1 / 5
① はじめまして
しおりを挟むあたしは、藤堂 さくら。
あおぞら幼稚園に通う 年長さんで 5さいよ。
全然 覚えてないんだけど、あたしが まだ小さかった頃に ママは病気で 死んじゃったんだって。
だから 今は、パパと二人ぐらし。
パパが、お仕事終わって 迎えにくるまで、近くにすんでいるおばあちゃん家で おりこうさんに 待ってるんだー。
肩まである 真っ黒なストレートの髪を、ゆらゆら 横にゆらした。 いわゆる 【おかっぱ髪】というヤツだ。
++++++++++++++
『あっ!イケナイ。もう、こんな時間!
パパのこと、起こさなきゃ‼』
あたしは、ベッドの部屋に 急いだ。
「パパ おはようー」
ドアを開き、元気よく パパに声をかける。
「お、おはよう。もう、そんな時間ー…」
ゴニョゴニョと 何か言ったと思ったら
「あと もう少しー…」 パパは再び 枕に、顔を突っ伏した。
「あっ!ダメだよ‼ …起きてー‼」
あたしは、あわてて ベッドにかけより、パパの肩をゆする。
「ねぇ、起きて! 起きてってば‼」
いつしか、【ゆする】程度だったものが 変化して、ベシベシ 強く 体を 叩いていた。
「さくら、おはよう~」 それが 功をそううしたのか?
やっと パパが 体を起こした。
目をこすりながら、のっそりとベッドの上で あぐらをかく。。
そのまま数秒、ベッドの上で ボーとしていたパパだったが…
「さぁー! ご飯にしよう!」
はずみをつけて ベッドから立ち上がると、さっさと 部屋から出ていってしまった。
「あっ!待ってよー」
その後を追いかけながら、あたしも続いて 部屋をあとにする。
++++++++++++++
「もぉー‼ なんで昨日のうちに 用意しておかないかなー?」
数分後。
玄関で、ゆっくりとクツをはきながら、あたしは可愛げなく 言い捨てていた。
ことの発端は、ついさっき。
家を出るために 二人して、玄関までたどりついた時。
「あっ、マズい!今朝 会議なんだった‼ 書類…書類‼」
そう叫び あわてて、書斎にかけ戻るパパ。
その後ろ姿に投げた あたしの呆れた声だった。
ママが不在のあたしは、幼稚園の好意により 通常より早めに預けられることになっていた。
そんなわけで、あたしとパパは、一緒に出かけなければならないわけだが。
そのパパが、この有り様なわけである。
『あーーもう!……まったく…‼』
玄関ドアによりかかり、腕組みして パパを待った…
ほどなく…
「ごめん、ごめん… 」 あやまりながら、パパは玄関に戻ってきた。
「もぉー! 遅刻しちゃうよ!
なんで? 昨日のうちに 用意しておかなかったのよ‼」
あたしが、ぶつぶつ 文句を言っていると、
「さくら!知ってるかい?」 パパが真面目な顔をして
「ことわざに 【情けは人のためならず】 って言葉があってねー」と言い出した。
「なに、ソレっ⁉」 疑いの目を向けながらも、耳をかたむけていると
「【情け】、かわいそうと思って、忠告してあげてると、
その人が その行いによって受けるはずだった不利益、いわゆる痛い目にあわないで 済んでしまうから、結果的にその人のためにならない。
だから本当に その人を思うなら、あえて あまり注意しないほうが良いんだよー」 と、あたしに説明した。
その時。モクモク…モク…
辺りが 変なけむりに包まれたと思ったら
ポヨン!!!!!!
その中から、赤い…ペンギンが 姿を現した。
「それは、違うペン。
パパさん、間違って教えちゃ いけないペンよ!」
声を聞いて、誰なのか…思い出した。
「もしかして? サラダなの?」 おそるおそる たずねると
「そうペンよ」 アッサリと答え
0
あなたにおすすめの小説
緑色の友達
石河 翠
児童書・童話
むかしむかしあるところに、大きな森に囲まれた小さな村がありました。そこに住む女の子ララは、祭りの前日に不思議な男の子に出会います。ところが男の子にはある秘密があったのです……。
こちらは小説家になろうにも投稿しております。
表紙は、貴様 二太郎様に描いて頂きました。
まぼろしのミッドナイトスクール
木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる