永遠のヒーラー(ショートショート集)

シンリーベクトル

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お菓子な家

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ヘンゼルとグレーテルは森で迷っていた。
ひどくお腹が空いて、倒れそうになったそのとき——
木漏れ日の中にお菓子の家を見つけた。

「お兄ちゃん、これ食べてもいい?」
「誰もいないようだな。食べちゃおう。」

見つけたお菓子の家は、壁も煙突も扉もすべて甘くて、
二人は夢中でかじり、丸ごと胃袋に収めた。


「……あっちにも、お菓子の家があるよ。」

二人は向かい、また丸ごと食べ尽くした。

二人はひたすら食べた。気がつくと周りにもたくさんの子供達が集まっていた。
三軒、五軒、十軒。
お腹はいっぱいなのに、なぜか食欲は減らない。
木の壁さえ、ほんのり甘く感じてきた。

ヘンゼルとグレーテル達は、さらに先に見える新しい“街”を見つめた。
甘い匂いがした気がした。
食欲がせり上がる。
カサカサと、六本の足音が響いた。すぐにそれが、ジィィィィィィ……と無数の羽音に変わっていった。
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