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波紋
波紋
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一方の縣一家は遼成さんが組長に就任した。雄々しいその姿はすでに組長の貫禄そのもので。
決して見惚れていた訳じゃないけれど、彼の目にはそう写ったみたいで。焼きもちを妬いて、なかなか機嫌が直らなくて大変だった。
そんな彼は、度会さんや幹部の皆さんから、跡目のフリじゃなくて、本当に跡目になり、組を継いでくれと頼まれてかなり悩んでいる。
柚原さんは、橘さんとの生活を優先したいと、俺は絶対に跡目にはならないと、先手必勝とばかりに宣言し、早々に断ったみたい。
弓削さんも、兄貴を差し置いて跡目になるのは筋が違うと、彼もまた断ったみたいで。だからさっきからため息ばかり吐いている。
「ねぇ遥琉、引き受けたら」
見かねた心さんが声を掛けた。
「僕はもう大丈夫だから。ね!?」
「大丈夫な訳ないだろ」
急に声を荒げる彼。
大好きなままたんとぱぱたんのお膝の上にちょこんと座り、お利口さんにして動画を見せて貰っていた一太と遥香がびっくりして思わず振り返った。
「ごめんな、大きい声を出して・・・」
慌てて子供たちに謝る彼。
それを見ていた柚原さんが、一太の髪を優しく撫でながら心さんに話し掛けた。
「なぁ心、心に受けたキズはそう簡単には癒えるものじゃない。未知を見れば分かるだろう。5年以上経過した今も兄の影に脅え苦しんでいる」
「柚原……」
驚いたように一瞬目を見張り、それから目蓋を閉じて唇をギュッと噛み締める心さん。
「俺も遥琉も腸が煮えくり返るくらいヤツが憎い。裕貴だって同じだろうよ。心、もう強がる必要はないんだ。千里に甘えるみたいに、遥琉や、未知にもっと甘えたらいい。だって家族だろう⁉」
「そうだよ心」
柚原さんと千里さんの言葉に心さんの目から一筋の涙が零れ落ちた。
決して見惚れていた訳じゃないけれど、彼の目にはそう写ったみたいで。焼きもちを妬いて、なかなか機嫌が直らなくて大変だった。
そんな彼は、度会さんや幹部の皆さんから、跡目のフリじゃなくて、本当に跡目になり、組を継いでくれと頼まれてかなり悩んでいる。
柚原さんは、橘さんとの生活を優先したいと、俺は絶対に跡目にはならないと、先手必勝とばかりに宣言し、早々に断ったみたい。
弓削さんも、兄貴を差し置いて跡目になるのは筋が違うと、彼もまた断ったみたいで。だからさっきからため息ばかり吐いている。
「ねぇ遥琉、引き受けたら」
見かねた心さんが声を掛けた。
「僕はもう大丈夫だから。ね!?」
「大丈夫な訳ないだろ」
急に声を荒げる彼。
大好きなままたんとぱぱたんのお膝の上にちょこんと座り、お利口さんにして動画を見せて貰っていた一太と遥香がびっくりして思わず振り返った。
「ごめんな、大きい声を出して・・・」
慌てて子供たちに謝る彼。
それを見ていた柚原さんが、一太の髪を優しく撫でながら心さんに話し掛けた。
「なぁ心、心に受けたキズはそう簡単には癒えるものじゃない。未知を見れば分かるだろう。5年以上経過した今も兄の影に脅え苦しんでいる」
「柚原……」
驚いたように一瞬目を見張り、それから目蓋を閉じて唇をギュッと噛み締める心さん。
「俺も遥琉も腸が煮えくり返るくらいヤツが憎い。裕貴だって同じだろうよ。心、もう強がる必要はないんだ。千里に甘えるみたいに、遥琉や、未知にもっと甘えたらいい。だって家族だろう⁉」
「そうだよ心」
柚原さんと千里さんの言葉に心さんの目から一筋の涙が零れ落ちた。
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