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11 コンビニで再会⭐︎イラストあり
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後日、俺は出来上がった帽子が早速売れたので、丁寧に梱包し、送り出すためコンビニへ向かった。
コンビニにあるシステムで手続きを済ませ、梱包した帽子を預ければ一連の作業は完了だ。
(……よし、と)
一段落してホッと一息。
何か甘いものでも買って帰ろうと思い立ち、店内を回ることにした。
(へぇ、最近こんなの出たんだ)
お菓子コーナーに行くと、新商品が各種並んでおり、どれも美味しそうだ。
けれど、今食べたいのはこういうお菓子ではなく、プリンとかゼリーとか、そういうやつだ。
というわけで、デザート・コーナーへ足を運ぶ。
すると、そこには求めていたものがズラリと並んでいた。
(うわ、こういうの久しぶりだし、どれがいいかなぁ~)
見ているだけでテンションが上がり、ついつい同じ場所をウロウロする俺。
その時、前から背の高い男性が近付いて来た。
しかし、すっかりスイーツに心を奪われていた俺は、その人物に気付かず……
ーードンッ!
ぶつかった。
「ーーっすみません!」
「あー、いや……って、お前……」
「え……あ、蒼井!?」
「はは、また会ったな」
ぶつかった相手は、まさかの蒼井響だった。
なんでこんなに会うのだろうか。
もしかしたら、お互い住んでいる場所が近いのかもしれない。
俺はジロリと上目遣いに見上げつつ、疑問を口にした。
「お前……もしかして、この辺に住んでんのか?」
すると、蒼井は余裕な笑みを浮かべつつ、目の前にあったヨーグルトを手に取る。
「まぁ、近いな。さっきまで部屋で作業してて、疲れたからコンビニ来たんだけど……まさか、佐久間に会えるとは思わなかった」
どうやら、予想は当たりらしい。
蒼井の家がこの辺りにあるならば、俺の住んでる所とそう遠くないはずだ。
それに、蒼井の格好からしても、本当に近くなのだろうと予想がつく。
黒の半袖Tシャツにカーキ色のハーフパンツ……どうみても部屋着だよな。
(なんか、まずい気がしてきた……帰ろっ!)
前回のキスの事が脳裏を過り、危機を感じた俺はサッと踵を返す。
「じ、じゃあな……! 俺、もう行くからっ」
「あっれぇ? 佐久間、何か買うんじゃなかったの?」
「う……っいい! 用事、思い出したからっ!」
「はいはい、嘘だね」
必死に逃げようとすると、ぐっと腕を掴まれ、俺はまたしても捕まってしまった。
背の高い蒼井は俺を見下ろし、ニヤリと笑みを浮かべる。
(……っまたキスされる……!?)
知っての通り、蒼井は客が多いカフェでも構わずキスが出来る男だ。
ここはコンビニだけれど、蒼井からしたらカフェとなんら変わらないかもしれない。
(……っ)
蒼井の端正な顔が近づく。
というか、コンビニでキスされるなんて、俺は絶対に嫌だ。
俺はキスを阻止する為、もう片方の腕で自分の顔を覆い隠した。
すると……
「ふっ」
「……へ?」
耳元で小さく笑う声が聞こえ、恐る恐る腕をずらす。
と、次の瞬間、耳元に蒼井の唇が寄せられ、囁かれる。
「暇なら、俺の部屋来ない?」
「え……っ!?」
まさかの言葉に、俺は目を見開く。
俺の部屋に、来ない? だと……?
少ししてその意味を理解すると、俺はぶんぶんと首を横に振る。
「む、むむむむむ、無理、行かない!」
「えー、そんなぁ……あ、じゃあさ」
「?」
「えーっと……」と言ってスイーツ・コーナーをまじまじと眺める蒼井に、俺は首を傾げる。
蒼井は、数あるスイーツの中から一番豪華なのに目をつけると、それを指差した。
「このチョコレート・パフェ、買ってあげる。それだったらいい?」
「は!? いや、そういう問題じゃ……」
「食べたいでしょ?」
「いや、そりゃまぁ……って! ちがっ……待て! そうじゃなくて……っ」
一瞬、チョコレート・パフェにまんまと釣られそうになり、慌てる俺。
これは罠だ。
蒼井はこのチョコレート・パフェで俺を釣って、部屋に連れ込む気だ。
ていうか、俺は小学生じゃねぇ!
