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さいごはネコさんのおウチ。
しおりを挟むそのあとも ゾウさんやキリンさん、子どものいえなどを たくさんをめぐり…。
さいごは、またマチナカ、ネコさんのいえだった。
ここは 人といっしょに くらしているのではなく、ネコたちだけで せいかつしているみたいだ。
中に入ると、みんなで体をよせあい ねむっていた。
ときどき スキマから かぜが ピューと入り込み、さむい。
そのたびに ヒナは、ブルブルと 体をこきざみに ふるわせた。
「ここ、けっこう さむいね」
くむようにして、りょうウデを さすりながら、よわったように はなしかけると、
「だから コレなんじゃろ」
サンタさんが 言いながら、ソリの中においてあった おふとんを とりあげる。
ソレは、フワフワと、とても あったかそう。
しかも、みんなでくるまれそうなくらい 大きかった。
「早く かけてあげようよ!!」
はじかれたように カオをかがやかせ せがむヒナに、サンタさんは むごんでうなずく。
サンタさんと キョウリョクして ネコさんたちに おふとんをかけてあげると。
思ったとおり、みんな 入ることができた。
ほどなく、ネコさんたちのいびき(?)が きこえはじめ
「ネコさんたち…きもちよさそう…」
思わず こぼれおちたことば。
しかし…。
「サッサと、つぎ行くぞ!」
ソレを さえぎるように サンタさんが ウデを ひく。
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こうして また ソリにのりこみ、しばらく すすむと
ゆるやかにゆれる ソリのシンドウもてつだって、だんだん ヒナちゃんのマブタが おちてくる。
「ネコさんたち…スゴく、きもちよさそうだたなぁ…」
となりからきこえた はんぶん【ねごと】のような ヒナちゃんのつぶやきに、サンタはわずかにカオをしかめた。
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ヒナは やがて、わずかに 目をさました。
『ここ…どこ…?
…でも…あったかーい…』
ろくに ジョウキョウかくにんもしないで、また その中に カオをうずめる。
しかしそのぬくもりは、なつかしく…
『ダレかに おんぶ…されてる?』
おさないころに タイケンした、パパのセナカを 思いおこさせた。
『ドコ、むかってるんだろう?』
きいてみたかったけど、体がドロのようにおもくて、口をひらくのも おっくうだった。
『まぁ…いいか…。ソレより…
やっぱりサンタさんって、パパなのっかなー?』
そんなくだらないことを かんがえていたら、
いつしか、ヒナのひとみは ふたたび ふかくかさなっていた。
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