5 / 27
第五話 魅了された男
しおりを挟む
フードを外した瞬間、固まっているイェリを見て、騎士アクレンは眉間にシワを寄せた。アクレンは柔らかそうな金髪に青い目をした、いかにも女性が好きそうな『正統派騎士』という見た目をしていた。
「依頼人が何者であっても、依頼を引き受けてくれると聞いたんだが·······間違いないか?」
イェリははっとし、慌てて弁解をした。
「あ······は、はい!もちろんです!すみせん、先日アクレン様のご帰還を通りでみたばかりだったので驚いてしまって······長旅ご苦労様でした。私達が平和に暮らせているのも、アクレン様達の功績のおかげです!」
イェリが勢いよく頭を下げると、アクレンは興味がなさそうに鼻をならした。
「いや、そういうのはいい。とにかく、俺が魔王討伐に参加した騎士だということは忘れてくれ。おかしな憧れのようなものを抱いているのならそれも止めろ。俺が望むのは、俺にかけられた魅了魔法を君に解いてほしい。ただそれだけだ。」
イェリは顔をあげると、イライラした様子で腕を組んでいるアクレンを座らせ、要望通りすぐに本題に入ることにした。
「は、はい。では、いくつか質問させていただきますね·······魅了魔法と言いましたね?では、アクレン様は今も、どなたかに魅了されていると。」
「ああそうだ。」
「魅了魔法は、いつどのようにしてかけられたのですか?」
「さぁ。いつどこでかけられたのかも分からん。気がついたら、異常な程一人の女のことばかりを考えていた。」
「··············ええと、確認なのですが、何故『魅了魔法』だと思われたのですか?どんな症状が?」
「症状は、常にその女のことを考えているな。朝起きてから寝るときまで。夢にまで出てくる。側にいると心臓がうるさくなり、姿が見えなくなると落ち着かなくなる。他の男と話しているのを見ると、相手の男を殺したくなるな。」
「お言葉ですが、─────それは、一般的な『恋』にも共通する症状だと思うのですが、本当に魔法なのでしょうか?通常、魅了魔法は、かけられた本人が気付くのは稀で、ほとんどの場合かけられていることすら気がつかないものですが·········」
アクレンはイェリの言葉に被せるように、机をバンッと叩き、勢いよく立ち上がった。
「俺を疑うのか!?気付いたから、恥を忍んでここに来てる!········その人が俺の仲間とイチャイチャしてるのを目にした時、俺は頭の中で何度も仲間を殺したんだ。死線を超えてきた、背中を預けてもいいと思える仲間をだぞ!?自分が正気じゃないことくらい自覚してる!!このままじゃおかしくなりそうだからきたんだ!もう頼れるのはあんたしかいない······!」
アクレンの悲痛な叫びを聞いたイェリは圧倒され、疑ってしまった自分が恥ずかしくなった。しかし、アクレンの『死線を超えてきた仲間』という言葉が引っ掛かった。
しばらく無言になったイェリを見て、アクレンはバツが悪そうにストンと椅子に座り直した。
「すまない·········八つ当たりしてしまって。君が悪いんじゃなく、助けてほしいんだ。正直ここ最近、何も手につかないし眠れなくて·········」
強く逞しい騎士が、ガクリと項垂れた。相当精神的に参っているようだった。
「い、いえ。私も配慮が足りない言葉でした。申し訳ありません·····あの、先程『死線を越えてきた仲間』とおっしゃいましたが、もしや魅了のお相手は·····聖女サリーヤ様ですか?」
イェリが聖女の名前を出した途端、アクレンは顔を赤くし俯いた。名前を出すだけでこの反応とは、魅了にかかっているとはどうやら本当らしい。
「詮索する気はないのです·······!!ただ、状況は詳しく知っておいた方が解決しやすいかと思いまして。」
「────ああ。そうだ。相手は聖女だ。」
俯きながら呟いたアクレンの姿が、不謹慎かもしれないが少しかわいいとイェリは感じてしまった。
