【BL】いじわるな黒髪貴公子に食べられそうです

筍とるぞう

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※34 電話の声に・3

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「……っ」


思わず、俺は手を止める。

こんなの、さっさと切って連絡先も消去してしまえば、もう蒼井と関わらなくて済む話だ。

それなのに、なぜかそれが出来ない。

俺はもはや泣きそうになりながら、スマホをまた耳元に戻した。


『颯太?』


「……っもう、やだ」


『なにが……ああ、そうか。分かった』


「……?」


一体、なにが分かったというのだろう。

俺は半泣き状態で蒼井の言葉を待つ。

もうどうなったって知るか。


『颯太、パンツ履いてる?』


「……履いてるし」


『じゃあ、パンツの上から颯太のあれ、なぞるみたいに触って?』


「……」


こうなったら、なんだってやってやる。

俺は黙って手を伸ばすと、言われた通りパンツ越しに触れてみた。


「んっ……ぁ」


『エロ……颯太、パンツ濡れてる?』


「ん……ローション、ついてる……っ」


『ははっ、やば……』


蒼井の声も、少し切羽詰まったように聞こえる。

というか、これ、かなり気持ちいい。

人に言われてするせいなのか、さっき自分でしていた時と気持ちよさが全然違う気がする。

俺は自身を指先でなぞりながら、次の指示を待った。


『じゃあ次は……パンツを下ろして、直接触って?』


「んっ、はぁ……うん……っ」


すっかり息が上がり、俺は震える手でパンツを下にするすると下ろした。

するとローションと我慢汁で滑った自身が顕になり、甘いため息が漏れる。


「あ、蒼井……っも、触ってい?」


『ん、いーよ。声、聞いててやるから我慢すんな』


「……っん、ぁ」


甘い誘惑に、俺はすっかりハマってしまい、もう恥じらう気持ちはどこかへ消えていた。

それよりも今は、もっと気持ちよくなりたい。

快楽を求めて、俺の手は動きを速めていく。

耳は蒼井の声に侵され、どんどん煽られていった。


『颯太の声、やっぱ可愛いな……ほら、手で包み込んで、指先をバラバラに動かしてみ?』


「んぁっ、や、だめ……これ、気もちぃ……っ」


『もっと動かして……』


「あっ、あっ……も、らめ……っ」


ゆらゆらと腰元が揺れ、快楽が押し寄せる。

もう少しで絶頂を迎える寸前で、蒼井の声が耳元に響いた。


『……好きだよ』


「っああー……っ!」


次の瞬間、俺は一気に頂点に達し、先端から白濁をビュルルと吐き出した。


「はぁっ、あ、んっ……」


ーー気持ちいい。

色々と気になる事はあるものの、今はこの快楽に酔いしれるだけで精一杯。

俺はスマホを持ったまま、ベッドにパタリと倒れた。


『……気持ちよかったみたいだな』


「……」


はぁはぁと息を整えつつ、俺はこくりと頷いた。

蒼井には見えていないので意味ないのだけれど。

というか……さっきイく寸前に ″好きだよ″ というセリフが聞こえた気がするのだけれど、気のせいだったのだろうか。


(……いや、気のせいじゃない、よな)


俺は腕で目元を覆い、息を整えつつ考える。

好きだと言った蒼井の声は、真面目そのものだった……と思う。

あまりちゃんと覚えていないけれど、あれは蒼井の本心……?


「……っ」


意識がはっきりしてきて、俺はガバッと身を起こした。

そして、スマホを握りしめて耳に当てる。

けれどもう、通話は終了してしまっていた。


「蒼井……?」


取り残された気持ちになり、俺は暫く、スマホを耳にくっつけたまま虚空を見つめていた。
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