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晴天の霹靂 ~母親side~

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~母親side~
プルルルル…プルルルル…プルルルル…
電話が着信を告げた。
表示されている知らない番号。
わずかに顔をゆがませ、拒否しようとして、思いとどまる。
何故が、先ほどから、胸騒ぎがするのだ。
なんとなく 切る気にもなれず。
迷いながら、通話ボタンをプッシュして 耳にあてる。
「もしもし…」
 オズオズと口を開くと
「こちら〇〇警察ですが、星野さんのお宅で間違いないでしょうか?」
親切ぶって疑問形で話しかけているが、電話でもわかる その威圧感。
「はい。そうですが…」
  『誰か、事故にでも あったのだろうか?』騒ぐ胸中に急かされながら、眉をひそめつつ 口を開く。
「息子さんのつぐみくんを、署で お預かりしています。
お迎え、お願いできないでしょうか?」
予想もしていなかったことを告げられ。
「えっ?事故にでも 遭ったんですか?
息子は、無事ですか?」
矢継ぎばやに尋ねる。
だって、警察の世話になるうようなことは しないはずだと、1ミリも疑っていなかったから。
なのに…少し笑いを含んだ声色で
「息子さんは、無事です。大丈夫ですよ」
安心させるように そう言うと
「本日、〇〇商店で、万引きしている子どもたちを 数人 取り押さえたんです。その中に 息子さんも紛れていまして。
そのまま、警察で保護しているしだいです。
ですので、迎えを、お願いできないかと 連絡させていただきました」
説明を耳にすると サァーと血の気が引き、気づいたら
「すぐ行きまず!!」
携帯を握りしめ、駆け出していた。



++++++++++++++

警察署に着くと、つぐみはパイプイスに座らされていた。 
その前に 一人、女性警官がいる。
その人に、詳細を聞いたところ
つぐみは、初犯であり、かつ、本人も深く反省していることから、今回は【厳重注意のみ】ということだった。
連絡をくれた人や、他の警察官の人たちも 皆、それぞれの対応で 留守にしており、思ったより、警察署の中は、閑散としていた。
つぐみを車に乗せ、さっさと警察署を後にする。

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