「そうですか。では、その·····嫉妬の相手というのは、魔法使いのエイデル様でしょうか?」
イェリがエイデルの名前を出した時、アクレンは急に顔を上げた。
「は?いや、端から見ても誰もが分かるとは思うが······勇者ルイスだ。」
ルイスの名を聞いた瞬間、冷たい汗がイェリの背中を伝った。まさかルイスに限ってそんなはずはないという気持ちと、帰還してからまだルイスが会いに来ていないという事実がせめぎあっていた。
「ルイス様ですか?········しかしその、『イチャイチャ』というのは、信頼している仲間として仲良くしているということでは········」
「これは必要な情報か?野次馬根性で聞いてるなら答えないぞ。」
「いえ、決してそのような···········」
治療において、さして深掘りする情報ではなかったが、イェリとしては聞いておかなければならなかった。仕事に私情を持ち込むのはいけないとは思いつつも、一番近くでルイスを見てきたアクレンに、尋ねずにはいられなかった。
「まぁいい。ここでの話は他言無用だ。秘密は守ってくれよ。ルイスとサリーヤは、仲間というよりは男女の仲なんだ。」
「だ、男女の仲·····!?」
「ああ。────俺達は、旅の中で野営をすることが多いんだ。あれは、魔王を倒し、王都へ帰る途中に野営した時だった。夜中目が覚めた俺は、用を足そうと思いテントの外に出たんだ。隣に寝ていたはずのルイスはいなかった。サリーヤが寝ているテントの方で声がするから、何かと思って近付いたら·······」
「····················?」
イェリは耳を塞ぎたくなった。これから、アクレンから発せられる言葉が、イェリを絶望の底に叩き落とすと分かっていたからだ。
「影で分かった。ルイスの上にサリーヤが乗ってて······どう見ても『行為』をしてた。声も漏れてたし、それ意外考えられない。その日以降、明らかにサリーヤはルイスにベタベタするようになったし、ルイスもサリーヤを蕩けるような目で見てる。··········あぁ思い出しただけで腹が立ってきた。もうこの話はいいだろ。」
アクレンはうんざりしたように髪をかきあげ顔を背けた。
イェリはしばらく呆然としていた。思考が回っておらず、どこか自分とは関係のない他人の話を聞いている、そんな感覚だった。
「おい、大丈夫か?なんか変だぞ。」
一点を見つめたまま反応のなくなったイェリを訝しみ、アクレンがイェリの顔を覗き込んできた。
イェリはパッとアクレンを見ると、ひきつったように笑い誤魔化した。
「お話ありがとうございます。アクレン様が魅了魔法にかかり苦しんでらっしゃるということは分かりました。治療できるよう、最善を尽くします。それでは、魅了魔法を解くための薬に必要な材料というのがありまして、───────」
イェリは、『感情』をコントロールする脳の器官を凍らせたように、自信の思考をストップさせた。目の前にいる苦しんでいる患者を救うことが、今の自分の役割だ。薬師の意地でここは乗りきろうと心に決め、アクレンとの今後の話を進めた。
材料が集まり次第、処方する薬を作ることをアクレンに約束した。帰り際、アクレンはイェリを振り返った。
「·········なぁ。俺の話を聞いてから、君が無理しているように感じるんだが気のせいか?余計なことを言ったんだったらすまない。」
全く悪くないアクレンに謝られ、イェリは微笑みながら首を振った。
「いえ!アクレン様の気のせいですよ。私のことは、イェリとお呼びください。きっと治療に成功してみせます。頑張りましょうね。」
「あぁ。よろしく、イェリ。」
アクレンも少しはにかんだように笑い、部屋を出ていった。
扉がバタンと閉まった瞬間、イェリはその場に座り込み、堪えていた涙が嗚咽と共に溢れ出した。
(どうしてなのルイス···········!!信じて待ってたのに─────こんな仕打ちあんまりよ!!)