完全なる子供扱いにムカついて、俺は蒼井をキッと睨みつけた。
「いらない! 帰る!!」
「だーめ。ほら、意地張ってないで、お会計するよ」
「 っはぁ!? ちょっ、離せよ!」
強引すぎる蒼井に、抵抗も空く引っ張っていかれる。
蒼井は俺を連れてレジに行くと、サッサと会計を済ませて外に出た。
すると、いつの間にか外は雨が降っていて、コンビニの屋根の下から出た瞬間にずぶ濡れになりそうだ。
これは所謂、ゲリラ豪雨というやつだろうが、五月にこんなのは珍しい。
しかも蒼井と一緒にいる時に限って降るなんて、本当についてない。
けれど蒼井は、そんなの何も気にしていないといった様子で空を見上げている。
「あー、通り雨か。佐久間、こっち」
「え、ちょ……っ」
後日、俺は出来上がった帽子が早速売れたので、丁寧に梱包し、送り出すためコンビニへ向かった。
コンビニにあるシステムで手続きを済ませ、梱包した帽子を預ければ一連の作業は完了だ。
(……よし、と)
一段落してホッと一息。
何か甘いものでも買って帰ろうと思い立ち、店内を回ることにした。
(へぇ、最近こんなの出たんだ)
お菓子コーナーに行くと、新商品が各種並んでおり、どれも美味しそうだ。
けれど、今食べたいのはこういうお菓子ではなく、プリンとかゼリーとか、そういうやつだ。
というわけで、デザート・コーナーへ足を運ぶ。
すると、そこには求めていたものがズラリと並んでいた。
(うわ、こういうの久しぶりだし、どれがいいかなぁ~)
見ているだけでテンションが上がり、ついつい同じ場所をウロウロする俺。
その時、前から背の高い男性が近付いて来た。
しかし、すっかりスイーツに心を奪われていた俺は、その人物に気付かず……
ーードンッ!
ぶつかった。
「ーーっすみません!」
「あー、いや……って、お前……」
「え……あ、蒼井!?」
「はは、また会ったな」
ぶつかった相手は、まさかの蒼井響だった。
なんでこんなに会うのだろうか。
もしかしたら、お互い住んでいる場所が近いのかもしれない。
俺はジロリと上目遣いに見上げつつ、疑問を口にした。
「お前……もしかして、この辺に住んでんのか?」
すると、蒼井は余裕な笑みを浮かべつつ、目の前にあったヨーグルトを手に取る。
「まぁ、近いな。さっきまで部屋で作業してて、疲れたからコンビニ来たんだけど……まさか、佐久間に会えるとは思わなかった」
どうやら、予想は当たりらしい。
蒼井の家がこの辺りにあるならば、俺の住んでる所とそう遠くないはずだ。
それに、蒼井の格好からしても、本当に近くなのだろうと予想がつく。
黒の半袖Tシャツにカーキ色のハーフパンツ……どうみても部屋着だよな。
(なんか、まずい気がしてきた……帰ろっ!)
前回のキスの事が脳裏を過り、危機を感じた俺はサッと踵を返す。
「じ、じゃあな……! 俺、もう行くからっ」
「あっれぇ? 佐久間、何か買うんじゃなかったの?」
「う……っいい! 用事、思い出したからっ!」
「はいはい、嘘だね」
必死に逃げようとすると、ぐっと腕を掴まれ、俺はまたしても捕まってしまった。
背の高い蒼井は俺を見下ろし、ニヤリと笑みを浮かべる。
(……っまたキスされる……!?)
知っての通り、蒼井は客が多いカフェでも構わずキスが出来る男だ。
ここはコンビニだけれど、蒼井からしたらカフェとなんら変わらないかもしれない。
(……っ)
蒼井の端正な顔が近づく。
というか、コンビニでキスされるなんて、俺は絶対に嫌だ。
俺はキスを阻止する為、もう片方の腕で自分の顔を覆い隠した。
すると……
「ふっ」
「……へ?」
耳元で小さく笑う声が聞こえ、恐る恐る腕をずらす。
と、次の瞬間、耳元に蒼井の唇が寄せられ、囁かれる。
「暇なら、俺の部屋来ない?」
「え……っ!?」
まさかの言葉に、俺は目を見開く。
俺の部屋に、来ない? だと……?
少ししてその意味を理解すると、俺はぶんぶんと首を横に振る。
「む、むむむむむ、無理、行かない!」
「えー、そんなぁ……あ、じゃあさ」
「?」
「えーっと……」と言ってスイーツ・コーナーをまじまじと眺める蒼井に、俺は首を傾げる。
蒼井は、数あるスイーツの中から一番豪華なのに目をつけると、それを指差した。
「このチョコレート・パフェ、買ってあげる。それだったらいい?」
「は!? いや、そういう問題じゃ……」
「食べたいでしょ?」
「いや、そりゃまぁ……って! ちがっ……待て! そうじゃなくて……っ」
一瞬、チョコレート・パフェにまんまと釣られそうになり、慌てる俺。
これは罠だ。
蒼井はこのチョコレート・パフェで俺を釣って、部屋に連れ込む気だ。
ていうか、俺は小学生じゃねぇ!
完全なる子供扱いにムカついて、俺は蒼井をキッと睨みつけた。
「いらない! 帰る!!」
「だーめ。ほら、意地張ってないで、お会計するよ」
「 っはぁ!? ちょっ、離せよ!」
強引すぎる蒼井に、抵抗も空く引っ張っていかれる。
蒼井は俺を連れてレジに行くと、サッサと会計を済ませて外に出た。
すると、いつの間にか外は雨が降っていて、コンビニの屋根の下から出た瞬間にずぶ濡れになりそうだ。
これは所謂、ゲリラ豪雨というやつだろうが、五月にこんなのは珍しい。
しかも蒼井と一緒にいる時に限って降るなんて、本当についてない。
けれど蒼井は、そんなの何も気にしていないといった様子で空を見上げている。
「あー、通り雨か。佐久間、こっち」
「え、ちょ……っ」
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