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そして、半強制的に女子達の前に立たされる。

(ど、どーしよう……)

気まずさに顔を俯けていると、東条が皆に向かって声高らかに言った。

「みんな!こちら、宮原陽斗君。かわいいだろう?まさに、僕の大切な人さ」

「……っ」

堂々と言い切る東条を、俺は焦って見上げる。

(大切な人って……!)

これはもう、全員の前で告白されたも同然じゃないか……!?

するとその瞬間、女子達が一斉に騒ぎ出した。

「ええー!?ちょっと待って、さっき言ってたのって……!?」

「やだ!相手は男の子だったの!?もう♡東条君たらっ♡」

「まじ!?BL展開、だと……!?またの名を、神展開という……」

……ああ、はい。

最近の女子といえば、BL好きは結構多いらしい。

まぁそれはいいとして。

俺は元々恋愛対象は女だ。

ただ、今回はたまたま、好きになったなぜか相手が男だったってだけで……。

(もう好きだって気付いてるけど……俺だって、まだ戸惑ってるとこあるんだっての)

興奮する女子達を眺めつつ、俺はガクリと項垂れた。

こうやって囃し立てられるのは、あまり好きじゃない。

そしてここに、それを気にも留めない人が約一名。

「ささ、陽斗君。ここに座って?」

東条はサッサとソファー席に腰を下ろすと、隣の空いた所をポンポンと手で叩き、催促してくる。

「い、いや、俺は……っ」

「いいから、おいで?それとも……僕の隣は、嫌かい?」

「……っ」

その聞き方はズルい。

断れねーだろ。

東条の誘惑に顔を赤らめながらも、どうやって逃げようか考えていると、女子達も俺に座るよう促してきた。

「陽斗君、座りなよ~!……って、やだ、近くで見るともっとかわいい……!」

「ほんとだぁ!ねぇ、女顔ってよく言われない!?」

「かっ、完全にBLにしか見えない……!ちょ、写メ撮らせて下さい……!」

(はぁ……もー、参った)

逃走不可能と悟り、俺は渋々席についた。






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