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「大丈夫!?体調は……」
「あ、の……」
ふいに、おでこに手をあてがわれ、俺の頬は一気に熱くなった。
おまけに、昨日のハグやらキスやらの記憶が一気に蘇り……
「は、離して……っ」
「陽斗君……ダメじゃないか!こんな高熱で出てくるなんて……!」
東条は厳しい口調でそう言うと、俺の背中と膝の裏に手を回し、ひょいと体を持ち上げた。
「え……え!?ちょっ、降ろせよ!」
「いいや、ダメだ。さぁ、家に帰ろう。僕も、今日はまたサークルの集まりがあるから来たんだけど、それはキャンセルしておくよ」
「キャ、キャンセルって……」
そんな、レストランの予約みたいでいいのか。
見上げると、東条は至って真面目な表情で俺を運んでいく。
その姿が……なんだか可笑しい。
なぜかいつもスーパーマンみたいに登場するし、明らかにやりすぎだし。
何しろ、俺はクッソ恥ずかしい。
でも東条本人は周りの目なんて気にもせず、真っ直ぐで、一生懸命だ。
(つーか、思いっきり本性出てんじゃねぇか)
「……ふっ」
「ん?なにか可笑しいかな?」
「いや、なんでもねぇよ」
(ホントはツッコミてぇけど……)
俺はもう一度、チラリと東条を見上げた。
(なんか、憎めないんだよな)
そう思い、俺は大人しく東条の胸に身を預けるようにして、目を閉じた。
すると、駅の近くで女性に声をかけられ、東条はピタリと足を止める。
(……?)
見ればそこには、少し年上っぽい女性が立っていた。
「あ、の……」
ふいに、おでこに手をあてがわれ、俺の頬は一気に熱くなった。
おまけに、昨日のハグやらキスやらの記憶が一気に蘇り……
「は、離して……っ」
「陽斗君……ダメじゃないか!こんな高熱で出てくるなんて……!」
東条は厳しい口調でそう言うと、俺の背中と膝の裏に手を回し、ひょいと体を持ち上げた。
「え……え!?ちょっ、降ろせよ!」
「いいや、ダメだ。さぁ、家に帰ろう。僕も、今日はまたサークルの集まりがあるから来たんだけど、それはキャンセルしておくよ」
「キャ、キャンセルって……」
そんな、レストランの予約みたいでいいのか。
見上げると、東条は至って真面目な表情で俺を運んでいく。
その姿が……なんだか可笑しい。
なぜかいつもスーパーマンみたいに登場するし、明らかにやりすぎだし。
何しろ、俺はクッソ恥ずかしい。
でも東条本人は周りの目なんて気にもせず、真っ直ぐで、一生懸命だ。
(つーか、思いっきり本性出てんじゃねぇか)
「……ふっ」
「ん?なにか可笑しいかな?」
「いや、なんでもねぇよ」
(ホントはツッコミてぇけど……)
俺はもう一度、チラリと東条を見上げた。
(なんか、憎めないんだよな)
そう思い、俺は大人しく東条の胸に身を預けるようにして、目を閉じた。
すると、駅の近くで女性に声をかけられ、東条はピタリと足を止める。
(……?)
見ればそこには、少し年上っぽい女性が立っていた。
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