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カレリア編
第3章: ヘビに睨まれたカエル
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ルビーのネックレスを盗んでから3日が経った。ルビーのネックレスの件で街が変に警戒心を持っていないか確かめるためにセフは深夜、中央区にあるアストリッド邸に向かった。
もちろんセフが市庁兼首長の私邸へ窃盗に入るという訳でもなく、北西地区へ出かけるためにどうしてもそこを通らなくてはいけないからである。
眠らない街カレリアの中央区から北西区にかけては、夜間でも常に明かりはギンギンについており、活気があふれる。
一方南東区は言うまでもなく、同じ街とは思えないくらいに静寂に包まれた闇夜が横たわっていた。
セフは人がまばらな南東地区よりの中央区を道の端に沿いつつ、目立たないように歩く。そしてアストリッド邸の庭の内部を通る街路の端からチラッと豪邸の外装を仰ぎ見た。
シミや傷が一つもない真っ白な外壁には、赤いバラのレリーフが至る所に施されており、帝国第2位の都市の市庁にふさわしい豪華絢爛な佇まい。
二階建ての豪邸としか真下の街路からは覗き伺えないが、南東区の高い場所に登ればドーム状のテラスが、二階建てのさらに上にあるのが見える。
一見、塀も何もない見た目から防犯の手薄さが感じとられるが庭には多数の市警が配備されていたり、侵入者を察知すると即座に緊急体制が敷かれるという恐ろしい防衛システムがあるらしい。
師匠に、
『ここへは安易に侵入するな。あっという間に牢獄行きじゃ』
と言わせるほどだ。他の盗人もここだけは避けているようで20年以上誰もここへは侵入を試みていない。
絶対、お宝が山のようにあるんだろうなぁ……。
師匠にキツく禁止されているのに不謹慎にもそんなことを考えてしまい、セフは慌てて首を横にブンブン振ってから歩き出そうとした。
『自分の欲はいずれは自らを破滅に追い込む』
それも師匠が常日頃から口酸っぱく言っていたことだった。
セフは歩き出そうとしたのだが、歩き出すことはできなかった。
セフはすぐ目の前を、光る何かが視認できる限界の速度で上から下へ流れていくのを見て
星が落ちてきた!?
と第六感が予覚したため、反射的に後方へ飛びのいたからだ。
「コン!」
想定したよりも迫力のない落下音にセフは胸を撫で下ろした。
そして、あの速さで硬い地面に落下しても破裂した様子もない光輝く玉に好奇心ゆえ、ゆっくりと近づく。
ダ、ダイヤだ…!
日々、様々な宝石に触れ合い身につけた選定眼でその若干角ばった球状の石の煌めきを見てそう悟った。
拳の一回り小さい大きさのそれは、体いっぱいに不朽の輝きを有し、世界で一番硬い石と謳われるその強度を丸石を敷き詰めた道路に落ちても傷一つ許さないことで証明してみせたのだった。
セフはすぐに落ちてきた方向、つまり真上を打ち見るとアストリッド邸の二階から何かを持った腕が窓から伸びているのが視認できた。
その白くほっそりとした腕が月に照らされてぼんやり光っているのを見てそれが女性のものだと認識した。
や否や、第二の落下物は所有者の手元から離れる。
また来る!
そう思ったセフは、流石の盗賊魂を発揮し地面に落ちているダイヤを手早く接収してから、さっと身を引いた。
しかし、その手から次に落とされたものは垂直落下運動をするのではなく、宙を落ち葉のようにヒラヒラと舞い落ちている。
これは……手紙?
薄く白っぽい落下物を手紙だと認識したセフは窓から宝石を落とすという奇行の原因を突き止めるために、街路を通る通行者を押し退けつつ、黒いフードケープをはためかせ、冷たい夜風に舞う手紙を一目散に追いかけ始めた。
アストリッド邸から離れていくように飛んでいく薄く白い物体はたちまち高度を落とすとセフの5メートル先に落下したように思われた。
というのも彼の視界の半分は街路をノシノシと歩く馬が引く屋台に遮られ、その結末は分からなかったのだ。
セフはすぐさま馬車を回りこみ、路面を素早く俯瞰する。
地面に落ちている、すぐにでも通行者に踏まれてしまいそうな白いモノを見つけた。
セフの予測していた通り、薄く白いモノは手紙だったようで手紙の内容を心ない者から保護するために赤い封蝋が中心に押されていた。
セフは一歩、二歩と近づき手を伸ばす。高級そうな便箋に指が触れる直前、手紙は不意に馬車側に立っていた何者かに拾い上げられる。
「これは君のか」
簡単にそれだけ言う男の声は一体誰なのか。
セフは男を見上げた。
突然セフは面食らったように後ずさる。
「私はアストリッド家直属の市警として庭の内部に直通している街路の落し物も十分管轄内なのだが」
金の星が光るキャップを被り、青に白いラインを基調とした警官服をパリッと着込む男。
しかも、この街に巣食う犯罪者の天敵である市警の中でもエリートと評されるアストリッド家専属の警察官だった。
セフは一気に変な汗が身体中から噴き出るのを感じる。
今まで足がつかないように必死こいて逃げ回ってきた彼にとって目の前に天敵が立ち、話しかけられていること自体が狼狽に値した。
「すみません。それは僕の物です。落としたら風に飛ばされてしまって……」
セフは何とかお得意の嘘でごまかし、目の前に差し出された真っ白い手紙を半ば奪うように手を伸ばす。
「いいや、それは違うね。たかが一般人の分際でアストリッド家の蝋印が押された書状を受け取れるわけがないだろう」
市警はセフの素早い掻っ払いをかわし頭上に手紙を掲げると真っ白い手紙を裏返し、赤いバラ、つまりアストリッド家の家紋の模様を模す蝋印を見せた。
拾い損ねた時に封蝋を見たのに!
通常、アストリッド家の家紋がついた書状というのは貴族や、名の知れた富豪といった彼らと交友がある者たちに送られるものでありみすぼらしい姿をした平民や貧民に送られることは万が一にもあり得ないのだ。
目の前の体現された恐怖にセフの判断は完全に鈍った。
絶対絶命、ヘビに睨まれたカエルである。市警のエリートに対しては下手な嘘一つひとつがセフを苦しめることに違いなかった。
「それは、その……」
もはや、何も言えなくなったセフに尚も市警は追打ちをかけた。
「しかも、この手紙はセシリア様が落としになられた書状のようにここからは見えたのだが、もしや貴様その身なりからして泥棒か?」
猜疑心に満ちた細い目。セフの心臓の鼓動は高く跳ね上がり、その心音が直接耳に聞こえるほどであった。
だが、それと同時に市警の語りの中に聞き捨てならないものがあった。
「誰がどこから落としたですって?」
市警がアストリッド邸を返り見て言うことには、
「だから!ほら、あそこの二階の一番右の窓からセシリア様がこの書状を落としになられたのだ!」
語気を強め、指ではなく手で二階の一室を指す市警が聞き取れるかどうかの声でセフはボソッと呟いた。
「そうか、これはトリカゴノヒメギミが……」
「とりあえず君!フードを外して一緒に署へ来なさい!」
突然セフはフードの中の顔を覗き込もうとする市警の手紙を持つ方の手首を手刀で叩く。そして、緩まった市警の手から手紙を奪い返した。
市警の目に驚きと激怒の念が浮かび上がる。
「貴様!何をする!公務執行妨害で現行犯逮捕だ!」
