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【1章】
【第二話】邂逅
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しばらく大自然の中を散歩していると、背後から老人に声を掛けられた。
「そこのお主、少し手を借りても良いか?」
「えっ!?」
人を求めて歩いていたが、突然の声に私は驚いた。
振り向くと白髪の老人が肩から天秤棒を担いでいた。
棒の両端を見ると、水がいっぱい入った木桶が吊るされている。
「驚かせてすまない。川から水を汲んできたのだが、思いのほか重くてな。」
「ああ、いいですよ。」
私は、自分の他に人がいることに安心して快く仕事を引き受けた。
天秤棒は歴史の教科書で見たことがあったが、実際に担ぐと、老人の言う通り思いのほか重かった。
そのため聞きたいことが山ほどあったが、運ぶので精一杯だった。
しばらく老人の後を着いていくと野菜畑に到着した。
道中、他の人間とすれ違うことはなかった。
「ここで結構。」
「わかりました。」
私はゆっくり天秤棒を下ろした。
「いやはや、改めて礼を言うよ。どうもありがとう。助かった。」
「いえいえ。ところで、」
私は恐る恐る老人に尋ねた。
「ここは天国ですか?」
「はっはっは。死後の世界でこんな体力のいる仕事があるなんて。お主は随分と独特な考えを持っているな。」
そう言われて初めて自分が突飛な発想をしていることに気づいて恥ずかしく思った。
せいぜい、ここはどこですか?と聞けばよかった。
「いや、失礼。ここはエイスタット辺境の地だ。」
「エイ、スタット・・・。」
聞きなれない地名だったので、もう一度声に出して言ってみた。
「こんな僻地の草原で無防備に寝ているのだから、ただ者ではないな。お主何かあったのか?」
私は迂闊に自分のことをしゃべってしまったら危険な目に合うのではないかと思った。
そこで今は記憶を失っている体にした。
「思い出せません…。」
「それは困った。ならば先生に診てもらおう。」
先生とは医者だろうか。
とりあえず悪い人ではなさそうなので着いていくことにした。
「そこのお主、少し手を借りても良いか?」
「えっ!?」
人を求めて歩いていたが、突然の声に私は驚いた。
振り向くと白髪の老人が肩から天秤棒を担いでいた。
棒の両端を見ると、水がいっぱい入った木桶が吊るされている。
「驚かせてすまない。川から水を汲んできたのだが、思いのほか重くてな。」
「ああ、いいですよ。」
私は、自分の他に人がいることに安心して快く仕事を引き受けた。
天秤棒は歴史の教科書で見たことがあったが、実際に担ぐと、老人の言う通り思いのほか重かった。
そのため聞きたいことが山ほどあったが、運ぶので精一杯だった。
しばらく老人の後を着いていくと野菜畑に到着した。
道中、他の人間とすれ違うことはなかった。
「ここで結構。」
「わかりました。」
私はゆっくり天秤棒を下ろした。
「いやはや、改めて礼を言うよ。どうもありがとう。助かった。」
「いえいえ。ところで、」
私は恐る恐る老人に尋ねた。
「ここは天国ですか?」
「はっはっは。死後の世界でこんな体力のいる仕事があるなんて。お主は随分と独特な考えを持っているな。」
そう言われて初めて自分が突飛な発想をしていることに気づいて恥ずかしく思った。
せいぜい、ここはどこですか?と聞けばよかった。
「いや、失礼。ここはエイスタット辺境の地だ。」
「エイ、スタット・・・。」
聞きなれない地名だったので、もう一度声に出して言ってみた。
「こんな僻地の草原で無防備に寝ているのだから、ただ者ではないな。お主何かあったのか?」
私は迂闊に自分のことをしゃべってしまったら危険な目に合うのではないかと思った。
そこで今は記憶を失っている体にした。
「思い出せません…。」
「それは困った。ならば先生に診てもらおう。」
先生とは医者だろうか。
とりあえず悪い人ではなさそうなので着いていくことにした。
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