの痛みに抵抗を止めてしまった俺は、チャンスとばかりに、三人がかりで小屋の中へと引き摺られて行った。
 暗い廊下を挟んだ両側の内の右側、出入口から最も近い場所のドアが開かれる。そこにあったのは、暫く使われていなかった、埃っぽい一室だ。
 この丸太小屋は、ストーブ用の薪を保管するだけでなく、人が大勢泊まりに来た時の宿変わりにもなると聞いている。その為、ここには狭いなりにも、部屋が四つあるらしい。

「とっとと終わらせるか。ここでもたついて、時間内に部屋に戻れないとか馬鹿げている」
「だな、そのせいで一度に四人死んだりとかしたら、笑えないよな」
「すまない、塙君。だが、これも他の皆を救う為なんだ……!」

 明宣、将泰、相田先生がそう言いながら、俺を近くにあった椅子に座らせ、縄でぎっちりと縛り付けた。止めろお前ら。こんな事したら逃げ出せなくなるだろ。

「は……!? ふざけんなお前ら! 外せ! 外せよ! 俺は、村人だ!!」

 ガンガンと、椅子が倒れそうになるくらいに、俺は激しく暴れるが、びくともしない。そうして俺が、縄と格闘している間に、三人は部屋を出て行こうとする。おい待てお前ら! 本当にこのまま置いて行く気かよ!
 俺は確かに村人だ! ここで俺が死ぬ事は、村人が一人減るという事だ。良いのか? この時点で、お前らは敗北に一歩近付く事になるんだぞ!?

「後悔するぞ! これで今晩、死ぬ事になるのは村人だ! お前らは、自分の首を締めているんだぞ!! 終わったな! このゲーム、勝つのは人狼だ! それに気付かない大馬鹿野郎共め! すべてが終わってから泣きを見るんだな! あっはははははは!!」

 俺を差し出した元仲間達の決定が、あまりにも愚かに思えて、俺は狂ったように笑う。笑い過ぎて涙が滲む視界に、哀れなモノを見るような目を俺に向ける、三つの顔が映った。
 喚き、嗤う俺に何も返す事無く、あいつらは部屋のドアを閉めたのだった。



(もっと楽しみたかったなぁ……。こんな機会、滅多にねぇっていうのに。……こんな筈じゃなかったのに。こんな最初で処刑されるとか、格好悪過ぎだろ。)

 昔から、刺激的な事が大好きだった。
 映画もゲームも、サバイバル系やデスゲーム系とかの、スリル満点な物ばかり選んでいたし、スカイダイビングやバンジージャンプにも憧れていた。
 特に、女の子口説く時の駆け引きは、ゲーム感覚でワクワクしたし、口説き落とせた時の達成感が堪らなくて、しょっちゅう女の子をナンパしていた。おかげで“ナンパ野郎”の称号を得てしまったが、事実なので仕方無いとは思っている。
 だからこそ、今回のこのゲームは、大歓迎だった。
 こんな刺激的なシチュエーション、一生に一度でも遭遇出来るようなモノじゃない。通常の人狼ゲームと同じように、相手を騙し、欺き、処刑台に送る。……最高じゃないか!!
 それなのに、結果はこのザマだ。
 楽しみにしていた “裁判”では票を集め、早々にゲームを脱落してしまった。自分がヤバイ思考持ちだという自覚はあるが、気分が高揚すると、化けの皮が剥がれてしまう悪癖が、一番の敗因かもしれない。
 本当に、惜しい事をした。出来るなら、もっとこの非日常に浸っていたかったというのに‼
 自分の失態に歯噛みしていると、突然、ドアの方からガチャガチャと、鍵を開けようとする音が聞こえた。

「…………は?」

 その音はやがて、カチ、と解錠する音に変わり、ギィィ、と古いドアを開く不気味な音が、室内に響く。瞬間、外から侵入して来た生暖かい風が頬を撫で、ぞわり、と背筋を震え上がらせる。

(来た……! もしかして、処刑人的な奴が来たのか……? )

 バタン! とドアが乱暴に閉まった後、コツ、コツ、と床を鳴らす靴音が、徐々に近付いて来る。
 静かに、しかも確実にやって来るだろう“死”に、俺は恐怖を感じていた。ばくばくと胸を打つ心臓の暴れる鼓動と、がちがちと己の歯が鳴らす音が煩い。
 そして靴音が、俺から僅か数メートル近くのところで止まる。テーブルに設置された蠟燭に火が灯された瞬間、俺は、目の前の光景を疑った。

(…………え?)

 自分は、幻覚を見ているのだろうか。そんな、そんな事あるわけない。──あっては、いけないんだ……!

「……嘘だろ? 何でだよ! 何で──!?」

 思わず上げた叫びは、首に深く食い込んだ何かに止められる。厚くて重いそれは、おそらく斧か鉈か、兎に角、ここにある刃物だと思われた。それが一気に引かれた瞬間、首から勢い良く何かが吹き出し、顔に降りかかる。
 ……この匂い、絶対血じゃねぇか。何だよ。本当にこれで終わりなのか。呆気無いもんだな。
 直後、足元に衝撃を感じて、自分の身体がぐらりと横側に大きく揺れる。多分、椅子を蹴られたのだろう。

「二日目の処刑、完了」

 そんな淡白な声が耳に届くのと、自分が床に倒れたのは、ほぼ同時だった。どくどくと、熱い液体が首から止めどなく溢れるのを、薄れゆく意識の中感じていた。
 何で、こんな事になっているんだろう。
 やっぱり、***の事で、バチが当たったのか。
 でも、仕方ぇと思うんだよな。将来の事考えたら、***より朱華ちゃんを選ぶのが当然な筈だし。まぁ、確かに、申し訳なかったとは思うけどさ……。
 どのみち、こんなところで死んだら、意味無いよな。
 ごめん、***。多分、というか絶対、許してくれないよな。
 それが、俺の人生最期の反省となったのだった。



「……もう、こんな時間か」

 腕時計で時刻を確認すると、もうじき午前零時になるところだった。……あの手紙によると、人狼が行動を始める時間だ。
 丸太小屋に置いて来た、塙君は無事だろうか。……なんて、おこがましい。危険性があると判っていながら、彼を丸太小屋に置き去りにしたのは、自分でもあるというのに。

「……すまない、塙君」

 自分の無力さ、至らなさを痛感しながら、私、相田修作は懺悔する。
 手紙のルール上仕方無かったとは言え、私は塙君を見捨てた。判っている。もし、彼を庇って丸太小屋に連れて行かなかったら、ルール違反と見なされ、他の教え子達を危険に晒していたかも知れないのだから。
 しかし、だからといって、彼を犠牲にして良かったとは思えない。本来なら、何としてでも生徒を守るのが教師だと、私は思うからだ。

「……私はまた、教え子を犠牲にするのか」

 私はふと、六年前の事を思い出す。***さんが、自分に助けを求めて来たにも関わらず、結局はその手を離してしまった。ひとえに、私が学校からの圧力に抗おうとしなかったからだ。結果的に***さんは……。
 私は、自分の犯した罪の重さに耐えられず、妻にすべてをぶちまけた。妻はそんな私を責める事はなかったが、数日後、息子を連れて家を出て行った。当然だと思う。私だって、こんな最低な教師に、我が子を預けたいとは思わない。だから、……仕方無いのだ。

 そろそろ寝るべきだろうか。そう思い、再び腕時計を確認しようとしたところで、突然、部屋のドアが開く。
 あぁ、今日の襲撃先は私か。虚しい事だが、これも運命なのだろう。大人しく、受け入れようと思う。

 抵抗する素振りも見せず、デスクの椅子に座っていると、明かりを手にした人影が、部屋に入って来る。その人影の顔を確認した時、私は、このゲームの目的を知った。

「そうか、……君か。もしかしたら、と思っていたよ。……***さんの、仇討ちだね?」

 私がそう言うと、やって来た人影──人狼は、少し驚いたようだった。まさか、気付いているとは思っていなかったのだろう。だが生憎、いくら年を重ねたとしても、今まで受け持った教え子達の事は、一人として、忘れたつもりはない。

「私を、殺しに来たのだろう? ……申し訳無いが、ほんの少しだけ待ってくれないか? 大丈夫。あまり時間はかからないからね」

 言いながら私は、愛用しているボストンバッグを開き、目的の物を取り出して、相手に手渡す。

「これを、託しても良いかな? あの子が、探していると思うんだが。偶然、私が見つけてね。ずっと渡したかったのだけど、会う機会が訪れぬまま、今日まで来てしまった。……ずっと、後悔していたよ。“あの日”の事は。私は教師でありながら、結局は権力に負けてしまった。今更だろうが、……すまなかった。君達からすれば、自己満足にしか見えないと思うが、せめてけじめを付けたかったんだ」

 こんな、今更の謝罪をしたところで、罪が帳消しになるとは思ってはいない。それでも、言葉にせずにはいられなかった。
 私は、教師失格だ。本当ならもっと早く、教壇から退くべきだった。けれど、臆病で卑怯な私はずっと、己のポストにしがみ付き続けた。どうしようもない、馬鹿者だ。しかし、それももう終わりだ。

「……もう良いよ。最後まで聞いてくれてありがとう。いっその事、一思いにやってくれないか?」

 伝えたい事は伝えられたし、託すべき物は託した。もう、思い残す事はない。……いや。本当は、もう一つだけある。けれど、それを今から叶える事は、出来ない。
 これは、私自身への罰だ。弱者たる生徒を結果的に見殺しにした、愚かな教師への罰である。
 ベッドに座り、ゆっくりと目を閉じる。すると、数秒も経たずして、大型の刃物と思われる何かが、首に食い込むのが判った。刹那、それが横にスライドされるのを感じて、自分の頸動脈が断ち切られたのだと悟った。

「……二日目の襲撃、完了」

 感情を消し去ったその声を聞いてすぐ、身体が床に叩き付けられる。今朝、嗅いだのと同じ、鉄錆に似た生臭さが鼻腔を刺激した時、私はようやく、もうじき訪れる死を実感した。
 早智子さちこ駿しゅん、今まですまなかった。父さんは、先に逝く。
 出来る事なら、もう一度だけ、会いたかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...