アクレンの勘違いだと思いたいが、少しの間アクレンと話した印象は、彼は憶測や思い込みで何かを決めつけるような人間には見えなかった。魅了魔法にかかり我を失いかけてはいるが、本来は冷静で、聡明な人物なのだろう。
ルイスが三日経ってもイェリに会いにこないのは、もうイェリの元に戻る気などさらさらないからではないか。
考えてみれば当然だ。今やルイスは国の英雄で、結婚相手など、ルイスの一声であれば、聖女だろうが王女だろうが誰でも望むことができる。
それをわざわざ、田舎育ちの只の幼馴染みだった女との約束を守るはずがない。
その事に気付いたイェリは、悔しさと情けなさ、腹立たしさと諦めが同時に襲ってきて、立てなくなるほど泣き腫らし、その日は仕事を早退して家に帰った。
結局悶々と考えてしまい、一睡もできないまま朝を迎えた。
「依頼人が何者であっても、依頼を引き受けてくれると聞いたんだが·······間違いないか?」
イェリははっとし、慌てて弁解をした。
「あ······は、はい!もちろんです!すみせん、先日アクレン様のご帰還を通りでみたばかりだったので驚いてしまって······長旅ご苦労様でした。私達が平和に暮らせているのも、アクレン様達の功績のおかげです!」
イェリが勢いよく頭を下げると、アクレンは興味がなさそうに鼻をならした。
「いや、そういうのはいい。とにかく、俺が魔王討伐に参加した騎士だということは忘れてくれ。おかしな憧れのようなものを抱いているのならそれも止めろ。俺が望むのは、俺にかけられた魅了魔法を君に解いてほしい。ただそれだけだ。」
イェリは顔をあげると、イライラした様子で腕を組んでいるアクレンを座らせ、要望通りすぐに本題に入ることにした。
「は、はい。では、いくつか質問させていただきますね·······魅了魔法と言いましたね?では、アクレン様は今も、どなたかに魅了されていると。」
「ああそうだ。」
「魅了魔法は、いつどのようにしてかけられたのですか?」
「さぁ。いつどこでかけられたのかも分からん。気がついたら、異常な程一人の女のことばかりを考えていた。」
「··············ええと、確認なのですが、何故『魅了魔法』だと思われたのですか?どんな症状が?」
「症状は、常にその女のことを考えているな。朝起きてから寝るときまで。夢にまで出てくる。側にいると心臓がうるさくなり、姿が見えなくなると落ち着かなくなる。他の男と話しているのを見ると、相手の男を殺したくなるな。」
「お言葉ですが、─────それは、一般的な『恋』にも共通する症状だと思うのですが、本当に魔法なのでしょうか?通常、魅了魔法は、かけられた本人が気付くのは稀で、ほとんどの場合かけられていることすら気がつかないものですが·········」
アクレンはイェリの言葉に被せるように、机をバンッと叩き、勢いよく立ち上がった。
「俺を疑うのか!?気付いたから、恥を忍んでここに来てる!········その人が俺の仲間とイチャイチャしてるのを目にした時、俺は頭の中で何度も仲間を殺したんだ。死線を超えてきた、背中を預けてもいいと思える仲間をだぞ!?自分が正気じゃないことくらい自覚してる!!このままじゃおかしくなりそうだからきたんだ!もう頼れるのはあんたしかいない······!」
アクレンの悲痛な叫びを聞いたイェリは圧倒され、疑ってしまった自分が恥ずかしくなった。しかし、アクレンの『死線を超えてきた仲間』という言葉が引っ掛かった。
しばらく無言になったイェリを見て、アクレンはバツが悪そうにストンと椅子に座り直した。
「すまない·········八つ当たりしてしまって。君が悪いんじゃなく、助けてほしいんだ。正直ここ最近、何も手につかないし眠れなくて·········」
強く逞しい騎士が、ガクリと項垂れた。相当精神的に参っているようだった。
「い、いえ。私も配慮が足りない言葉でした。申し訳ありません·····あの、先程『死線を越えてきた仲間』とおっしゃいましたが、もしや魅了のお相手は·····聖女サリーヤ様ですか?」
イェリが聖女の名前を出した途端、アクレンは顔を赤くし俯いた。名前を出すだけでこの反応とは、魅了にかかっているとはどうやら本当らしい。
「詮索する気はないのです·······!!ただ、状況は詳しく知っておいた方が解決しやすいかと思いまして。」
「────ああ。そうだ。相手は聖女だ。」
俯きながら呟いたアクレンの姿が、不謹慎かもしれないが少しかわいいとイェリは感じてしまった。
「そうですか。では、その·····嫉妬の相手というのは、魔法使いのエイデル様でしょうか?」
イェリがエイデルの名前を出した時、アクレンは急に顔を上げた。
「は?いや、端から見ても誰もが分かるとは思うが······勇者ルイスだ。」
ルイスの名を聞いた瞬間、冷たい汗がイェリの背中を伝った。まさかルイスに限ってそんなはずはないという気持ちと、帰還してからまだルイスが会いに来ていないという事実がせめぎあっていた。
「ルイス様ですか?········しかしその、『イチャイチャ』というのは、信頼している仲間として仲良くしているということでは········」
「これは必要な情報か?野次馬根性で聞いてるなら答えないぞ。」
「いえ、決してそのような···········」