イタチから逃げるリスの如く、セフは目にも留まらぬ速さで後方に向かい通行者をかわしながら駆ける。
右手の痺れに不快感を露わにする市警も負けじと走り始める。
が、しかし、
「うおっ!何だこれは!あいつ、いつの間に!!」
市警は、自分の両の靴ひも同士がしっかりと玉結びされていることに気づかず前方に思い切り転けた。
市警が慌てふためいて玉結びを解いている間に、セフはあっという間に彼の視界から消えてしまったのだった。
自分がアストリッド邸の方を振り返っている間に靴ひもを固く結ばれたのだと今になって気付く。
市警は名も知らぬ黒ずくめの少年の肝が座った仕業に自虐と少年への賞賛の意を込めて、小さく笑った。
もちろんセフが市庁兼首長の私邸へ窃盗に入るという訳でもなく、北西地区へ出かけるためにどうしてもそこを通らなくてはいけないからである。
眠らない街カレリアの中央区から北西区にかけては、夜間でも常に明かりはギンギンについており、活気があふれる。
一方南東区は言うまでもなく、同じ街とは思えないくらいに静寂に包まれた闇夜が横たわっていた。
セフは人がまばらな南東地区よりの中央区を道の端に沿いつつ、目立たないように歩く。そしてアストリッド邸の庭の内部を通る街路の端からチラッと豪邸の外装を仰ぎ見た。
シミや傷が一つもない真っ白な外壁には、赤いバラのレリーフが至る所に施されており、帝国第2位の都市の市庁にふさわしい豪華絢爛な佇まい。
二階建ての豪邸としか真下の街路からは覗き伺えないが、南東区の高い場所に登ればドーム状のテラスが、二階建てのさらに上にあるのが見える。
一見、塀も何もない見た目から防犯の手薄さが感じとられるが庭には多数の市警が配備されていたり、侵入者を察知すると即座に緊急体制が敷かれるという恐ろしい防衛システムがあるらしい。
師匠に、
『ここへは安易に侵入するな。あっという間に牢獄行きじゃ』
と言わせるほどだ。他の盗人もここだけは避けているようで20年以上誰もここへは侵入を試みていない。
絶対、お宝が山のようにあるんだろうなぁ……。
師匠にキツく禁止されているのに不謹慎にもそんなことを考えてしまい、セフは慌てて首を横にブンブン振ってから歩き出そうとした。
『自分の欲はいずれは自らを破滅に追い込む』
それも師匠が常日頃から口酸っぱく言っていたことだった。
セフは歩き出そうとしたのだが、歩き出すことはできなかった。
セフはすぐ目の前を、光る何かが視認できる限界の速度で上から下へ流れていくのを見て
星が落ちてきた!?
と第六感が予覚したため、反射的に後方へ飛びのいたからだ。
「コン!」
想定したよりも迫力のない落下音にセフは胸を撫で下ろした。
そして、あの速さで硬い地面に落下しても破裂した様子もない光輝く玉に好奇心ゆえ、ゆっくりと近づく。
ダ、ダイヤだ…!
日々、様々な宝石に触れ合い身につけた選定眼でその若干角ばった球状の石の煌めきを見てそう悟った。
拳の一回り小さい大きさのそれは、体いっぱいに不朽の輝きを有し、世界で一番硬い石と謳われるその強度を丸石を敷き詰めた道路に落ちても傷一つ許さないことで証明してみせたのだった。
セフはすぐに落ちてきた方向、つまり真上を打ち見るとアストリッド邸の二階から何かを持った腕が窓から伸びているのが視認できた。
その白くほっそりとした腕が月に照らされてぼんやり光っているのを見てそれが女性のものだと認識した。
や否や、第二の落下物は所有者の手元から離れる。
また来る!
そう思ったセフは、流石の盗賊魂を発揮し地面に落ちているダイヤを手早く接収してから、さっと身を引いた。
しかし、その手から次に落とされたものは垂直落下運動をするのではなく、宙を落ち葉のようにヒラヒラと舞い落ちている。
これは……手紙?
薄く白っぽい落下物を手紙だと認識したセフは窓から宝石を落とすという奇行の原因を突き止めるために、街路を通る通行者を押し退けつつ、黒いフードケープをはためかせ、冷たい夜風に舞う手紙を一目散に追いかけ始めた。
アストリッド邸から離れていくように飛んでいく薄く白い物体はたちまち高度を落とすとセフの5メートル先に落下したように思われた。
というのも彼の視界の半分は街路をノシノシと歩く馬が引く屋台に遮られ、その結末は分からなかったのだ。
セフはすぐさま馬車を回りこみ、路面を素早く俯瞰する。
地面に落ちている、すぐにでも通行者に踏まれてしまいそうな白いモノを見つけた。
セフの予測していた通り、薄く白いモノは手紙だったようで手紙の内容を心ない者から保護するために赤い封蝋が中心に押されていた。
セフは一歩、二歩と近づき手を伸ばす。高級そうな便箋に指が触れる直前、手紙は不意に馬車側に立っていた何者かに拾い上げられる。
「これは君のか」
簡単にそれだけ言う男の声は一体誰なのか。
セフは男を見上げた。
突然セフは面食らったように後ずさる。
「私はアストリッド家直属の市警として庭の内部に直通している街路の落し物も十分管轄内なのだが」
金の星が光るキャップを被り、青に白いラインを基調とした警官服をパリッと着込む男。
しかも、この街に巣食う犯罪者の天敵である市警の中でもエリートと評されるアストリッド家専属の警察官だった。
セフは一気に変な汗が身体中から噴き出るのを感じる。
今まで足がつかないように必死こいて逃げ回ってきた彼にとって目の前に天敵が立ち、話しかけられていること自体が狼狽に値した。
「すみません。それは僕の物です。落としたら風に飛ばされてしまって……」
セフは何とかお得意の嘘でごまかし、目の前に差し出された真っ白い手紙を半ば奪うように手を伸ばす。
「いいや、それは違うね。たかが一般人の分際でアストリッド家の蝋印が押された書状を受け取れるわけがないだろう」
市警はセフの素早い掻っ払いをかわし頭上に手紙を掲げると真っ白い手紙を裏返し、赤いバラ、つまりアストリッド家の家紋の模様を模す蝋印を見せた。
拾い損ねた時に封蝋を見たのに!
通常、アストリッド家の家紋がついた書状というのは貴族や、名の知れた富豪といった彼らと交友がある者たちに送られるものでありみすぼらしい姿をした平民や貧民に送られることは万が一にもあり得ないのだ。
目の前の体現された恐怖にセフの判断は完全に鈍った。
絶対絶命、ヘビに睨まれたカエルである。市警のエリートに対しては下手な嘘一つひとつがセフを苦しめることに違いなかった。
「それは、その……」
もはや、何も言えなくなったセフに尚も市警は追打ちをかけた。
「しかも、この手紙はセシリア様が落としになられた書状のようにここからは見えたのだが、もしや貴様その身なりからして泥棒か?」
猜疑心に満ちた細い目。セフの心臓の鼓動は高く跳ね上がり、その心音が直接耳に聞こえるほどであった。
だが、それと同時に市警の語りの中に聞き捨てならないものがあった。
「誰がどこから落としたですって?」
市警がアストリッド邸を返り見て言うことには、
「だから!ほら、あそこの二階の一番右の窓からセシリア様がこの書状を落としになられたのだ!」
語気を強め、指ではなく手で二階の一室を指す市警が聞き取れるかどうかの声でセフはボソッと呟いた。
「そうか、これはトリカゴノヒメギミが……」
「とりあえず君!フードを外して一緒に署へ来なさい!」
突然セフはフードの中の顔を覗き込もうとする市警の手紙を持つ方の手首を手刀で叩く。そして、緩まった市警の手から手紙を奪い返した。
市警の目に驚きと激怒の念が浮かび上がる。
「貴様!何をする!公務執行妨害で現行犯逮捕だ!」
イタチから逃げるリスの如く、セフは目にも留まらぬ速さで後方に向かい通行者をかわしながら駆ける。
右手の痺れに不快感を露わにする市警も負けじと走り始める。
が、しかし、
「うおっ!何だこれは!あいつ、いつの間に!!」
市警は、自分の両の靴ひも同士がしっかりと玉結びされていることに気づかず前方に思い切り転けた。
市警が慌てふためいて玉結びを解いている間に、セフはあっという間に彼の視界から消えてしまったのだった。
自分がアストリッド邸の方を振り返っている間に靴ひもを固く結ばれたのだと今になって気付く。
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