治療において、さして深掘りする情報ではなかったが、イェリとしては聞いておかなければならなかった。仕事に私情を持ち込むのはいけないとは思いつつも、一番近くでルイスを見てきたアクレンに、尋ねずにはいられなかった。
「まぁいい。ここでの話は他言無用だ。秘密は守ってくれよ。ルイスとサリーヤは、仲間というよりは男女の仲なんだ。」
「だ、男女の仲·····!?」
「ああ。────俺達は、旅の中で野営をすることが多いんだ。あれは、魔王を倒し、王都へ帰る途中に野営した時だった。夜中目が覚めた俺は、用を足そうと思いテントの外に出たんだ。隣に寝ていたはずのルイスはいなかった。サリーヤが寝ているテントの方で声がするから、何かと思って近付いたら·······」
「····················?」
イェリは耳を塞ぎたくなった。これから、アクレンから発せられる言葉が、イェリを絶望の底に叩き落とすと分かっていたからだ。
「影で分かった。ルイスの上にサリーヤが乗ってて······どう見ても『行為』をしてた。声も漏れてたし、それ意外考えられない。その日以降、明らかにサリーヤはルイスにベタベタするようになったし、ルイスもサリーヤを蕩けるような目で見てる。··········あぁ思い出しただけで腹が立ってきた。もうこの話はいいだろ。」
アクレンはうんざりしたように髪をかきあげ顔を背けた。
イェリはしばらく呆然としていた。思考が回っておらず、どこか自分とは関係のない他人の話を聞いている、そんな感覚だった。
「おい、大丈夫か?なんか変だぞ。」
一点を見つめたまま反応のなくなったイェリを訝しみ、アクレンがイェリの顔を覗き込んできた。
イェリはパッとアクレンを見ると、ひきつったように笑い誤魔化した。
「お話ありがとうございます。アクレン様が魅了魔法にかかり苦しんでらっしゃるということは分かりました。治療できるよう、最善を尽くします。それでは、魅了魔法を解くための薬に必要な材料というのがありまして、───────」
イェリは、『感情』をコントロールする脳の器官を凍らせたように、自信の思考をストップさせた。目の前にいる苦しんでいる患者を救うことが、今の自分の役割だ。薬師の意地でここは乗りきろうと心に決め、アクレンとの今後の話を進めた。
材料が集まり次第、処方する薬を作ることをアクレンに約束した。帰り際、アクレンはイェリを振り返った。
「·········なぁ。俺の話を聞いてから、君が無理しているように感じるんだが気のせいか?余計なことを言ったんだったらすまない。」
全く悪くないアクレンに謝られ、イェリは微笑みながら首を振った。
「いえ!アクレン様の気のせいですよ。私のことは、イェリとお呼びください。きっと治療に成功してみせます。頑張りましょうね。」
「あぁ。よろしく、イェリ。」
アクレンも少しはにかんだように笑い、部屋を出ていった。
扉がバタンと閉まった瞬間、イェリはその場に座り込み、堪えていた涙が嗚咽と共に溢れ出した。
(どうしてなのルイス···········!!信じて待ってたのに─────こんな仕打ちあんまりよ!!)
アクレンの勘違いだと思いたいが、少しの間アクレンと話した印象は、彼は憶測や思い込みで何かを決めつけるような人間には見えなかった。魅了魔法にかかり我を失いかけてはいるが、本来は冷静で、聡明な人物なのだろう。
ルイスが三日経ってもイェリに会いにこないのは、もうイェリの元に戻る気などさらさらないからではないか。
考えてみれば当然だ。今やルイスは国の英雄で、結婚相手など、ルイスの一声であれば、聖女だろうが王女だろうが誰でも望むことができる。
それをわざわざ、田舎育ちの只の幼馴染みだった女との約束を守るはずがない。
その事に気付いたイェリは、悔しさと情けなさ、腹立たしさと諦めが同時に襲ってきて、立てなくなるほど泣き腫らし、その日は仕事を早退して家に帰った。
結局悶々と考えてしまい、一睡もできないまま朝を迎えた。
86
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。
聖女だと呼び出しておいて無能ですか?〜捨てられた私は魔王様に溺愛される〜
みおな
恋愛
学校帰りにいきなり眩い光に包まれて連れて来られたのは異世界でした。
王子はこんなちんちくりんは聖女ではないと言い放ち、私を王宮から追い出しました。
元の世界に帰る方法は、魔王の持つ帰還の指輪が必要と言われ、途方にくれた私の前に現れたのは、美形の魔王でした。
捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています
日向はび
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。
自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。
しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━?
「おかえりなさいませ、皇太子殿下」
「は? 皇太子? 誰が?」
「俺と婚約してほしいんだが」
「はい?」
なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる